熊本県阿蘇市
平原古墳群6号墳発掘調査、2・3号墳測量調査
(2014年度)

徒 然 な る ま ま に


2014年9月12日(金) 第26日目(最終日)

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 撤収日。

 なぜか朝5時過ぎに目が覚めて、夜が明けるまで布団のなかでゴロゴロ。
 6時過ぎから山田地区の棚田まで散歩しました。
 山田地区にはとても美しい棚田があります。
 「水掛の棚田」

 上の写真は今日の朝、その棚田から阿蘇五岳を望んだものです。
 彼岸花が咲き始めていて、もうすぐ秋の実り。

 この棚田ですが、山田地区の前区長・大田黒さんらが中心となって「阿蘇水掛の棚田管理協力会」を結成、肥後銀行ほかの協力を得ながら維持管理されています。
 すぐ近くには乙川湧水があり、おいしい自然の水を飲むことができます。

 私の故郷、大阪の雁多尾畑(かりんどばた)にも多くの棚田がありますが、そういった不便な棚田を守っていくのは並大抵のことではありません。
 ですので、大田黒さんたちがさまざまな知恵と工夫によって、ふるさとの棚田を美しく保っていっておられることには頭が下がる思いです。

 稲刈りにお誘いいただいたことがあるのですが、時間が合わず、これまでは不参加。
 今年はどうでしょうか・・・


 さて、撤収日の今日の朝食は、炊飯器等の片付けのいらないパン。
 ひさびさのパンは、菓子パンとはいえ、なぜかおいしい・・・

 朝食後、トラックに器材を積み込み、並行して宿舎の徹底的な清掃。
 器材積み込みを手伝ってくださった区長・市原さんのロープワークには、皆、見入ってしまいました。

 そして、10時20分頃に貸し布団の引き取りが終わり、約1ヶ月間お世話になった山田公民館に別れを告げました。


 でも、そのまますぐに帰ってもつまらないので、2カ所見学。
 株式会社日本リモナイトの阿蘇鉱山、そして大観峰。

 阿蘇は知る人ぞ知る褐鉄鉱の産地です。
 褐鉄鉱はリモナイトとも呼ばれ、今も阿蘇谷で生み出されていて、それを掘り出し、さまざまな製品が作られています。
 美容にもいいということで、サプリメントも製品化されています。

 このリモナイト、掘り出したときは黄土色をしているのですが、熱すると赤色に変化。
 ベンガラが生成されます。

 阿蘇谷西側の地中にはリモナイトが豊富にあり、弥生時代後期にはこれを用いてベンガラが作られていたことがわかっています。
 狩尾遺跡群などが有名です。

 また、リモナイトを一定の温度まで熱するとセラミックに、さらに温度を上げると鉄となります。
 戦時中、鉄鉱石の輸入が止まったとき、阿蘇谷のリモナイトを用いて鉄が作られていたことがあるそうです。

 弥生時代後期における鉄器の出土量は阿蘇地域が突出して多いこともあり、私は、このリモナイトを用いた鉄生産が行われていた可能性はないのか、なんてひそかに思っていますが、でも、リモナイトが鉄に変わる温度にまで熱することができる炉があったのかどうかがもっとも問題となります。

 古墳時代、リモナイトよりも簡便な鉄素材が朝鮮半島から入ってくるようになり、阿蘇谷における鉄生産が衰退したなんて考えると、今の日本が鉄鉱石の輸入に頼る現状と酷似していてさらにおもしろいのですが、なかなか遺跡で検証されないので、今のところは夢物語のような、そんな実証性のないお話です。

 でも、ベンガラの堆積は弥生時代後期の住居内で検出されています。

 そこで、せっかく阿蘇で古墳を掘っているのだから、リモナイト(褐鉄鉱)の現物を学生たちに見てほしい・・・
 以前からそのように思っていたので、急遽、日本リモナイトの蔵本専務取締役にお願いし、鉱山を見学させていただいたのでした。

 フライパンでリモナイトを熱してベンガラを生成する実験もしていただき(下の写真)、学生たちは楽しんでいた様子。
 もっとも、女性陣は、リモナイトが肌の健康に良いなどの美容話にもっとも食いついていましたが・・・


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 大観峰で赤牛の串焼きやソフトクリームで少しおなかを満たしたあと、大学には午後2時10分頃に到着しました。
 そして、すべての器材の片付けが終わったのが午後3時半頃。

 何より、無事に、全員健康で大学まで帰ることができたこと、そのことにほっとしました。


 夜の市内での打ち上げ、とても和やかな雰囲気でお酒を交わすことができたのですが、でも皆疲れているようで、午後9時過ぎにはお開きとなりました。
 そのあと、皆、ゆっくりと眠ることができたのかな?



 今年の調査ですが、6号墳の墳頂部で埋葬施設の様相を確認できなかったこともあり,私にとってはとても物足りない、あまり目新しい成果のないものとなったのですが、学生たちの様子を見ていて、参加学生にとっては、毎年の実習調査が、それぞれに新しものであるということを、あらためて実感しています。

 2年生にとっては初めての発掘調査であり、3年生にとっては後輩を指導しつつ、しかも実測などで主体となるべき発掘調査であり、4年生にとってはこれまでの経験を生かしつつ自身の力量を確認する発掘調査であり、修士1年生にとっては人員を配置し、全体を仕切る発掘調査であり、つまり、今までの調査成果とそれほど変わらない調査成果にしかならないとしても、学生たちにとっては、毎年が新たな課題に対処すべき発掘調査となるのです。

 発掘調査をすると、ついつい目新しい、そして大きな成果を挙げることを追い求めがちになるのですが、でも、大学の実習発掘調査というのは、学生たちにとっては毎回が目新しいものなんですね。

 葺石の平面図や立面図を苦労して書いている3年生たちを見ていて、そういえば昨年も同じように3年生たち(今年の4年生たち)が葺石実測に苦労していたなあ・・・と、毎年の繰り返しなのですが、でも毎年人が変わり、その人にとっては新鮮な体験なんだと、実感した次第。

 それが、大学で、実習発掘調査をすることの大きな意義なのだと、あらためて思いました。


 9月下旬からは報告書作成作業が始まります。
 少し休んで、鋭気を養って、後学期を迎えたいと思います。



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 最後の学生の一言は、フィールドマスターのY君。
 何を語ってくれるでしょうか・・・

日記の最後はみんなのフィールドマスターYが締めくくりたいと思います。

日記を書いている今は調査終了からすでに4日程経っておりまして、調査のことを思い出しながら書いております。
思い出すと色んなことがありました。
良いこと、悪いこと、キツかったこと、感動したこと、驚いたこと、楽しかったこと、なんでもかんでも書いているとキリがないので一番新しいことを中心に書いていきたいと思います。


というわけで一番記憶が新しい調査最終日のこと・・・
といっても大学へ撤収しただけなのですが、それまでにも色々ありました。

撤収の準備は思いのほか早く終わりまして、全員まったりしていたとき、3年生のH君が車のカギを車内に閉じ込めるハプニングが。
うろたえるH君・・・
彼には調査中散々いじられてきましたから、正直おもしろかったです。
もちろん彼を心配する気持ちもありました。
ぼくはそんな心冷たい男ではないのです。

そうこうしている内にJAFの方が来て、鍵をささっと救い出していただきました。
できる男はやっぱり同性から見てもかっこいい。
ぼくもそんなかっこいい男になりたいと思いました。


その後はリモナイトの工場と大観峰へ寄り道。

リモナイトの工場では初対面のリモナイトの方(工場長?)にいじられました。
ぼくはこのいじられ体質と小学校の時ぐらいからずっとお付き合いしていますが、なんだか年々強くなってきている気がします。
この調査では今年から調査に参加した学部1年生にもいじられる始末・・・

院生の威厳ってなんでしょうか。
ぼくが学部生の時は院生ってもっと迫力あった気がするんですけど・・・

まあ、リモナイトからベンガラを作る様子が見れたので気にしません。
ちなみにそのベンガラは今、ぼくの家にあります。
一部は保管して、一部は自分で作った土器にでも塗りたくろうかと考えております。


大観峰では女性陣のパワーあふれる姿を拝見いたしました。

調査中から思っていましたが、今回の女性陣はとても元気。
女性が元気ですと、やっぱり現場は明るくなります。
むさい男たちがたくさんいるとある意味元気な明るい感じになりますが、花が咲き誇っている明るさには到底かないません。
この明るさに今回の現場は支えられたのかと思ったりします。

もちろん現場を支えたのは元気な女性陣だけではなく、静かめ男性陣の黙々とした頑張りもありますし、先生の的確な指導もありました。
そしてみんなを頑張らせたぼく。
一番の功労者ではないでしょうか。


大学に帰ったあとは、調査の打ち上げでした。

途中まで調査に参加してくれた4年生2人と大量のカボスをくれて宿舎の食卓を困らせた4年生(感謝はしております。)も来てくれて、大変楽しい夜でした。

調査参加者の調査への思いを聞く機会がありましたが、みんな真剣に考えておりまして、頼もしい限りです。
また個人的にうれしかったことはみんなが調査した平原古墳群に愛着を持ってくれていたことでした。
これをきっかけにみんながもっと遺跡や考古学を好きになってくれればと思います(もちろん前から好きでしょうけど)。


このみんなの姿を見て思い出したのが現地説明会に来ていただいた地元の方々でした。

もともと歴史ものが好きそうな方から地元でやっているから来てみましたというような方まで様々な方がいました。
みなさん熱心に聞いてくださって、最初は歴史をよくご存じの方が多く質問されておりましたが、途中からはその他の方も様々な質問をしてくださいました。

おそらく説明会参加者の方々はそれぞれに古墳時代の平原古墳群と当時の山田地区・小倉地区の様子を想像されていたかと思います。

楽しそうなお顔でした。
あの説明会で楽しんでいただけたならとても喜ばしいことです。

楽しみながら地元の歴史を知る、知ってより一層地元を大事に思ってくださればと思います。


考古学をはじめ文化財に関連する学問はお金にはなりません。
しかし人の心を満たすことはできるはずです。
ぼくはこの現地説明会と調査に参加した学生たちを見てそう感じました。



とりとめもないことをつらつらと書いてきまして、最後は柄にもなく真剣なことを書いてしまいました・・・
お恥ずかしい。

なんだかおさまりがつきそうにないのでここで終わりとします。

何もかもが終わったように書いていますが、これからは報告書の作成が待っております。
気分を切り替えてまだまだ頑張っていきます!



2014年9月11日(木) 第25日目

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 ラス2。

 現場では6号墳の墳頂トレンチと東1トレンチの埋め戻し。
 朝一には、現場器材を搬出し、そして借用している足場を道路ぎわのトイレ横へ移動(明日午前、引き取りの予定)。
 午後1時半には、阿蘇市教育委員会から借用している一輪車3台と空気入れ1個を役犬原小学校の倉庫へ返却。

 埋め戻しが午後2時半頃にめどがつき、そして、埋め戻した土が流れないように埋め戻し土の上に枯れ葉をまく作業(カムフラージュ)が終わったのは午後4時頃でした。


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 そして、宿舎の山田公民館前で行っている器材洗浄作業に合流。
 ブルーシートやコンパネなどの大物から、大スコやジョレン、そして手スコ、釘まで、すべての現場器材を洗いました。

 これがなかなか大変でした。

 昨年度は午後4時半頃までに器材洗浄のメドがついていたため、今年も同じ調子で終わるとふんでいたのですが、少々見通しが甘かったようで、今年はすべての洗浄が終わったのは午後6時45分頃でした。

 どこで読みを誤ったのか??
 ・・・もう少し埋め戻し作業に手間取り、現場班の器材洗浄班への合流がもう少しでも遅れていたら、本日ですべての作業が終わらないところでした・・・
 危なかった・・・


 今、夜の11時をまわっていますが、宿舎の片付け作業が続いています。
 今日は、少々夜更かしの夜です。


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 さて、今日の一言は、影のフィールドマスターIさん。
 現場が始まる前と今とでは、見違えるようになったうちの1人です。
 来年度からも、頑張って欲しいと心から願っています。

こんばんは。今日の日誌は、入江が担当です。

今日は現場では埋戻し作業を、宿舎では器材の洗浄を行いました。
二班に分かれての活動ですが、私は墳頂トレンチを担当させていただいた事もあり、現場班の方に参加させてもらいました。

思えば現場での最初の日と最後の日(撤収日の前日)に、現場に出たのは今年が初めてです。

学部2・3年と生活係だったので、最初と最後の日は宿舎班に所属をしていました。
なので、ひとつのトレンチの設定から埋戻しまでを全て見届けたのも初めてでした。
埋戻しの際には墳頂トレンチでの作業を思い出して、いろいろあったなぁ、としみじみとしてしまいました。

現場では、杉井先生から本当に多くのことを学びました。
自分の至らなさに恥ずかしくなってしまうので、何を学んだかはここでは秘密にしておきます。

また、同級生の二人は、手際の悪い私に思うこともあったでしょうに、黙って見守り、支えてくれました。
後輩の皆には、いつも元気をもらいました。
後輩の頑張っている姿というのは、とても励みになりますね。

素敵な人たちに囲まれて過ごした一か月間、これから先もずっと忘れません。

皆さんのおかげで、とても良い経験ができました。
本当にありがとうございました!



