研 究 室 に よ る 発 掘 調 査 情 報

2 0 2 3年 度
熊本県阿蘇市
平原古墳群
南尾根グループ3号墳
発掘調査
日 誌



オンライン現地説明会
(2023年9月2日)
 2023年8月18日〜9月5日に実施。

 コロナ禍の3年間を経て、4年ぶりに合宿による発掘調査実習を実施しました。
 調査地は、これも4年ぶりの阿蘇市平原古墳群、合宿場所は阿蘇市山田地区公民館。

 山田地区の方々には、今回も本当に親切にしていただき、感謝の気持ちで一杯です。

 今年度の調査は、コロナ禍の3年間で完全に途絶えてしまった合宿での調査のノウハウを復活させることも大きな目的の1つでありました。

 3年生が博物館実習のため次々に抜けるなか、残された大学院生、3年生、そして2年生の面々が本当に頑張ってくれました。
 彼ら・彼女らのおかげで、合宿による発掘調査実習のノウハウが、これまでの伝統をふまえつつも新たな形で作り上げられたような気がします。

 その意味で、熊大考古の合宿による発掘調査実習の新たな幕開けの年となったといえるのではないでしょうか。
 コロナ禍からの復活、元年です。

 なお、この執筆は、教授の杉井健です。
2 0 2 2年 度
熊本県熊本市中央区
立田山南麓古墳(上)
発掘調査
日 誌



オンライン現地説明会
(2022年9月3日)
 2022年8月18日〜9月13日に実施。

 コロナ禍3年目。
 昨年度もコロナ禍で、夏のメインの実習発掘調査は熊本大学構内遺跡(黒髪町遺跡)で行いましたが、コロナ禍3年目の今年度は一昨年度に引き続き、立田山南麓古墳(上)を対象に実施しました。

 一昨年度は墳丘の調査でしたが、今年度は埋葬施設の調査。
 といっても、1955年(昭和30年)に一度発掘調査された横穴式石室を再度調査するというものです。

 1955年以降今年までの67年間に堆積した埋土を掘り下げたのですが、石室壁体から転落した石材が多く、なかなか苦労しました。
 また、すべての学生さんが参加しても、私を含め10人しかいないのですが、体調を崩す学生さんが多く、ほとんど1日7〜8人のみで調査を進めざるを得ませんでした。
 調査序盤でフィールドマスターがリタイヤするという状況でした。
 さらに、実測の経験があまりない学生さんばかりでしたので、熊本大学でははじめて、3次元計測データを駆使した調査となりました。

 なお、この執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 2 1年 度
熊本県球磨郡錦町
四ツ塚古墳群
測量調査
日 誌
 2021年11月18日〜11月21日に実施。

 2021年度夏のメインの実習発掘調査は、熊本大学構内遺跡(黒髪町遺跡)で実施されました。
 白川沿いの農園に使われている敷地に2箇所のトレンチが設定されました。
 調査担当は小畑弘己先生と、今年から人文社会科学研究部附属国際人文社会科学研究センターに赴任された久保田慎二先生。
 私、杉井健はドローンで写真撮影をしましたが、あとはもっぱら見学のみ。

 私はいくつかの地域で古墳の測量調査を実施したかったのですが、コロナ禍のため、大人数で長期間の泊まりの調査なんてできません。
 とくに緊急事態宣言が発出されている間なんて、出張に行くことさえままなりませんでした。

 10月にようやく緊急事態宣言がすべて解除となったので、そのあと、何とか短期間でも古墳の測量調査を実施できないかと模索して実現したのが、この錦町四ツ塚古墳群の調査でした。
 たったの4人、たったの4日間の調査でしたが、やはり泊まりの現場はいいものです。
 それをあらためて実感させてくれた調査でした。

 ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 なお、この執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 2 0年 度
熊本県熊本市中央区
立田山南麓古墳(上)
発掘調査・測量調査
日 誌



