文学科

はじめに

いま地球上には約70億の人間が暮らしていて、大小さまざまな社会を形成していますが、その社会は言葉がなければ成り立ちません。朝起きてから夜寝るまで、人々が互いに交わす会話、心を慰め或いは奮い立たせる歌、ラジオやテレビからひっきりなしに流れる放送、新聞や本にぎっしり詰まった活字、そのすべてが言葉であり、また言葉を記録するために考案された文字なのです。このように私たちが何気なく使っている言葉、つまり「言語」は、人間の毎日の社会生活に欠かせない道具です。それどころか、独り言でさえ私たちは言葉を使っているのです。
日常生活の道具である言葉は、時には身の回りや、周囲の社会や、あるいは広く世界で起こった出来事を記録するのに使われます。また、自分で考えたことや感じたことを書き記すためにも使われます。こうして言葉は、人間の文化を保存し、伝達し、継承するという大切な役目を果たしているのです。

文学科とは

文学科は、東アジア言語文学コース(日本語日本文学、中国語中国文学)、欧米言語文学コース(英語英米文学、独語独文学、仏語仏文学)、超域言語文学コース(比較文学、言語学)の3コース・7研究領域から成っていますが、全体的に見れば、「人間」というものを、言語を通して研究する学科といえましょう。
  中でも、詩や小説や戯曲などのいわゆる「文学」は、言語を表現の手段とする芸術作品です。日本人は日本語で書き、中国人は中国語で、西洋の国々では、それぞれの国民が各々の国語で作品を書いています。文学はまた、文字の発明されない古い時代の口承文学から、今日の印刷による文学、さらにはインターネットによる文学に至るまで続々と作り続けられているのです。

一方、見方を変えれば、私たちの言語は、数十の基本的な音を様々に組み合わせて意味を伝えるために工夫された、複雑な構造物でもあります。それは長い年月にわたる諸国民・諸民族の共同作業の産物なのです。このすばらしい構造物である「言語」の諸法則や、それを構成するさまざまな要素を科学的に分析するのも、文学科の重要な一領域です。

ですから、文学科には世界の主要な国々の文学を芸術作品として研究する「文学研究」と、言語としての面から探る「語学研究」とがあります。文学作品を研究すれば、それを書いた作家の個人的特色を知ることができますが、それ以外に、その作家が生まれ育った国の国民性や時代を知ることもできます。また、国の境界を超えて、二つあるいはそれ以上の国の文学を比較研究することもできます。それを専門とする「比較文学」や、言語そのものを研究する「言語学」は、日本の大学では、数少ない教育研究分野です。ちなみに、「独語独文学」および「仏語仏文学」を持つ大学は、九州の国立大学では二大学のみで、その一つがわが熊本大学文学部なのです。文学の表現は、私たちにさまざまな言葉の発見と読み方を投げかけます。言葉によって、無限に未知の世界に挑み、知的な楽しみをぜひ味わってもらいたいと思います。卒業後の進路は、中学・高校教員やマスコミ関係をはじめとして、公務員、民間企業などさまざまな分野に及んでいますが、大学院に進み、研究者やその道の専門家として活躍している人も多く、この傾向はこれからも続いていくものと思われます。

授業風景

  • 文学科 授業風景1
  • 文学科 授業風景2
  • 文学科 授業風景3
  • 大学院社会文化科学研究科
  • 熊本大学文学部附属永青文庫研究センター

国立大学法人熊本大学 文学部

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