2014年9月10日(水) 第24日目

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 朝7時40分に宿舎を出て、大学にトラックを借りに帰りました。
 もう現場で必要のない器材等をレンタカーの軽バンに積んで帰り、とって返すようにトラックで(軽バンは学生が運転して)現場宿舎へ戻りました。午前11時15分。

 現場では撤収に向けた作業が始まっています。

 6号墳葺石の転落石を阿蘇市文化財資料室(役犬原小学校)へ収納。
 埋め戻しに必要のない器材、たとえばシートやテント、電子平板の串などの洗浄作業。
 宿舎の清掃・・・

 現場でも、6号墳墳頂トレンチでは、昨日解釈を変更した土層写真の撮り直し。
 東1トレンチでは、立面図作成作業や土層注記、そして葺石の石積み状況の観察メモ作成。
 2・3号墳測量では、墳丘の現状写真撮影。

 写真撮影の多い今日でしたが、昨日と打って変わって適度に曇り・・・
 とても天気に恵まれている!!、と感謝の今日でした。

 いよいよ、現場も終わりの雰囲気です。
 明日の11日でどれほど作業が進むのか、それで、撤収日の日程が決まります。
 明日、皆、最後の気合で頑張れ!


 さてさて、今日は、連作です。  1人は3年生ながら東1トレンチの作業を仕切ってくれたH君です。
 冗談ばかり言っているので一見図太そうですが、でも、とても繊細な心の持ち主です。
 立面図作成、お疲れ様!
 先発の2人は3年生の女性陣2人・・・案外細かい作業の特異な2人・・・彼女たちの頑張りのおかげで、東1トレンチの雰囲気がとても良くなったと思います。
 ではでは、どうぞ!!

どうも!東トレンチのH&Mです。

バスタオルをマフラーのように巻く方、Hです。
座布団を布団の下に敷く方、Mです。
今日は、コンロとシンクと換気扇と炊飯器を激落ちくんで激落としました。
ピカピカです。
明日はもっとピカピカにします。

東トレンチのお話をします。
東トレンチは、最もけがをしやすいトレンチです。
滑らないように注意をしましょう。
うちのトレンチの番長、秦君はとっても頼りになってとっても面白い人です。
立面図を頑張って書き上げてくれました。
秦君ならやってくれると思っていました。
困ったときは秦君に頼れば何でも解決しました。
ありがとう。


…これくらい持ち上げておけば、なにか買ってくれるよね、秦君?


どうもー、現場後にパンツ一枚で玄関先を徘徊する秦君です♪♪
持ち上げられておりますが…(^_^;)
彼女たちもすごく頼りになるスケ番たちです(笑)

今日は上述の通り立面図を淡々と進めておりました。
途中までは後輩が補助してくれていたのですが、人手の関係でひとりぼっちで図面をとることも…。

普段はいじる側の人間ですが、この時ばかりはいじる対象がいないので、石材見ながらひとりでボケツッコミに至る始末でしたね。
補助がいるって本当に素晴らしい。

声優の話や僕が分からない話ばかりしてくれた補助員の方々、居眠りしていた竹村君、本当にありがとう。


それはそうと、昨日は満月だったので温泉から帰って宿舎から暗くなった山の姿をぼーっと見ると、平面・立面図で石ばかり見ていたからか「今日あんな形の石描いたなぁ」とか「あっちの山はどんな石の形かなぁ」とか考えていました。
寝ても覚めても石材のことばかり、どうやら僕は石のことをあいしてるみたいです。


はい、現場も残りわずかですね。
みんなで温泉に入ることも、わいわい食事することも、玄関先をパンツ一枚でウロウロすることもなくなるかと思うと寂しいですが、最後の最後まで現場頑張ります!!

とりとめのない文章でしたが、さらば!!



2014年9月9日(火) 第23日目

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 まず、写真の説明から。

 上左の写真は、小嵐山のずっと上の道から望む阿蘇谷です。
 東から西を見ています。
 真正面に内牧温泉街、その右側の外輪山上に大観峰、その下のやや低い丘陵の上に平原古墳群が立地します。
 本当に快晴で、また一昨日までの雨で空気が澄んでいたので、とてもすばらしい眺望でした。

 ちょうどこの場所からは平原古墳群も真下に見えます。
 長目塚古墳の墳形もよく分かります。

 上右の写真は、内牧温泉街にある箱式石棺です。
 安山岩の板石製。  場所は、内牧温泉開湯100周年記念碑のすぐそば。
 以前、阿蘇町教育委員会があった場所だそうです。

 市原区長に案内していただいたのですが、市原さんおよび阿蘇市の緒方さんのお話を総合すると、そこにはかつて3基ほどの箱式石棺が移設されていて、そのうちの1基が平原1号墳とされる箱式石棺であるとのこと。

 なんと!・・・平原古墳群の調査を開始して4年目に、その存在を知ることになろうとは・・・

 山田地区の方々はほぼご存じだとのこと、また、阿蘇市教育委員会の緒方さんもご存じであったとのこと・・・
 こうした石棺の情報をもっとたんねんに集めておく必要があったと反省しています。

 現在、形をなしている石棺は1基のみですので、それが平原1号墳の箱式石棺であるとの確証を得ることはできませんが、でも、その一端を知るためのきわめて重要なものであることは確実です。
 1981年調査当時の写真や図面があれば・・・と思うのですが、熊本県教育委員会に問い合わせても行方知れず・・・

 でも、粘り強く探してみようと思っています。

 正確に移設されている保証もまだないのですが、学生が実測や写真の訓練をするにはいい素材かもしれません。
 いつか機会を見つけたいと思います。


 さて、撤収を12日に決めたので、それに向けての作業が急ピッチで進んでいます。
 必要でない器材を選別し洗浄も始めました。
 6号墳東1トレンチの下3分の1程度を先行して埋め戻しています。
 土のう作りもほぼ終わり。
 あとは実測図の完成を待つばかり・・・

 そうした本日だったのですが、墳頂トレンチの土層注記の際、やはりこの分層はどうか?、というところが1箇所あり、担当のIさんが相当に悩みながら、昨日までの分層線を変更することを決断しました。

 私が見たときもかなり迷ったところだったので、今日のIさんの的確な結論に納得。

 現場終了近くであるけれども、でも、時間いっぱいまで粘り強く、またしつこく土に向き合うIさんの姿をみて、とてもうれしく思いました。
 やはりこうでないとね!


 さてさて、今日はSさんの登場。
 昨日も話題に出ていたSさん、お酒好きを自認する彼女です。
 将来、どのように化けるでしょうか??

こんばんは。
今回担当になった白岩です。

いきなりですが、私のイニシャルってK・Sなんですよね。

はい。昨日の日誌をご覧になった方はおわかりだと思いますが
昨日ミーティングに出ることができなかった若干1名とは私のことです。
ということで。日誌2回目は昨晩の反省会としたいと思います。

普段からお酒は大好きで一人で飲むことも多いのですが
やっぱり大勢で飲む方が楽しいです。

昨日は地域の方と先生、学生と多くの人が宿舎に集まっていて、
それだけで楽しい雰囲気でした。
そこに大量のお酒!!!!!
これは飲むしかないでしょ…。と思いましたよ。

だってこの20数日間思いっきり飲める機会なんてなかったんです。

そう!毎日作業なんでそんな機会あるわけないんですよ。

でも!でも!昨日は ノミニケーションという言葉にあやかっていいかなーと思って飲んじゃったんです。
そして、懇親会が終わってすぐ布団に放り込まれました。

研究室で一番下の学年にも関わらず先生、先輩方に迷惑をかけてしまいました。
この場を借りて…すいませんでした!!!

あれ、なんか反省文になってますかね。
言い訳とお酒がいかに楽しいものかしか言ってないですね。
これはまたやらかしてしまうかもしれないです。

でも若いうちの失敗たくさんしていいいかなーなんて思ってます(笑)

そんなこんなでこれからは、呑まれない程度にこれからもお酒楽しんでいきたいと思います。

合宿最終日にお疲れ様会があるのですが、その時どうなるかはまたのお楽しみということで!
おやすみなさいっ(^_-)-☆



2014年9月8日(月) 第22日目

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 快晴、晴天、写真撮影に苦労する日・・・(上2枚の写真)

 今年の現場始まって初めて、阿蘇五岳がきれいに見えました。
 上の下左写真が宿舎前から見た風景です。

 現場ですが、6号墳東1トレンチでは立面図作成作業が始まりました。
 並行して墳頂部付近を断ち割り。
 これまで検出していた面が墳丘面であることを確定しました。

 墳頂トレンチでは、断面図作成作業に移行。
 2・3号墳測量では、測量図をもとにして、地形の細部記録(メモ)作業を行っています。


 現場作業以上に、今日の特筆すべきこと。

 それは、公民館をお借りしている山田地区の方々との懇親会(上の下右写真)。
 夜7時過ぎ開始、9時頃終了。

 学生さんたちが、地域の方々とうまく話せるか、懇親できるかということがとても心配でしたが、まったくの杞憂でした。
 飲み過ぎてその後のミーティングに出席できない学生(若干1名、Sさん)がでる始末。
 それほど大いに盛り上がりました。

 こうした会を開催して下さった山田地区の方々に大いに感謝申し上げます。
 本当にありがとうございました。

 と同時に、こうした懇親会を大いに盛り上げてくれた学生さんたちにもありがとう!
 心からとてもうれしく思いました。


 さてさて、今日の一言は(若干1名、Sさん)の親友?、Oさんです。
 一見パッパラパーに見えますが、芯はしっかりしていて、仕事が確実な学生です。

今シーズン2回目の日誌を書きます大隈です(^O^)

今日は地域の人との懇親会がありました。
地元の方々お手製の料理を頂きながら、もちろんお酒も一緒に!!


今までの発掘期間の中で地域の方々からたくさんの差し入れを頂きました。
お野菜やお米、ピザetc…

そのような頂いた食材を使って食事当番が料理をしていくのですが
地元の方々が作った食材は地元の方々が調理するのが1番おいしいと思います。
私たち学生が作ったサラダと、地元の方々が作ったサラダは同じ材料でも味が違うのです。
地元の方々は地元の食材にあった「味」を知ってらっしゃるのかもしれませんね。

そして、食事に欠かせないのが「お酒」!!