オンライン現地説明会
(2020年9月5日)
 2020年8月24日〜9月14日に実施。
 新型コロナウイルス感染症の流行。
 さまざまな行事が中止となり、対面授業も中止。授業の多くが、ZoomやMoodleを使った遠隔授業となりました。
 
 そんな困難な状況でも、実際の現場での発掘調査実習を止めるわけにはいきません。
 なんといっても、考古学教育においては、現場での実地での経験がきわめて重要ですから。
 
 ただし、例年通りの合宿では3密を避けることはできません。
 また、無症状のコロナ感染者であるかもしれない若い学生たちが大挙して訪問することは、合宿場所として公民館を貸して下さる地域の方にもご心配、ご迷惑をおかけすることになります。

 そこで、大学から通いで実施できる現場を3月頃から探し始め、大学から歩いて30分程度の場所にある立田山南麓古墳(上)を候補地に定めました。
 そして、熊本市・熊本県の関係各位からの多大なご配慮を頂戴して、何とか無事に、発掘・測量調査実習を実施することができました。

 現地説明会も、対面ではなく、オンラインで行うという、初めての試みでした。

 初めてのことばかりで苦労は多かったですが、やればできる!、と変な自信にもなり、また若い学生たちを頼もしく思った経験でもありました。

 ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 なお、この執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 9年 度
熊本県阿蘇市
平原古墳群

南尾根グループ
6・3号墳発掘調査

北尾根グループ
8号墳測量調査
日 誌
 2019年8月21日〜9月13日に実施。
 長崎県対馬での発掘調査は、昨年度で一応の終結を向かえました。
 そして今年は、5年ぶりに、阿蘇の古墳に戻ってきました。
 平原古墳群、、、

 山田地区の公民館での合宿も5年ぶりでしたが、地区の方々が本当に温かく迎えて下さいました。

 調査は、南尾根グループ6・3号墳の発掘調査、そして北尾根グループ8号墳の測量調査、この3つの現場を並行して行いました。
 少々欲張りすぎた感がなきにしもあらずで、調査の前半、8月のうちは雨ばかりであったせいもあって、とくに3号墳の発掘調査については、十分な成果を上げることはできませんでした。

 ですが、包含層とは異なる5年ぶり人工構築物の調査であったため、学生たちは戸惑いながらも、新しい何かをつかんでくれていたように思います。
 8号墳が思いのほか大きくて、測量にも手間取りましたが、何とか形をつけて、予定取り撤収してきました。

 調査の実施にあたっては、地元、山田地区の方々、そして阿蘇市教育委員会の皆様には、本当によくしていただきました。
 心からの感謝の念を捧げたいと思います。
 本当にありがとうございました。

 なお、この執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 8年 度
熊本県阿蘇市
下御倉古墳
測量調査
日 誌
 2018年8月24日〜9月2日に実施。
 2018年度も、長崎県対馬でメインの実習発掘調査。
 そのため杉井は、上御倉古墳のすぐ東側にある下御倉古墳の墳丘測量調査を実施しました。
 上御倉古墳と下御倉古墳を合わせて、手野古墳群ないしは西手野古墳群と呼ばれています。

 この調査により、上御倉と下御倉の墳丘が、1枚の測量図の上に表されました。
 本当なら、次に、下御倉古墳の横穴式石室も実測したいところですが、入口が完全に埋まっているので、現状ではその実施は不可能です。
 でも、いつかできればなあとは思っています。

 調査の実施にあたっては、地元、古城地区の皆様には本当によくしていただきました。
 阿蘇市教育委員会からは、いつも多くのご配慮を頂戴しています。
 感謝の念に堪えません。
 本当にありがとうございました。

 なお、この執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 7年 度
熊本県阿蘇市
上御倉古墳
墳丘測量調査
日 誌
 2017年8月26日〜9月4日に実施。
 2017年度も、メインの実習発掘調査は、長崎県対馬で行われました。9月中旬の実施。
 そこで杉井は、昨年度、平成28年(2016年)熊本地震の影響で中止した阿蘇市上御倉古墳の墳丘測量調査を行いました。
 