ご飯がおいしいとお酒もすすんじゃいますよね。

冒頭で述べましたが、今日は地元との方々との懇親会でした。
ビールが出されたのですが、少し飲んだだけでも「どうぞ、どうぞ!!」でついでいただいて、この発掘期間の中でも一番呑んだ気がします(笑)

お酒が大好きなみんなですが、節度のある飲酒が大人として大切なことです。
とはいっても、お酒はおいしいので、たくさん飲んじゃいます(*^_^*)
今回発掘に参加している1年のK君の言葉を借ります。

「酒は呑んでも、呑まれるな」

今日は中秋の名月で、しかも一日晴れていたので、お月様がとても綺麗でした。

明日は満月のスーパームーンみたいです。
宿舎の外でシートを敷いて、お酒を頂きながら「お月見夜ご飯」を頂きたいものです。

今日はいつもよりお酒を多く頂き、明日も作業がありますので
このあたりでおやすみなさい!



2014年9月7日(日) 第21日目

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 雨の心配のない1日。
 今年の現場初!
 でも、写真撮影には少々不向きで、写真担当の学生にはじっと陰待ちをしてもらいました。

 そろそろ、調査終了日を正式に決める必要があります。
 14日までの予定で始めた調査ですが、少し終了が早まりそうです。

 雨の多い現場でしたが、でも、1日中休む日はなく、雨の合間を縫って、だましだましですが何とか作業を続けることができています。
 また、学生たちも頑張ってくれていて、早出もいとわず、明日から終了に向けて再スパートです。


 さて、6号墳墳頂トレンチ。
 土層の解釈ですが、何とか自力で考えて欲しくってじっと見守ってきましたが、今日、朝一から私がトレンチに入っておおよその結論を出しました(上左の写真)。
 それにそって清掃し、本日は断面写真撮影まで。
 天気が良すぎて予定の写真をすべて撮れなかったのですが、明日の早出でうまく撮影できることを祈っています。

 墳頂トレンチを担当してくれていたIさん。
 ミーティングなどの場における私からのかなり厳しいつっこみに対して、返答に窮する場面が多々あったのですが、それにもめげず頑張ってくれています。
 写真撮影も相当慣れてきたようで、段取りが目に見えて良くなっているのを感じます。
 今後も謙虚に、そして努力ですよ!


 東1トレンチでは平面図作成作業が終了。
 そして、今は葺石へのレベル落とし作業が継続中(上右の写真)。
 明日、立面図作成に移行します。


 2・3号墳の測量ですが、測点の計測はほぼ終了しました。
 あとは、報告書作成に向けて、細部の様相を観察し、メモや記録をとっておくことが必要です。
 今日の夜のミーティングで指示したので、明日、やってくれると思います。
 それから、2・3号墳の現状写真撮影・・・明日の曇り具合を見て、一気に撮って欲しいと思います。


 さてさて、今日は3年生のTさん。
 測量に頑張ってくれました。そして今日は、東1トレンチの平面図作成。
 以前も書きましたが、周囲を明るくしてくれる、そんな女性です。

こんばんは、3年の津田です。

今日は木下先生、別府大学の皆さんが来て下さいました!
私は頂いたものの中でも、果物とシュークリームがとても嬉しかったです!!!

そして、自分が担当をしていた東トレンチの14m50cm〜12mの平面図も終わり、
図面に取りかかるまでずっと関わっていた測量も全て終了しました!!!
(正直、測量は最後の瞬間は関わりたかったですが・・T_T)

これらの作業を終えると素敵な夜ご飯が待っていました\(^^)/
親子丼、揚げ出し豆腐、春雨スープでした!
こんなご飯があと数日で食べられなくなり、
麺類か同じようなおかずばかりの生活がまた始まると思うと
一回、一回の食事をじっくり味わおうと思います。

発掘作業も、みんなとの生活も少しずつ終わりを感じてきましたが
そのなかで、より多くのことを感じ、考えて、
充実した残りの数日を過ごしたいです。



2014年9月6日(土) 第20日目

 2・3号墳の測量の手伝いに行っていて、また突然の悪天候での撤収のために写真が撮れず。
 2日前に続いて、今日も写真がありません。

 今日の撤収は絶妙でした。
 午後5時前から冷たい風が吹き始め、あたり一面が薄暗くなり、これは降るぞ・・・と直感的に感じたので、2・3号墳の測量作業は切りもよかったのですぐ中止して、器材片付け。

 6号墳のトレンチもすぐにシートをして欲しいと思って、2・3号墳から上っていくと、すでにフィールドマスターY君の判断で、養生を始めていました。

 そして、現場ミーティングを省略して宿舎へ戻ったのですが、ちょうど宿舎へ到着したまさにその瞬間、どしゃ降りの大雨が・・・

 ナイス判断!
 みな、濡れずに済んで本当によかったと思います。
 雨に打たれると倍以上疲れますから・・・


 さて、今日は、多くの来客がありました。
 熊本古墳研究会の面々(古城さんや竹田さん、木村君ほか)、宮崎市教委の面々(西嶋君ほか)、新人研修途中の2人(檀君、松本君)、そして九文研の西谷君。

 ちょっと忙しかったのですが、さまざまにご教示をいただいて、大いに参考になりました。

 とくに、6号墳の葺石構築単位の解釈に関して・・・
 なるほどなぁ、、、と思うところが多々ありましたので、明日以降に詳細に検討したいと思います。

 でも、墳頂トレンチについては、さまざまにご意見をいただきましたが、こちらも的確な説明ができないこともあって、明瞭な解釈・見解には至りませんでした。
 やはり、もっともっと土層の検討が必要なようです。
 ただ、今日でおおよその方向は見えていますので、あと一歩。
 Iさん、頑張れ!!

 2・3号墳の測量はほぼ終わり。
 あとは細かい修正のみとなりました。
 2・3号墳のいい写真も撮りたいので、Kさん、頼むよ!!


 さてさて、今日は3年生のM君。
 やせの少食、でも、そのおかげかとても狭い断ち割り部へ体全体が入ります。
 そして、掘り下げや図面など、なかなか粘り強いところを見せています。

お久しぶりです、食の細い宮崎です。

前回の日誌はいつだったでしょうか。
ずいぶん遠い過去のように感じますね。
あの頃は食事が苦痛でした。
食材がノドを通らないのですから。

しかし、今は違います!
食材がノドを通る通る。
毎日おかわりをするようになりました。
食事が毎日の楽しみになったと言ってもいいでしょう。


ところが新たな問題が浮上してきたんです。

それは体重です。
現場前は52s、現場1週間目で49s。
この減量は予測できました。
現場1週間目の時点では食の細いままでしたから。

しかし、食が太くなったはずの現場2週間目48s、
3日前47.5s、2日前47s、昨日46.5s。
そして今日46sです。

やばい、これはやばい。
毎日500gずつ軽くなっています。

食べているのに減っていく。恐ろしい現象です。

食べた分を全て現場で消費してしまっているのでしょうか。

そうだとしたら、まだ食べなければいけません。
明日からも気合いを入れて食べます。



2014年9月5日(金) 第19日目

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 今日のトップ写真は、雨の日の宿舎・・・
 8月29日夜に撮影したものですが、外に干せない洗濯物で部屋の中が一杯になっています。
 これ、男子部屋兼ミーティング・食事ルームです。
 その隣の写真は、夕食後の片付けの様子。
 皆で一斉に洗い物をしています。


 さて、今日は夕方4時頃に小雨が降った程度で、1日中、作業ができました。
 太陽も顔をのぞかせ、気温も上昇。
 夏が戻ってきたようでした。

 6号墳東1トレンチでは実測作業継続中。
 昨日のハッパが効いたのかどうか、それほど早いとはいえませんが、でも、確実に、着実に進みつつあります。
 この調子で!!

 墳頂トレンチですが、東区のみを作業中(上の下2枚の写真)。
 盗掘坑の掘り込みラインがようやく認識されつつあります。
 土の違いがなかなかつかみづらく、苦労しています。
 盗掘坑ラインはいいのですが、埋葬施設・・・見えません。

 調査期間も限られているので、どの段階で掘り下げを停止し、一応のかたちをつけるのか、思案のしどころになっています。
 明日は、学生たちに、徹底的に土層の観察をしてもらいます。

 2・3号墳の測量ですが、周辺地形の測量中。
 でも、道路側は本当に急傾斜、ほとんど崖で滑り落ちる危険があるので、十分に測点をとることは不可能です。
 こちらもどの場所までの計測で終えるのか、明日には判断したいと思います。
 でも、いい等高線が描けていると思いますよ。


 さてさて、今日の一言は2年生のM君。
 なかなかの切れ者だと思いますが、でも、不器用なところも目立つ憎めないやつです。

今日の日誌の担当になった前田です。

2回目の日誌なのですが、1回目と2回目の間で私の携帯がお亡くなりになるという事件が起きていました。
現在は、非常に不安を感じながら過ごしています。

それにしても携帯に依存した生活をしすぎている気がします。
私は3年前から携帯を持ち始めたのですが、当時は無くても何とかなると思っていたのに、今では連絡手段がないことが非常に怖いのです。
ましてこの生活ではテレビが無く、ネットが使えないため、今の私は俗世から一切の関わりを絶った状態です。

また、携帯と言えば今日のフィールドマスターさんは携帯電話の充電が切れていたために、2・3号墳側から名前を叫ばれて連絡を取っていました。
もはや携帯電話は現場にいらないのではないでしょうか。

あと1週間ほど?ですが、携帯電話をもたず、腰痛に悩まされる、といった老人のような生活を続けていくことになりそうです。
早く現場が終われるよう頑張ります。



2014年9月4日(木) 第18日目

 今日は写真がありません。
 写真を写している時間がありませんでした。


 いや〜、朝から大雨でした。
 ですので、今日の午前中は完全休養。
 おそらく学生さんたちは、宿舎でゴロゴロしていたことでしょう。

 かくいう私は、ご不幸があった学生および教育実習事前指導のため高校に行かなければならない学生の2人を車に乗せて、大学まで戻りました。

 急遽戻ることにしたのは、九州古墳時代研究会(九前研の兄弟組織)による古墳見学会の案内発送準備のためです。
 ようやく見学会の準備が整ったので九前研会員に見学会案内を送る必要があるのですが、今、現場宿舎ですから私がすべてを対応できません。
 そこで、今回の見学会の段取りをしていただいている杵築市の吉田さんに発送を頼んだのですが、宛名シールと封筒をお渡ししなければならない・・・
 そのため、大学に戻って宛名を印刷し、また九前研の封筒をそろえてきたという次第。

 今日の午前が雨でなければ、現場宿舎で宛名シールを調達しなければならなかったわけですから、往復3時間のドライブでまったく休養にはならなかったのですが、私にとっても、タイミングのよい雨だったのかもしれません。

 朝7時50分に阿蘇を出て、お土産のシュークリームを買ったりして、ちょうど12時に宿舎へ戻りました。


 さて、午後からは何とか雨もあがり、現場作業を行うことができました。

 東1トレンチの葺石平面図作成作業ですが、難航していますねえ・・・
 初めての葺石実測で戸惑う気持ちは十二分に分かりますが、このまま放っておいたらいつ終わるか分からない・・・
 14日の撤収も危なくなる・・・
 そう思ったので、夜のミーティングでは少しハッパをかけたつもり。

 でも、昨日今日で少しは慣れてきていると思うので、明日に期待しています。


 今日の一言。二巡目のトップバッターはM1のKさん。
 今日、彼女と一緒に2・3号墳の測量を行ったのですが、後輩への指導が的確になっている様子を見て、この現場における彼女の格段の成長を感じました。
 そして、トータルステーションの扱いに関しては、確実に師を超えたね!!

こんばんは。体は外国人、心は日本人であるyiminでございます。

調査開始から早くも二週間が経ちまして後半戦に入りました。
私の出番は今日で最後だと思いますので、長文を書きたいと思います。


正直に申し上げますと、今はちょっと複雑な気持ちでございます。

2・3号墳の測量は皆の協力のおかげで、なんとか順調に進んでおります。
6号墳の墳頂と東トレンチはいろいろ大変そうで、落ち込んでいる同級生の彼女を見るたびに、何もできない自分に少しイライラします。

私はあまり人を慰めるのが得意ではありません。
ただ単に、「大変そうで、大丈夫ですか」しか声を掛けることができませんでした。
今のところは、墳頂や東トレンチのメンバーに言葉をかけるよりは、気持ちを伝えられるような応援をしたほうがいいのでしょうか。

今日は二年生の一人の女の子が初めて測量班に配属されました。
ふわふわの斜面で光波を立てるのがなかなか難しくて、彼女の心が少し折れました。
初めての測量なのに、辛い思いをさせてしまって、申し訳ないと思っています。
これで私みたい光波恐怖症にならなければいいけど…

今振りかえてみると、私の初めての現場は杉井先生の天草のカミノハナ古墳測量でした。
当時はまだ学部二年生であった私は作業内容もよく理解できていなく、集団生活も慣れなくて、ただただきつい現場でした。

大学院に入るまで、研究室の合宿や先輩の紹介で何度か発掘現場に行かせていただいたことがあります。
やはりどの現場でも作業内容を理解していないと、自分ひとりだけ取り残されてきついです。

私はスポーツや体を動かすのが好きですので、体力もそこそこあると自負しています。
しかし、現場では精神的の戦いになると、すぐダメになってしまいますが、今年は後輩の支えもあって、まだ元気でやっています。

今年の現場は私にとっては一生忘れない現場になるのではないかと思っています。(簡単に「一生」という単語を使いたくありませんが)
もちろん成長の機会を与えていただいた杉井先生には感謝しています。
それと、測量メンバーの方々のご協力も欠かせないものだと認識しています。
まだまだ作業が残っていますが、引き続き頑張っていきたいと思っています。


最後の一言、2014年の発掘調査は私の中で一番楽しかった調査です。
有難うございました。
(過去形になってしまいました)



2014年9月3日(水) 第17日目

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 今年は雨の降らない日がありません。
 昼でなければ夜に降り、かならず一度はどこかの時間に雨が降っています。
 でも、何とかだましだまし、ここ数日は朝8時半から夕方6時まで作業を行うことができていました。

 しかし、今日は午後3時半コールド。
 3時前から雷が鳴り始めて、そのときにすぐに撤収しておけばよかったのですが、あと10分・・・と粘ったため、みな、けっこう雨に濡れてしまいました。

 昨日から本格的に図面作業に移行しているので、雨が降るとほぼ仕事になりません。

 でも、雨には勝てませんねえ・・・
 明日も雨の予報が出ていますが、雨の合間を縫って、実測作業をたんたんと進めるしかありません。


 6号墳墳頂トレンチでは、墳丘残存面と考えている茶褐色面の検出状況の写真撮影を終え(上の写真)、その平面実測作業に移行しました。
 明日、実測終了後、再度断ち割りを行い、埋葬施設の様相の把握に努めたいと考えています。


 2・3号墳測量調査では、古墳それぞれの墳頂平坦面や墳端など、地形細部の記録作業に移行しています。
 また、古墳直下の道路を測量図に加えるため、新たな基準点を設置しました。
 測量はいよいよ終わりが見えてきています。


 雨・・・降らないでいて欲しい、、、心からそう思います。


 さて、今日で、学生の一言が一巡します。
 一巡目のラストを飾るのは、3年生のMさん。私はまっつんと呼んでいます(私の昔の友達と同じ呼び名)。
 彼女自身が下に書いているようにネット大好き、、、ですので昨年度の当初はこういった共同生活が苦手なように思いましたが、なかなかどうして。
 宿舎の生活を楽しんでいて、現場でも躊躇なく靴下になって清掃後のトレンチに入ることができる、、、きちっとした仕事ができる学生です。

はじめまして、3年の松本です。

ここに日記を書く順番をのらりくらりとかわしているうちになんと私が最後になってしまいました。
もう全員にまわったんですね。
今年の発掘は時間が過ぎるのが早いように感じます。

明日、私用で一度実家に帰ります。
だから今日中に断面図を終わらせたかったのですが、午後からの雨のため終わらせることができませんでした。
心残りではありますが、久々の下界を用事のついでに満喫してこようと思います。

普段は暇さえあればパソコンかテレビの前にいるので、阿蘇の宿舎は物足りないです。
そして私はパン派です。
ここではめったにパンは食べられません。

実家に帰る約2日間は、パソコンの前でパンを食べて過ごそうかと思います。
うちのかわいいハムスターにも会ってきます。


下界の過ごし方は置いといて、私のいない間に作業がいっぱい進んでいることを願っています(・ω・)



2014年9月2日(火) 第16日目

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 疲れのピークがみなに一斉にきたようです。

 今日の現場はとても静か。
 私も、今日の午後3時頃になるととても眠くなり、休憩時間に現場のブルーシートの上でちょっと横になりました。

 一昨日の31日、全日休みとしたので、そのせいで気合が少し抜けたのかもしれません。
 今日は早く寝るべきですね・・・


 現場ですが、6号墳東1トレンチでは断面実測作業を開始しました。
 3年女子の二人が北壁と南壁をそれぞれ分担しています。
 明日からは、人員配置次第ですが、平面実測も開始する予定です。

 墳頂トレンチの東区、昨日まで墳丘残存面としていたところがもう少し下がるとの解釈に至りました。
 断ち割り部の上方で土師器片が検出されていたのですが、そこを精査したところ、水平に広がる茶褐色土の上に土師器片が乗ることが明らかとなり、その茶褐色土上面まで掘り下げました(上の写真)。

 西区ではこの茶褐色土上に小礫が置かれているようなので、東区は、茶褐色土の上方が小礫とともに削平されている可能性が考えられます。

 明日、この茶褐色土面検出状況の写真と図面をとったのち、先に掘り進めたいと思います。

 それにしても、墓壙らしきものが見えません。
 埋葬施設、どうなっているのでしょうか?
 トレンチの位置が悪かった?

 2・3号墳の測量ですが、その測量範囲が6号墳に迫ってきました。
 3号墳と6号墳のあいだの丘陵斜面部に測量が及んでいます。
 あとは、墳頂平坦面や墳端位置などの細部の情報を記録する必要がありますが、測量がその段階に至れば、私が指示して測点をとってもらおうと思っています。


 さて、今日は3年生のHさん。
 小さくて柔らかい雰囲気をもつ女性ですが、仕事はしっかりしています。
 明日からは葺石の実測に頑張ってもらうつもり・・・期待しています。

こんばんは。疲れがピークの幣島です。

今年は去年に比べて休みがないのでヘトヘトです。
こんなに疲れるのも雨をほとんど降らせないフィールドマスタ−のおかげです。
いやー、ありがたいありがたい。


もう9月になりましたね。
時が過ぎるのは早いような遅いような早いような…。
合宿が終わるのが寂しいような嬉しいような悲しいような…。
皆さんと過ごせるのもあと2週間も無いと思うと…。
いや、今はそんなことを言っている場合ではないのです。
図面を頑張らねばならぬのです!
頑張りますとも!

さぁ、明日もフィールドマスターのお力のおかげでたくさん働くことができます。
またヘトヘトになってきます。
楽しみですね。

あらら、私の身体がもう眠らせてくれと叫んでいます。
寝ます。グッナイ。



2014年9月1日(月) 第15日目

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 雨の降らない日がありません。
 でも、現場はできているんです。
 何という幸運・・・

 今日も朝7時頃から雨脚が強くなり、これは待機か・・・と思ったのですが、8時半前にはほぼ雨があがり、通常通り現場をすることができました。

 6号墳の東1トレンチでは、全景写真撮影および段築テラス面の礫敷状況写真撮影が終わり、実測のための割り付け作業に移行しました。
 断面実測のためのレベルライン、平面実測のための中軸ラインを通したので、明日の午後からは実測作業を始めることができそうです。

 6号墳の墳頂トレンチでは、断ち割り作業計測中。
 これまで墳丘面と考えていたところですが、もう少し下がる可能性がでてきました。
 影のフィールドマスターIさんの担当区域ですが、明日は、私が入ってみるつもりです。
 はたして、Iさんの判断、解釈がどうなのか?
 じっくり考えてみたいと思っています。

 2・3号墳の測量調査は、古墳周辺地形の測量に移行しています。
 かなりの急斜面なので、足場に気をつけて、怪我のないようにこの調子で頑張って欲しいと思います。


 今日は二百十日。
 災害が起こらないように祈る日なのですが、公民館をお借りしている山田地区では、大人たちが集まっての焼き肉が行われていました。
 ちょうど、公民館前の共同農機具置き場にて。

 市原区長のお計らいで、サプライズ的でしたけれど、我々もお誘いいただきました。
 夕食準備もそこそこにして、多くの学生たちが参加してくれました(上右の写真)。

 考古学の調査・研究は、地域の方々のご理解とご協力がないと成り立ちません。
 とくに、発掘調査はそうです。
 ですので、こういった地区の方々からのお計らいは本当にありがたいことです。
 また、多くの学生たちがその焼き肉大会に、ほとんど躊躇することなく参加してくれたことは、とてもうれしいことでした。

 地区の方々との触れ合いを大切にすることの重要性を学生たちが理解してくれているように思えたことは、本当にうれしく思いました。

 また、今日の夕食には6号墳地権者の佐伯さんから、手作りビザとコーンスープの差し入れがありました。
 とてもおいしくいただきました。

 山田地区の皆様、本当に、本当にありがとうございます。
 心からの感謝の念を捧げたいと思います。


 さて、今日の一言は、2年生のM君。
 ものごとをきちっと進める学生です。
 やや堅すぎると思うところもないではないですが、それがM君のいいところ。
 でも、ちょっとだけ緩いところを付け加えてくれれば・・・なんて思っています。

こんにちは!今回日記当番を命ぜられました2年のMです。
"いよいよ自分にまわってきたか・・・"と思いながら文章を書いております。
先人方がすばらしい内容の日記ばかりを書かれるので、全くもって自信がないのですが、精一杯書かせていただきます(^^)\


皆さんは、「家族」というワードを聞いたとき、何を思い浮かべますか?
たいていの人は両親、祖父・祖母、兄弟・姉妹のことを思い浮かべると思います。
自分と血のつながりがない人を「家族」と思う人はさほど多くはないでしょう・・・

なぜこんなことを聞いているかというと、今回の実習で先生や先輩方、同級生や後輩と衣食住を共にしていくうちに、"まるで自分の家にいるみたいだな〜"と感じるようになったからです。

自分自身、こんな感情を抱いていることがとても不思議なのですが、反面、自分の家族以外の人と家族同然のように接することができていることに喜びを感じています。
自分はわりかし人見知りをしてしまうので、正直今回の実習をうまくやっていけるかどうか不安でしょうがなかったのですが、今はこの状況を楽しみながら日々過ごしています。

今日も、実習中に蜂に刺されてしまったのですが、自分のことを気にかけてくれて、特に、先生とN先輩は冗談を交えつつも真摯に処置を施して下さり、家族が自分を心配してくれているような感覚を覚えました。

正直に言って、実習は辛くて大変です。
重い器材を運ばなければならないし、細心の注意を払って作業をしなければならないし、20人近くの炊事・洗濯もしなければならないし・・・
けれど、実習でしか体験することのできないことも多くあります。
自分が感じた感覚もそのひとつだと思います。

考古学の知識や発掘の技術を学ぶだけでなく、人とのつながりも構築することができる、それが実習なんだと勝手ながら感じています。

今日から実習後半戦に突入し、一緒に過ごす時間もだんだんと減っていきますが、訪れる一瞬一瞬を大切に過ごしていきたいと思います。
この夏の実習を通して学んだこと・体験したことをしっかりと胸に刻んで、来る未来への糧として行きたいと思います。