 熊本地震被災からの復興への歩みを始めたばかりであったのですが、調査の実施においては、阿蘇市の皆様から多くのご協力を賜りました。
 調査の再開にご理解をいただいた皆様への感謝の気持ちをもって、調査の日々を過ごしました。

 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 6年 度
熊本県上天草市
大道(おおどう)鬼の釜古墳
測量調査
日 誌
 2016年8月24日〜8月31日に実施。
 2016年度のメインの実習発掘調査も、9月、長崎県対馬で行われます。
 そこで杉井は、昨年度に引き続き阿蘇市上御倉古墳の墳丘測量調査を実施すべく準備を進めていましたが、2016年4月14日の前震、16日の本震に始まる平成28年(2016年)熊本地震の影響により、本年度夏に阿蘇で調査することを断念しました。
 でも、これはあくまで、中止ではなく、中断です。

 とはいえ、何も測量しないままでは、学生の力量も上がりません。
 そこで、ゴールデンウィークに実施する予定でしたが地震のため中止とした上天草市大道(おおどう)鬼の釜古墳の測量調査を、今夏の8月下旬に実施しました。
 急遽の実施でしたが、対応して下さった上天草市の皆様には、心から感謝いたします。

 この調査は上天草市史姫戸町・龍ヶ岳町編編さんの一環。
 いつもの自炊ではなく、三食付き。
 宿泊は民宿で、生活面はとても快適でしたが、連日37度を超える気温のなか、とても暑い現場でした。