残りの実習期間、全力疾走で駆け抜けていきましょう\(^o^)/


PS. 蜂にはくれぐれもご注意を! 気を抜くと、大変なことになりますよ・・・



2014年8月31日(日) 第14日目

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 中日(なかび)。
 現場作業お休みの日。

 去年は雨が多くって、現説も台風のために中止となり、中日(なかび)の休みをとることができませんでした。
 せっかく阿蘇に来ているのだから、ちょっとは阿蘇谷や南郷谷を見てもらいたく思っていましたので、今年はなんとしても休みの日を設けたく考えていました。

 昨日の現説の翌日=今日がそのお休み。

 毎度毎度のコースですが、
 小嵐山→中通古墳群(長目塚古墳)→国造神社→上御倉・下御倉古墳→阿蘇神社とその周辺散策→阿蘇道の駅(昼食)→草千里→白川水源→湧水トンネル→温泉・瑠璃。

 車4台で、運転手以外の同乗者をくじ引きで数回変えながらのドライブ。

 またまた白川水源で雨に降られたのですが(2年前とまったく一緒・・・)、買い食いなどが楽しいいい休日になったと思います。
 夕食もコンビニで買ってきたカップ麺などのジャンクフードで、学生たちはとても喜んでいました。
 いまどきの若者ですね。

 という私も、ひさびさのUFOがとてもおいしく感じました。


 先輩からの差し入れも続々と届いています。
 ジンギスカン肉なんて、夕食4〜5回分も届き、昨日も今日もヒツジ肉。
 まだ、3回食べてもあまるくらいの量です。

 気仙沼の先輩からは、ふかひれスープ。
 スイカも、お菓子もかなりいただきました。
 相当贅沢な食生活ですね。
 おそらく、一人暮らしの学生にとっては、普段よりもぜったいいい内容の食事となっていると思います。
 ビールもいただいているのですが、今日は高森にも行ったことですので、清酒「れいざん」を2本仕入れてきました。

 日本酒好きの学生も多いので、明日にでもゆっくりいただきたいと思います。


 学生さん、とくに女子学生たちは2週間の合宿で少々疲れているようで、今まだ午後9時頃なのですが、すでに就寝の態勢です。

 明日から、現場作業再開。
 今日はゆっくりと休んで欲しいと思います。


 さてさて、今日の学生は1年生のK君。現場唯一の1年生です。
 まだ研究室員ではないのですが、ぜひ発掘に参加したいと申し出てきた積極的な1年生。
 すぐに雰囲気になじんで、先輩に対してもつっこみを入れるような、なかなかたくましい学生です。
 来年、考古学研究室に上がってきてくれるのかな?

画面の前の皆さん、ごきげんよう。本日の担当のKです。

私は一年生なものですから、昼間の現場では右も左も分からず、てんやわんやしておりますが、夜になると途端に元気になるので、巷では夜のフィールドマスターと呼ばれているとかいないとか……。

今日は中日(○なかび×ちゅうにち)ということで、午前中はしばしの間発掘の日々を忘れて、中通古墳群を見にいったり、長目塚古墳の表採をしたりしました。
午後からは阿蘇神社に参拝した後、神社周辺を散策しました。
私などはフィールドマスターYさんに紹介されたちょっと洒落たデートスポットに心をときめかせておりましたが、大多数の方々は色気より食い気で羊羹や馬肉コロッケ、ソフトクリームなどに心惹かれていたようでした。

阿蘇駅の方で昼食をとり、お腹も心も一杯になった後は阿蘇の絶景を楽しみながら白川水源・湧水トンネルへと足を運び、ちょっとロマンチックな一時を過ごしました。

一日の疲れを癒してくれる風呂は私の楽しみの一つですが、今日行った瑠璃はサウナ有り、露天有り、駐車場も広いという最高の場所でした。
しかもお値段は三百円!
前半の疲れが綺麗に吹き飛んだ気がいたしました。

充実した一日をおくることが出来ましたが、これも偏にYさん立案の素晴らしい計画のおかげであることを忘れてはいけません。
Yさんには現場でも、夜の生活でも多くのことを教えていただいており、感謝してもしきれませんが、なにぶん私は不器用なもので、面と向かって感謝の気持ちをあらわすことができていませんでした。
この場を借りてお礼申し上げます。

さて、残り二週間程となりまして、いよいよ私には何が何だか分からない作業が増えて参りました。
これまで以上に頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



2014年8月30日(土) 第13日目

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 昨日の午後3時頃の大雨で本当に心配していたのですが、今日は朝から少しの晴れ間が出るような絶好の現説日和となりました。

 でも、昨日の午後は現場での現説準備がまったくできなかったので、10時半の現説開始に間に合わせるべく、朝7時に全員、現場へ出動しました。
 そして、昨日の雨のために汚れたトレンチ・・・とくにトレンチ内に入り込んでいた雨によって汚れた東1トレンチを重点的に清掃し、また、雨で滑りやすい古墳群への登り道を整備し、階段を作るなどして、現説に備えました。

 そして10時半。

 地域の方々を中心に30名ほどの参加があり、フィールドマスターY君のときおり寒いジョークをまじえたとてもわかりやすい説明のおかげもあって、私が言うのも何ですが、かなり好評のうちに現説を終えることができたように思います。
 Y君、彼は文化財と地域社会との関係についてとても真剣に考えている学生ですので、現説にかける思いも相当のものがあったようで、準備もしっかりとやっているようでした。
 彼が、地域の文化財行政を担うようになってくれたのちがとても楽しみに思えました。

 この日の現説のことをずっと忘れないでいて欲しいと思います。


 午後は通常の作業に移行しました。
 でも、午後からもときおり見学の方が来られたり、新聞記者の方が見に来られたりして、ちょっと忙しい時間でした。
 といっても、これはうれしい悲鳴ですね。


 明日は、この現場始まって初めての休日です。
 学生たちと阿蘇をドライブする予定です。
 ちょっと楽しみですね!


 さて、今日の学生の一言は、3年生のTさん。
 極端なほどまじめで、ものごとをきちっとこなす彼女ですが、私は、もう少し、緩くこなすところとしっかりこなすところのメリハリがつけば・・・と思いながら見守っています。

こんばんは!
今日の担当は3年の豊永です。

本日は合宿の一大イベントである、現地説明会を行いました。
昨年は台風のため開催することができず2・3年生共に初めての経験となりました。
私たちの発掘現場は急な斜面の上にあり、雨の日などは特にみんなすべってしまうような足場の悪い場所なのですが、そのような所にもかかわらず、多くの方にお越しいただけて研究室一同大変嬉しいかぎりでした。
また、このところ雨の日続きでしたが、今日はお天気にも恵まれ、とても楽しい日となりました。
この11日間の発掘の成果を、地元の方や研究者の方にお披露目することができ、良い経験となりました。

午後からは通常通り作業にかかったのですが、今日の私の作業は図面描きの補助というもので、調査区の中に入って石材の位置を測ることをひたすらしていました。
約3時間、靴下で調査区の中に滞在していたのですが、靴下を通して土の冷たさがじわじわと伝わってきて、夏の終わりをしみじみと感じていました。
思えばもう8月も終わりですね。

夜ご飯は、研究室の先輩から送っていただいたジンギスカンを食べました!
初めて食べたのですが、かなり美味しくて感動しました。
おやつには差し入れで頂いたシュークリームを食べ、こちらもかなり美味しくて幸せな一日でした。
差し入れを下さった方々、本当にありがとうございました!

さて、明日は一日現場作業はお休みして阿蘇神社や白川水源の方へ足を伸ばしてきます。
みんなが待ちに待った中日で、女子たちは久しぶりに化粧ができると浮き足立っています。

この合宿も残り15日、頑張っていきたいです!



2014年8月29日(金) 第12日目

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 午後1時20分、降雨のため現場を撤退しました。
 宿舎に戻ってしばらくすると、前も見えないようなどしゃ降り。
 現場撤収時にはかなり雨に濡れたのですが、でも、この土砂降りの雨に降られなかっただけでも良しとしなければなりません。

 本日は、東1トレンチの墳丘面・葺石面検出状況の写真(もっとも重要な写真のうちの1つ!)を撮っていたのでなかなか撤収に踏み切れず、途中、一度シートをかけて、10分後にまたはずして、写真撮影に入るというような、そんな作業状況でした。

 上の写真のうち、フィルムカメラ(6×7、35ミリ)で押さえることができたのは、ローアングル(下右写真)をのぞくアングル(足場2段上、1段上)ですが、足場を立てての撮影を強引でしたが何とか終えることができたのは幸いでした。
 相当に暗く、光が足りないことが心配なのですが・・・

 墳頂トレンチでは、東区において断ち割り作業に移行しました。
 ただ、東1トレンチの写真撮影の邪魔になるので、かなりの時間、待機してもらっていたので、あまり進まず。

 残念ですが、明日の現地説明会では、墳頂平坦面に敷かれた礫を見ていただくだけとなります。


 明日、雨が降らないといいのですが、、、本当に心配です。

 昨年度の現説は、台風接近のため中止にせざるを得なかったので、今年は、掘り下げ途中であっても、ぜひ、地元のかたがたに現場に来ていただいて、古墳を見ていただきたく思っています。
 ですので、万一、明日、降雨で現説を中止せざるを得なかった場合であっても、次の土日などに現説の機会をもちたいと、個人的には思っています。
 阿蘇市教育委員会、そして学生たちに相談する必要があるのですが・・・


 ここまでのところは、午後5時頃に書いています。
 あまりの雨でしたので、午後2〜3時、全員いっせいに温泉に行き(今日は贅沢に、一人500円の「入船」温泉)、コインランドリーで洗濯、精米機でいただいた30キロの米を精米して帰ってきました。

 となりでは、学生たちが、いただいた差し入れに対してのお礼状を書いています。
 台所では夕食の準備。
 玄関先では、濡れた器材の手入れをしてくれています。

 今日、雨のおそれがあったので、昼休みを返上して写真を撮っていました。そしてあわてて撤収し、温泉に行ったりしていたので、私と2人の学生は昼食をとる時間がありませんでした。
 おなかがすいたのを通り越してしまいました・・・

 以下は、夕食後に・・・


 今、午後8時過ぎ・・・

 今日は降雨のため、現場での現説準備ができなかったため、明日早出をする予定です。
 そういったこともあり、夕食は早々に6時頃から。
 ミーティングも8時前には終わりました。

 そうそう、今日の夕食にはサイコロステーキが出てきました。
 昨日はウナギ。

 すべて差し入れにいただいたもので、本当にありがたく思っています。

 熊大の現場では、朝・昼・夜のすべての食事は完全自炊。
 食費も学生からのお金でまかなっていますから、食品の差し入れは、本当に助かります。
 心からの感謝を申し上げます。


 さてさて、今日は熊本人ながら大阪人のようにぼけとつっこみをかます3年生、H君の登場です。
 男子のなかのムードメーカー的存在で、ふざけるところはふざけけ、しっかりやるところはやり、また、よく周囲が見えているやつです。
 実は、私の後輩でもあります。

Hola!!
熊大考古学研究室のいじり隊長、3年のHです。
とうとう日誌担当がまわってきましたねー。

さてさて、最近では朝起きたときや夜寝るときはめっきり冷え込んできてて、長袖が欲しいなぁと思うくらいの気温ですね。
そして現場も少し肌寒さを感じるくらいです。
ただ宿舎も現場もこの寒さにはしっかりした原因があるんですよね。
その原因はもちろんフィールドマスターのせいです。

なぜかというとですね、彼のギャグはとにかく

寒い!寒い!!!激寒っ!!!!まさにブリザード級です。

もし明日の現場説明会に来られる際には長袖を着けるなどの防寒対策をして、マスターの(寒い)ギャグにも注目して頂きたいと思います笑


まぁこんなマスターのことはおいといて…。せっかくなので自分のことについて。

僕には最近悩みごとがあるんですが、それは事故を起こさないかということです。
僕は自家用車を出していて基本的に運転することになるんですが、バックが苦手なんですよ。
バックで駐車するときは注意して、特に左側後部をこすらないように運転頑張りたいと思います!!

では今回はこの辺で、また書く機会があればよろしくお願いします。
明日の現場説明会に来られる方はお足元にお気をつけてください。

Adios!!



2014年8月28日(木) 第11日目

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 今日も降雨。
 からっと晴れることのない今年の現場です。

 でも、フィールドマスターY君の人徳か、降雨と言っても、午前11時半頃から午後1時頃まで。
 ちょうど昼休みの時間のあいだのみなんですよねえ・・・

 宿舎に帰って昼食のおにぎりを食べ、少し休んでふたたび現場へ出動しました。


 現場では、土曜日の現地説明会に向けて、一定程度の段階まで作業を進め、いい状態のトレンチを見ていただくべく、皆、動かす手のスピードを速めています。

 6号墳墳頂トレンチの西区では、礫検出面の平面実測が終わりました(上左の写真)。
 東区では、まだ途中ですが、3年生のM君が頑張って礫の検出状況を実測してくれています。

 東1トレンチでは、段築テラス面に敷かれた小礫面の検出作業がほぼ終わりました(上右の写真)。
 小礫直下には少し大きな礫も置かれているように見え、最後にだめ押しの断ち割り調査をする必要がありそうです。

 2・3号墳の測量調査、2号墳についてはその周辺まで測量範囲が及び、おおよその全形が明らかになってきましたが、ちょっと変な形です。
 現地を見ても分かるのですが、3号墳の東側と北側、かなりの直線を描きます・・・
 方墳?、とも思えるようなラインとなっているのですが、でも、西側から見ると円墳なんですよねえ・・・
 発掘調査で確認してみたい気持ちが強くなってきています。

 明日も雨の予報が出ています。
 でも、6号墳東1トレンチの全景写真をなんとしても撮りたいと思っています。


 そうそう、今、現場ではちょっとした竹べら作りブームです。
 今、熊大で使っている竹べらは私が京都府長岡京市の知り合いからいただいたものなのですが、学生たちにとってはそれがそこにあることが当たり前になっているようだったので、私がその竹べらをいただいた経緯を話しました。
 そして、竹べらなんて自分たちで作るものだと言ったところ、にわかに竹べら作りが男子学生のあいだでブームに・・・

 夜11時前ですが、宿舎の玄関前では、男子学生たちが並んで、カッターナイフをふるっています。

 でも、今の学生って、鉈で竹を割るという経験もほとんどないんですねえ・・・、ちょっとした驚きでした。


 さて、今日の一言は、2年生のM君。
 ちょっとすかしたような雰囲気を醸し出していますが、本当の根はまじめなやつです。
 では、どうぞ。

今日の担当になった前田です。

今日一日は、測量のために2・3号墳周辺の伐採をしていました。
鉈を振り大量の木々を整理する作業を一日中行って、鉈の扱い方が下手なために手を痛め、まるで灰のように燃え尽きてしまいました。

こんな風に疲れ切った身体を癒してくれるのが、この生活の唯一の楽しみといっても過言ではない食事です。

今日の夕食はとある学生の親御さんからの差し入れで、なんと鰻を食べることができました。
鰻で精をつけて明日からの作業も生き残れるよう、励みたいと思います。



2014年8月27日(水) 第10日目

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 今、夜の11時前。
 本来なら就寝の時間なのですが、学生たちは30日(土曜日)の現地説明会に向けて、さまざまな準備を行っています。
 あと、1時間ほど、夜なべ作業が続くと思います。

 現地説明会・・・8月30日(土)午前10時30分より

 以上の予定が決まりました。
 宿舎をお借りしている山田地区へは回覧板で連絡していただきました。
 阿蘇市内へは、金曜日に地区放送でお知らせする予定です。

 昨年度は台風接近のため現説を中止せざるを得なかったので、今年こそはと、フィールドマスターY君をはじめ、学生たちは一生懸命準備をしています。

 多くの方が来て下されば・・・と思っています。


 さて、今日は、6号墳墳頂トレンチでは割り付け作業のち、礫面の平面実測に移行しました(上左の写真)。
 東1トレンチでは、段築テラス面に落ち込んでいる転落石除去作業が、たんたんと続いています。

 今日の作業ではこの2つのトレンチに多くの人員をさく必要がありませんので、そのかわりといっては何ですが、2・3号墳周辺の伐採木除去作業に半数の人員を投入しました。
 見学にいらした市原区長夫妻とお孫さんも、チェンソーを使って手伝って下さいました。
 本当にありがたく、頭が下がる思いです。

 そうしたこともあり、なかなか測点を落とすことができなかった場所にまで測量がおよびつつあります。
 明日以降も、2・3号墳には人員を投入する予定ですので、その測量成果に期待です。


 さてさて、今日の一言は4年生のNさん。
 彼女がいるだけで現場が一気に明るくなるという、まさに太陽のような彼女です。

こんばんは。考古学研究室のアイドル、4年の中村です☆
趣味・特技は片付けで、苦手なことは運転と沈黙です。

今日は2・3号墳に生い茂り、測量の邪魔をしていた木たちを伐採しました。

私が現場に参加するのは1週間のみなので、1日1日 先輩や後輩たちとの時間をかみしめながら実習に臨んでいます。
明日からも積極的に2・3号墳での表採に挑戦するぞ〜おやすみなさい。



2014年8月26日(火) 第9日目

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 朝7時半頃、急に大雨が、、、
 またか、と思ったのですが、8時頃には雨があがり、1日中、雨の心配がなく現場作業ができました。
 こんなの、今年の現場初めてではないかな?

 しかも、今日は墳頂トレンチの礫敷面検出状況の全景写真撮影だったのですが、本当に奇跡のようにうまく曇ってくれて、絶好の写真日和。
 予定していたアングルの写真をすべて撮り終えることができました。
 上左の写真が、そのうちの1カット。
 かなりの広角レンズで撮っています。

 その写真撮影の担当は、M1のY君とIさん。
 Iさん、まだまだ現場慣れしていないですが、ときおりきらっと光るところを見せる彼女ですので、ちょっと甘えたところを自覚すれば、大化けするような、そんな予感がします。
 今後も、頑張れ!

 東1トレンチでは、転落石の除去作業が始まりました。
 問題箇所は、段築テラス面。
 かなりの転落石が堆積していたのですが、慎重にはずしていくと、豆粒ほどの小礫敷面が・・・

 上右の写真が検出途中の様子ですが、本当に小さな礫を敷いているようです。

 墳丘北側のトレンチ、西側のトレンチの礫敷面と比較しても、もっとも小さな礫を用いているようです。
 段築テラス面の全体が同じ大きさの礫ではないことは確実です。
 作業者が異なるのでしょうか??


 さて、今日の学生は2年生のOさん。
 かなり自分をしっかりもっていて、一見不器用そうですが、周りがかなり見えている学生です。
 そんなOさんの自分史、どうぞ。

こんばんわー!ピンクとマイメロディが大好きな2年の大隈です。
リレー日誌を書く日がやってきました(^○^)

発掘が始まってから1週間と少し…。
3食のご飯もおいしいし、内牧の温泉もとっても気持ちがいいです?
阿蘇での集団生活にも慣れてきたハズ。

18人のメンバーでそれぞれの調査地区で一生懸命発掘しているのですが
合宿中のふとした瞬間に
「去年の今頃、おととしの今頃何をしていたのだろうか」と
考えることがあります。


おととしの今頃…。高校3年の夏。

「受験勉強に勤しんでいた」と言いたいところですが
追い込まれないと頑張れない私ですから勉強なんてしてませんでした。
高校の運動会の準備ばっかりしていました。
私のいた高校は運動会の応援が有名な高校で先輩にすんごくしごかれるのですが
しごく立場の人間になって熱い夏を過ごしていました。
その結果、優勝することができました(^^)/

きっと私の後輩たちも同じように今年の夏を過ごすんでしょう。
今年は発掘に重なって見に行くことはできませんが、
応援は多分YouTubeで流れるので楽しみにしています。


そして、去年の今頃…。大学1年の夏。

長崎に合宿で車の免許を取りに行きました。
一人ぼっちで免許合宿に参加し、旅行感覚でマニュアル車の免許を取りました。
なぜかオートマチック車ではなくマニュアル車の免許を取ったのです。

今回の合宿ではオートマチックの軽のバンを運転しました。
「デスドライブ」といろんな人に心配されたのですが、そんなこともなく、
快適なカーライフを送っています。


そして、今年の夏。阿蘇で発掘。

キャラもののワッペンのついた作業着を着て
初めての経験がいっぱいで楽しみつつも疲れて爆睡の毎日。
正直今も寝たいです。何時間寝ても寝足りません。
阿蘇は涼しくて快適な夏の夜です。


おやすみなさい(^o^)丿

《To be Continued?!!》



2014年8月25日(月) 第8日目

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 これ、26日に書いています。

 25日、現地説明会の日程が決まったので、地区の回覧板用の原稿を作成したりしているうちに、就寝時間になってしまいました。
 現地説明会は、8月30日、土曜日の午前10時半からです。

 さて、25日、東1トレンチでは、転落石を残した状態での全景写真撮影を行いました。
 雨ばかりの天気で、トレンチ周りがとても汚れていたので、いっせいに掃除をしてもらい(上写真左)、午後1時半頃までかかって、昼食抜きで何とか撮影を終えることができました。

 この写真、フィールドマスターのY君に撮ってもらっています。
 6×7カメラの操作、当初はおっかなびっくりだったのですが、最後はかなりスムーズになっていて、やはり現場、そしてそこでの慣れだなあと実感した次第。

 写真にかんしては、私はかなりこだわりがあるので、なかなか人には任せることができないでいたのですが、やはりある程度は任せるべきだろうと・・・
 そうしないと、学生自身が自分がどれほどできないのかもわからないですから、明日からも、可能な限り撮ってもらいたいと思っています。

 墳頂トレンチでは礫敷面検出作業の続き、2・3号墳では測量作業がたんたんと続いています。
 明日、墳頂トレンチでは、礫敷面検出状況の写真撮影を行う予定です。
 上写真右は墳頂トレンチでのミーティング風景。
 礫面が見えています。


 さて、今日の学生は、とても明るい3年生。
 そこにいるだけでその場が明るくなるような、そんな楽しい、人骨大好きなTさんです。

初めまして、3年の津田です。

今日から4年生のKさんが発掘に参加、
そして4年生のTさんが発掘現場に来て下さいました!

今日で発掘が始まってちょうど一週間だったのですが、
一週間というと、去年はこの一週間はとても長かった記憶があります。
私は去年、初めてこの平原古墳群の発掘に参加して今回で2回目となるのですが、
去年の最初の一週間は発掘にも集団生活にも慣れず、
正直とてもきつかった記憶があります。
そう思うと、今年は一週間があっという間だったので
私も一年間で少しは成長して、研究室にもなじんだのかなあとしみじみ思っています。

院生のIさんが2号墳の測量が一周終わったら
ハーゲンダッツをおごってくれると言って下さったので
数日前の日誌に書いていた測量の掛け声「i」「love」「you」を「ハー」「ゲン」「ダッツ」に変えて測量をすすめたのですが、終了することができませんでした…
非常に残念です…(T_T)

でも夜ご飯がリクエスト通り「タコライス」だったので
今は幸せです(^o^)!
Rちゃん、Mくんありがとう(^o^)!