 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 5年 度
熊本県阿蘇市
上御倉古墳
横穴式石室測量調査
日 誌
 2015年9月1日〜9月15日に実施。
 2015年度のメインの実習発掘調査は、長崎県対馬の腰高遺跡・夫婦石遺跡を対象に行いました。
 そこで杉井は、4年間続いた阿蘇市平原古墳群の発掘調査をいったん中断し、同じ阿蘇市に所在する上御倉古墳横穴式石室の測量調査を企画しました。
 上御倉古墳は国造神社のすぐ近くにある後期の円墳。
 とても立派な横穴式石室を内部主体としています。
 その石室実測調査、および3D測量の様子をご覧下さい。
 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 4年 度
熊本県阿蘇市
平原古墳群6号墳発掘調査
2・3号墳測量調査
日 誌
 2014年8月18日〜9月12日に実施。
 平原古墳群の調査は、2011年度の測量から数えると4年目を迎えます。
 6号墳では墳頂部にもトレンチを設けました。また、6号墳の発掘調査と並行して2・3号墳の測量調査も行いました。
 執筆は、准教授の杉井健、そして調査に参加した学生たちです。
2 0 1 3年 度
熊本県阿蘇市
平原古墳群6号墳発掘調査
日 誌
 2013年8月18日〜9月14日に実施。
 昨年度に引き続き、平原古墳群6号墳を発掘調査しました。
 調査次数ですが、1980年代初頭の熊本県教育委員会等による調査を第1次、2011〜2012年に実施した測量調査を第2次と整理しましたので、昨年度の発掘調査は第3次調査となります。
 ですので、今年度の調査次数は、第4次。
 昨年度調査できなかった墳丘南側に新たなトレンチを設け、また、昨年度の西1トレンチ、北1トレンチを墳頂部近くにまで延ばしました。
 今後も、調査を継続させていきたいと思っています。
 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 2年 度
熊本県阿蘇市
平原古墳群6号墳発掘調査
日 誌
 2012年8月19日〜9月15日。古墳の発掘調査は4年ぶり。
 調査対象は、阿蘇市山田にある平原古墳群。
 新たなフィールドとして阿蘇を選び、地元の方々の心温かい協力のもと、発掘調査を開始しました。今後も継続して調査・研究を行っていきたい地域です。なお、測量調査は2011年11月に行っています。
 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 1 1 年 度
熊本県上天草市
カミノハナ古墳群測量調査
日 誌
 2011年8月17日〜28日。3年ぶりの古墳の調査です。
 調査対象は、上天草市松島町にあるカミノハナ古墳群。
 1981・1982年に熊大によって発掘調査されていますが、それから30年ぶりに測量図の作成を行いました。
 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 0 8 年 度
熊本県上天草市
千崎古墳群発掘調査
日 誌
 2008年8月25日〜9月23日。千崎古墳群の調査5年目。次数は第7次。
 執筆は、准教授の杉井健です。
2 0 0 7 年 度
熊本県上天草市
千崎古墳群発掘調査
日 誌
 2007年9月10日〜10月6日に実施。千崎古墳群の調査4年目。次数は第6次。昨年度やり残した5号墳横穴式石室の実測調査、そして墓壙の断ち割り調査、それから10号墳石棺棺外の副葬品有無の確認調査を実施しました。
 今年で調査に一区切りつけるつもりでしたが、一部に不十分な点があるので、次年度にもう一度、調査を実施する予定です。
 執筆は、准教授の杉井健、そして現場参加の学生さん達です。
2 0 0 6 年 度
熊本県上天草市
千崎古墳群発掘調査
桐ノ木尾ばね古墳実測調査
日 誌
 2006年8月28日〜10月16日に実施。千崎古墳群の調査3年目。次数は第5次。5・10号墳の主体部を発掘調査しました。桐ノ木尾ばね古墳の主体部残存状況についても実測図を作成。調査期間が50日に及び、熊本大学始まって以来の長期間の発掘調査となりました。
 でも、千崎5号墳の石室実測図作成および断ち割り調査は時間切れで実施できず。仕切り直しです。
 なお、執筆は、助教授の杉井健、そして現場参加の学生さん達です。
熊本県上天草市史関連
遺跡の分布・現状調査
日 誌(古墳編)
 2006年4月29日〜5月3日に実施した熊本県上天草市史関連天草所在古墳(遺跡)調査の様子です。
 執筆は、助教授の杉井健です。
2 0 0 5 年 度
熊本県上天草市
千崎古墳群発掘調査
広浦古墳測量調査
日 誌
 2005年9月11日〜9月28日実施。千崎古墳群は昨年度に引き続いての調査(第4次調査)となります。広浦古墳は戦前に京都大学が調査して以来の調査。
 執筆は、助教授の杉井健です。
熊本県西原村
河原第3遺跡(旧石器)の
発掘調査
日 誌
 2005年8月17日〜9月1日に実施した阿蘇所在の旧石器時代の遺跡−河原第3遺跡第6次調査の様子です。
 調査は今年度で一区切り。次年度に正式報告書刊行を目指します。
 執筆は、大学院博士課程1年の芝康次郎君。思い入れ一杯に書いてくれています。
熊本県竜北町
大野窟古墳横穴式石室の
実測調査
日 誌
 2005年8月11日〜8月21日、竜北町教育委員会に協力する形で実施した熊本県竜北町所在大野窟古墳横穴式石室実測調査の様子です。
 執筆は、助教授の杉井健です。
熊本県上天草市
大矢野町域所在遺跡の
分布調査
日 誌
 2005年4月29日〜5月3日に実施した熊本県上天草市大矢野町域所在遺跡の分布調査の様子です。これも、上天草市史大矢野町編編纂の一環となる調査です。
 執筆は、助教授の杉井健。そのせいで、古墳に関する記述が多くなってしまいました・・・
2 0 0 4 年 度
熊本県上天草市
千崎古墳群発掘調査
長砂連古墳実測調査
日 誌
 2004年8月31日〜9月16日に実施した熊本県上天草市所在の千崎古墳群・長砂連古墳調査の様子です。上天草市史大矢野町編編纂の一環となる調査です。
 熊本大学考古学研究室による調査の雰囲気を感じ取っていただければうれしいです。執筆は、助教授の杉井健です。