明日からも、雨が降らないことを願いながら発掘を楽しみたいと思います。



2014年8月24日(日) 第7日目

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 地蔵祭り。

 熊本独特のお祭りでしょうか?
 地区の人が公民館に集まって、お地蔵さんにお賽銭を上げ、そして一緒に食事をする。
 そんなお祭り。

 公民館をお借りしている阿蘇市山田地区でも、今日、地蔵祭りでした。
 そのため、公民館をきれいにして空ける必要があったので、朝食時間を30分早め、公民館内を清掃したのち、7時50分に現場へ出発。
 洗濯・昼食当番だけが公民館に残り、地区の方々と一緒に過ごしてもらいました。

 地蔵祭りは午後4時頃に終わったそうで、そのとき宿舎にいた夕食当番へ、煮物やお漬け物等の差し入れを預けて下さいました。
 本当にありがたいことです。
 そのおかげで、今日の夕食は、おかずが何品もある、かなり豪華なものになりました。

 差し入れといえば、お風呂に利用している七福温泉でたまたま知り合いになった地元の方から、合計60キロのお米をいただきました。
 まったく面識のなかった我々に対してのこのご厚意。
 本当に本当にありがたく思います。

 山田地区の方からは、野菜も多くいただきます。
 今年はトマト祭り・・・食べきれないほどのトマト・・・贅沢なことです。
 本当にありがとうございます。


 さて、今日の現場。
 朝8時からの作業でしたが、10時過ぎに雨模様となり、待機。
 お天気レーダー(スマホからの情報)によると、しばらくやみそうにないので、昼食は家根のあるところでということで(地蔵祭りで使っておられるので公民館にはもどれません)、国道57号線沿いの阿蘇道の駅へ行きました。

 阿蘇道の駅・・・大混雑。みな考えることが同じなのでしょう。
 道の駅のベンチで食事をとる方がとても多くいらっしゃいました。
 我々もそのなかのひとグループ。
 地蔵祭りでいただいた赤飯ほかの昼食となりました。

 そうこうしているうちに、雨があがり、現場へ。午後2時。
 そして夕方6時過ぎまで作業をすることができました。
 だましだましですが、何とか作業を進めることができています。

 東1トレンチでは、1つの山を迎えつつあります。
 上の2枚の写真がそうですが、転落石を残した状態での検出まで到達しました。
 上右の写真に写っている石材のうち、下側の白っぽい石がほぼすべて転落石。
 明日、こうした状態での全景写真撮影に挑みます。
 フィールドマスターY君の出番です。
 いい写真を撮ってや!!


 さて、今日の学生は2年生のT君。
 1年生の頃から発掘調査に参加している考古学大好き、城オタクの大飯食らいです。

こんばんは、竹村です。
Y元さんから指名されて本日この文章を書くことになりました。

さっきから30分くらいパソコンの前に座って、M田としゃべったり、ゼリー食べたりしたりしているのですが、まったく原稿が進みません。もうほんとに期限とかまもるの苦手なんですよね、自分。

この間も「博物館資料論」という学芸員関連科目のレポートを現場で完成させて郵送で提出してきました。
1年生の時も発掘実習に参加したのですが、そのときも「史学概論」のレポートを現場に持ち込みました。
どちらも期限スレスレです。すみません。

そんなだらしない自分なんですが、発掘に参加してからはシャンとしてきたと思います。
朝は毎日7時には起きてますし、ご飯も時間内に食べてます。
絶好調です。

この勢いのまま、あと3週間発掘乗り切っていこうと思います。 どうぞよろしく!では



2014年8月23日(土) 第6日目

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 朝、8時半に現場へ出動しましたが、また雨・・・
 でも、30分ほどテントで待機していると、晴れ間が出てきて、作業を始めることができました。

 さて、6号墳の墳頂トレンチ、東1トレンチでは昨日に引き続き掘り下げ作業。
 たんたんと進めるしかありません。

 ただ、東1トレンチでは、2012年度に掘り下げた部分の土のうをすべて上げたので、その全貌が姿を現しました。
 2段目葺石の基底部と思われる位置もおそらくここだろうというところまで来て、今は、転落石を残した状態での全面検出を目指して掘り下げ中。
 やはり、段築テラス面には転落石が多く堆積しているようです。

 墳頂トレンチは、状況がもう1つよく分からず、難航中です。
 でも、担当の学生たちですが、ようやくメリハリのついた掘り下げが行えるようになりつつあります。
 あとは、墳頂面に敷かれていると思われる礫の状況を正しく把握し、そして埋葬施設の情報を何とかつかみたいと思っています。
 上の下右の写真は、その墳頂トレンチを掘り下げている面々。
 杉の木に邪魔されて、十分な調査範囲を確保できないなか、一生懸命に状況をつかもうと努力してくれています。


 2・3号墳の測量は、順調に進みつつあります。
 今回は別府大学に習った電子平板による変化点測量という方式で測量を行っていますが、かわるがわる測量チームに投入される2・3年生も、しばらくするとトータルステーションの扱いに慣れてきているようで、なかなかうれしく思っています。

 上の上左の写真は2号墳の全景。右は電子平板測量の様子です。
 上の下右の写真は、3号墳で須恵器を表採したときの様子。

 2011年度の踏査時にも須恵器を拾っていたのですが、今回の現場では初の表採。
 写真を撮ろうと、ウロウロしていたときに私が発見しました。
 電子平板測量で3号墳をなめるように観察していた学生、自分が発見できなかったことを相当に悔しがっていました。

 でも、まだ、絶対落ちていると思うので、しっかりと墳丘面を見てくれれば・・・と思います。


 さて、今日の学生は、その須恵器を見つけることができなくて悔しがっていたY君です。
 今唯一参加してくれている4年生で、やはり年の功でしょうか、とても頼りになるやつです。

本日は4年生の山元が担当します。

現在測量している平原3号墳では以前、須恵器の甕が表採されています。
まだ絶対に落ちているはず、と思っていつも目を凝らして測量していたのですが、
表採できず・・・。
諦めかけていましたが、ついに本日発見!!!

見つけたのはなんと!測量風景を撮ろうとやってきた杉井先生でした!!!!!

「経験の差やで〜」と言われてしまいました。

あんなに頑張って探していたのに・・・悔しい・・・。
何としてもこの手で見つけ出したいと思います!


ところで、現場にいる4年生は、現在僕だけです。
なぜなら熊本大学の現場は、2,3年生そしてM1を中心とした学生で行われ、
4年生は自主参加となっているからです。

僕以外の4年生はというと、就職活動に、大学院の院試に、卒業論文に、とそれぞれ の将来に向け、頑張っております。

彼らは今、現場にはいませんが、彼らが過去に残したエピソードは一日一回、必ず話題にあがります。
今日の昼食時にも、k君(現在4年生)が残った缶詰の汁をおにぎりにめちゃくちゃかけていた、という話題で盛り上がりました(彼らが出てくるエピソードは9割方ご飯の話です)。
彼らと一緒に現場をすることはもう無いんだな〜と思うと、少し寂しくもありますが、
彼等と過ごした思い出だけでも、覚えておけたらと思います。

そんなこんなですが、明日より4年生の紅一点、元気いっぱいのNさんが現場へやってきます。
疲れたみんなに元気を分けて与えておくれ!!!



2014年8月22日(金) 第5日目

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 今日の運勢、4月生まれ、「決定打がない感じ。迷っているうちに終わる」

 現場宿舎では、熊本日日新聞を取っています。
 テレビがないので、この新聞が外の世界と我々とをつなぐ唯一の媒体。
 今は、スマホという便利な機械があるけれど、私は持っていません。

 その熊日には毎日、今日の運勢が掲載されていて、毎朝それを見ることがとても楽しみになっています。
 で、その運勢、フィールドマスターY君の運勢は冒頭の通り。

 そんな今日ですが、朝から大雨、ひどい雷・・・
 まさに運勢の通りでは、と皆、Y君をからかう朝・・・

 「雨で迷っているうちに今日の現場は終わる??」

 ですが、Y君、なかなかの判断で、午後12時半に出発の指令。
 午前の雨が嘘のように、午後は雨が降らず、半日作業ができました。

 午前中、10時過ぎに晴れ間が出たこともあり、かなり迷ったことでしょうが、その晴れ間のあとにも大雨が降ったので、出発を午後からにしたY君の判断はなかなかのものでした。
 おかげで皆、雨に濡れずにすみました。


 さて、現場ですが、昨日の続きです。
 6号墳の墳頂トレンチ、東1トレンチでも掘り下げの続き。
 淡々と作業が進んでいます。
 上の写真は東1トレンチの様子。
 ブルーシートに雨水がたまった状態、そして2段目葺石が顔をのぞかせている様子です。

 今日は特筆すべきことがあまりありませんが、各人、自分自身で判断して行動して欲しい、との一言を、現場ミーティングで付け加えました。

 初めて発掘の2年生、ほぼ2回目の3年生がほとんどですから、道具の使い方もまだまだで、また慎重にすべきところと大胆にしてよいところの区別がつかないことも理解できるのですが、もう少し、しっかりと考えつつ作業を進めて欲しい・・・今日は、強くそのことを感じたので、少し、小言のようなことを・・・


 明日、晴れれば、序盤戦の一山となるでしょうか。
 明日の学生たちの頑張りに大いに期待したいと思います。


 さてさて、今日の学生の一言は3年生のM君。
 食の細さが気になりますが、でも、時折考古学センスのよさを感じさせてくれる彼です。

どうも、3年の宮崎です。

いやー今日は雨でしたね。
朝からすごい雨で午前中は宿舎でのんびり、午後は食事当番でのんびりできました。
何もしてないわけじゃないですよ。
現場で頑張っているみんなのために豚キムチを作りましたよ。
包丁を使わないお手軽料理です。20分でできました。
そんな料理でも、みんなガツガツたべてくれてうれしい限りです。

さて話は変わりますが、みなさんにとって食事とはどのようなものでしょうか?
楽しいものですか? うれしいものですか?
私にとっては苦しいものです。精神的にではなく物理的にです。
特に朝食の時は食材がのどを通ってくれません。
私にとって毎食がフードファイトです。
しかし去年の現場の後半は食事が楽しいものになりました。
現場で一生懸命に働いた後のご飯はおいしかったです。
今年もそうなるように、一生懸命働いて、頑張って食べます。

ではまた食事が楽しみに変わった時にお会いしましょう。



2014年8月21日(木) 第4日目

20140821higashi_haniwa.jpg(150543 byte)  降雨コールド。

 本日は現場4日目にして初めて太陽が顔をのぞかせるお天気で、風も心地よく、個々の学生たちは悪戦苦闘しながらも、全体的には順調に作業が進んでいました。
 ところが、午後3時前から、遠くで雷の声が・・・

 私は雷が嫌いで怖いので、ちょっと空模様を気にしながらの作業が続きました。
 そうこうするうちに、ヒグラシがいっせいに鳴き始め、このヒグラシの大合唱は雨の予兆であることをこの3年間の経験で学んでいましたので、すぐにトレンチへのシート掛けなど、撤収作業に入りました。

 フィールドマスターのY君も、すぐにそれと察知して、撤収の指示を発していました。
 やるね!

 で、そうこうするうちに、雷がすごく近くなり、また大粒の雨が・・・
 宿舎の夕食当番にも車で迎えに来るように指示を出し、危機一髪で、全員、それほど濡れることなく宿舎へ戻ることができました。

 3時半撤収・・・3時40分頃から大雨・・・雨は正味約40〜50分ほど?

 なかなか見事な撤収だったと思います。


 さて、6号墳の墳頂トレンチ。
 墳頂平坦面の楕円形長軸に沿うかたちで設定したのですが、現場でみると、ちょっとゆがんで見えてしまって、そのトレンチ方向について少々後悔もしていますが、でも、盗掘坑と思われる落ち込みにかかるようにもするとこの方向かとも思います。
 で、そのまま昨日から掘り始めてもらいましたが、なかなか難航していて進まないですねえ・・・
 慣れない発掘調査で、墳頂部のトレンチともなれば、慎重になる気持ちも十分に分かりますが、それにしても進まない。

 はじめからあまりに逡巡してしまっていると、このままのペースになってしまって、ほとんど進まないままで終わってしまいそうなので、今日の夜のミーティングで、担当の学生たちにハッパをかけたつもり・・・

 明日、どれくらい思い切って下げることができるのか、学生たちが一皮むけるかどうかのところに来ているのかもしれません。

 明日も見守りましょう。


 東1トレンチ。
 だんだんと2段目葺石の様子が表れつつあります。
 埴輪片ですが、葺石状に転落した状態で出土することもあり、上の写真は少しまとまっ出土したときの様子です。
 また、早速、割り付け作業にも入りましたが、降雨のため中断。

 どの程度の葺石の残存状態であるのか、明日以降が楽しみです。


 2・3号墳の測量ですが、伐採した下草を斜面に集めているのですが、その箇所に到達して難航している模様。
 でも、着実に進んでいます。
 毎夜、その日の成果をパソコンに取り込んで、等高線を表示させると、なるほど、古墳のかたちがだんだんと形になってきていることが分かって、なかなか楽しいものです。
 とはいえ、普通の平板の楽しさにはおよばないかな?


 さて、今日の一言は、2年生のSさん。
 昼食のおにぎりを5つも頬張り、お酒が大好きなたくましい将来有望な女性です。
 どうぞ。

2年の白岩です。
今年から合宿参加で緊張の毎日ですが、今日で4日目となりました!!!
正直3日目はきつかった...。

発掘よりも初めての長期合宿に戸惑いが隠せないところですが、なんとか先輩にならって生活しているところです。
発掘の方はいま墳頂トレンチを担当していますが、先輩方との経験の差を実感するばかりです(・・;)
当たり前のことですがもどかしいっ!!!
明日はその差を逆手にとってどんどん掘り進めていきたいと思います。

まだまだ合宿続きますがおにぎり5個食べながら頑張っていきます☆ 白岩加帆



2014年8月20日(水) 第3日目

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 現場実質2日目、合宿生活3日目。
 まだ、発掘の生活パターンに慣れないので、今午後10時前なのですが、すこぶる眠いです。

 本日も雨の予報だったのですが、少しのパラツキのみで、1日中、作業ができました。
 明日からの雨の予報も、こうであることを祈ります。

 さて、6号墳の東1トレンチでは、早くも段築2段目の葺石が顔をのぞかせはじめました。
 上左の写真は、夕方のミーティング風景ですが、トレンチの上の方に石材が見えますでしょうか?
 おそらく原位置を保つ葺石です。
 明日から、これを追って葺石を出していく予定です。

 墳頂トレンチでは、本日から掘り下げが始まりました。
 このトレンチの担当者となっている大学院生ですが、なかなか慎重で(確かに、墳頂部ですからその気持ちは分かりますが)、いきなりサブトレンチの設定に移行しています。
 少し手を貸したいとも思いますが、その学生の将来のことを考えると、今は我慢のしどころ。
 明日はもう少し、学生自身の判断での掘り下げを見守りたいと思っています。


 2・3号墳の測量・・・作業に慣れたのか、本日はなかなか順調に進んだようです。
 3号墳の墳頂の基準杭に立てた光波から見える範囲は、ほぼ終わったみたいで、その点数は昨日の2.5倍とか。
 この調子で!


 さてさて、上左の写真は、朝のおにぎり作りの様子。
 熊大の現場の風物詩・・・
 私もこれにすっかり慣れて、自炊ではない現場に対してとても違和感を感じるような体質になってしまっています・・・


 今日の学生日誌は、留学生のKさん。
 2・3号墳測量のリーダーです。

今日の発掘調査日誌を担当させていただくYI minです。

今日は現場三日目で測量二日目になります。
先生に不安をさせてしまっている我々測量班ですが、昨日一日3号墳の墳丘の四分の一しか終わらせることができなかったのですが、今日は見える範囲内の3号墳の墳丘と平坦面を一周して測量しました。
昨日より三倍の測点を取りました。
心から「やった」という達成感を味わいました。

もちろん、これだけで満足したらダメだと思うし、本場はこれからだと認識しています。
今日もスムーズに作業をすることができたのが測量班のメンバーのおかげです。
三人体制で楽しく測量し、掛け声は「はい、はい、はい」から「i」「love」「you」に変えてから作業がさらに進んでいきました。
メンバーに「お疲れ様でした」、そして「ありがとう」と「I LOVE YOU」と伝えたい気持ちでいっぱいです。

これからの毎日も楽しく、そして地形をしっかり観察して、クシサシテ、クジケナイデ頑張ります。



2014年8月19日(火) 第2日目

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 本日から本格的に発掘・測量調査の開始です。
 午前8時半から午後5時15分頃までの作業(夜の花火大会のため少し早めに撤収・・・)。
 雨の予報が出ていたのですが、何とか1日、作業ができました。
 現場での昼食、おにぎりと缶詰めも1年ぶり。
 現場での食事は本当においしいですね。

 さて、6号墳に設定したトレンチは2箇所です。
 墳丘東斜面の東1トレンチ。
 そして、墳頂部の墳頂トレンチ。

 本日、東1トレンチでは、2012年度に掘り下げた箇所の検出を行いました。
 東1トレンチは、2012年度の東1トレンチに重ねて墳頂側に延長するかたちで設定しているのです。
 まずは、トレンチ周りの清掃から・・・美しいトレンチが正確な調査の源です。上写真の左がそのときの様子。
 で、夕方までには、ほぼ2012年度トレンチの埋土を掘り上げました。
 いよいよ明日から、墳頂側に延長した箇所の掘り下げに入ります。

 墳頂トレンチでは、トレンチ内に引っかかった基準杭の移設作業。
 そして、根起こし作業・・・
 伐採された杉の根株で、かなりの大物でした。上右の写真です。
 それをロートルの2人・・・というか、手が余ってぶらぶらしている私とフィールドマスターのY君の2人で大スコをふるいました。
 ・・・拍子抜けというか、案ずるより産むが易しというか、あっけなく根起こしが完了。
 もっともっと苦労すると思っていたのですが、ほとんど墳頂面を傷めずに作業を終えることができました。
 こちらもいよいよ明日から、掘り下げ開始です。

 2・3号墳の測量ですが、午前中は電子平板の取り扱いに戸惑っていて、あまり作業が進まず。
 私が手を貸して、午前中は私が電子平板の操作を行いました。
 でも、午後からは、学生さんに任せました。
 何とかできたようですね・・・
 あとは、もっと地形をみて、どの範囲まで測量する必要があるのか、しっかりと考えて測点を設定して欲しいと思います。

 そして、測量補助杭の増設作業。
 10点以上の座標と標高の測量。
 これも学生さんに任せましたが、良好な数値を出してくれました。


 そうそう、夕食後、午後8時からの阿蘇花火大会を見に行きました。
 雨に降られましたが、現場の夜にみる花火って、なかなかいいものですね。

 さてさて今日は、影のフィールドマスター、Iさんの登場です。
 どうぞ・・・

 今日の発掘調査日誌の担当はY.I.です。

 現場2日目ということで、作業の流れにまだ乗り切れておらず、反省点が多々ありました。

 東トレンチは旧トレンチの復元が着々と進み、私が学部3年生の頃に目にしていた姿を取り戻しつつあります。
 明日には東トレンチを墳頂の方へ拡張します。
 測量班は電子平板を使い、3号墳の測量を行っています。
 今日で墳丘の約4分の1を測り終え、明日からもどんどんと作業を進めていきます。
 墳丘上に旗のついた串が沢山並んでいるのは壮観です。
 
 今晩は阿蘇で花火が上がっていたので、夕食後に皆で見ました。

 発掘調査も始まり、昼はセミの、夜はコオロギの鳴き声を聞き、大勢で花火まで見て、夏を満喫しています。



2014年8月18日(月) 第1日目

 平原古墳群発掘調査、3年目の初日です。
 今年は6号墳墳丘および墳頂部の発掘に加えて、2・3号墳の測量調査も行います。
 大学院修士課程1年に3人在学していることを最大限に活用したいとの思惑です。

 今日は朝7時に大学の考古学資料室に集合。
 器材を積み込んで7時50分頃に出発。
 今年はレンタカー2台・・・シエンタと軽バン。そして大学公用車のトラック。

 午前9時30分過ぎに宿舎の山田地区公民館に到着しました。
 市原区長のお出迎えを受け、そして宿舎設営へ。
 現場用の器材および阿蘇市教育委員会に借りた一輪車は現場へ搬入。

 私と学生1人は、トラック返却のため大学へいったん戻りました。
 電子平板用の竹串(旗)と金だらいなどを忘れていて、それらを積み込んで、ふたたび現場へ・・・

 その頃、ちょうど12時頃だったようですが、現場では大雨に降られたとのこと。
 ちょっと、今年はすっきり晴れない夏なので、ここしばらくの天気がとても不安です。

 現場では、2・3号墳の測量のための杭を増設。
 6号墳では、2011年度に調査した東トレンチを墳頂まで延長するかたちでのトレンチ設定。
 そして、墳頂トレンチを、その方向に相当悩みながら設定しました。
 墳頂の中央にある大きな杉の木・・・どうしてもこれにさえぎられてしまうので、なかなかうまくトレンチを設定できず。
 とにかく、墳頂平坦面の楕円形に合わせるかたちで、その長軸に並行したトレンチを1本設定しました。

 午後5時の撤収に合わせて降雨・・・
 何とか、1日作業ができた日となりました。

 さあ明日から・・・2014年度の発掘調査が本格的に始まります。


 さてさて、今年は、参加学生からのひとことも添える予定。
 初日は、フィールドマスターのY君です。

調査初日の日記はY.Yが担当します。
早速、午前の作業中から雨に降られ、さらに調査初日とあって、てんやわんやとしておりました。
しかし、どうにかこうにか明日から発掘ができる形にまで整いました。

明日からはいよいよ測量作業・発掘作業が本格始動します。
良い成果がでるよう、頑張りましょう。



2014年8月12日(火) 1週間前

 今日は8月12日。
 今年の実習発掘調査は18日開始ですから、ちょうど1週間前です。
 昨日、長友朋子先生の集中講義が終わったばかり。
 学生たちは、少しゆっくししたいはず・・・

 でも、今年は、平原6号墳の発掘調査に並行して、2・3号墳の測量調査も実施する予定です。
 6号墳は墳頂部にトレンチを入れる予定で、そうすると主体部にかかわる調査となりますから、私はなかなかそこを離れることができません。
 測量調査ですが、こちらについても、熊本大学ではひさびさですから、慣れた学生が少なく、作業が順調に進むかどうか大いに不安です。
 とくに、測量基準杭の設定。


 そこで、12日の今日、とにかく調査開始日18日の翌日から測量を始めることができるよう、最低限の測量基準杭の設定を行ってきました。
 そのついでに、2・3号墳に生い茂った下草と潅木の伐採作業。

 朝7時に、公用車に測量機材と伐採道具を積んで、有志の学生6人と出発。
 午前9時頃から現地で作業に入りました。

 伐採は、10時過ぎから地元・山田地区の現区長・市原さんと前区長・大田黒さんの多大なる助けを得ることができ、すこぶる早く進みました。
 ほとんど見通しがきかなかった2・3号墳でしたが、植林された杉のみを残す状態となり、地形が本当によく観察できる状態に!
 学生たちだけでは、けっしてこのように美しく作業を進めることができなかったと思いますから、市原さんと大田黒さんには心から感謝しています。
 お2人には、学生が10人たばになってかかっても、とうていかなわない・・・
 そう実感した午後でした。

 基準杭は、2・3号墳の墳丘部、および6号墳と3号墳の間に斜面に、計19本設定し、すべての杭にX・Y座標および標高値を割り振りました。
 うれしかったのは、比高差11〜12m程度でしたが、誤差0のレベル移動を行ってくれたこと。
 土が軟らかいふかふかの地面ですので、少々の誤差は覚悟していましたが、なかなかどうして、標尺台を正しく使ってくれたのでしょう。念のためトータルステーションでも標高値を記録していたのですが、それよりも信用のおける数値を出してくれました。
 やるね!

 調査開始日の18日は搬入と宿舎設営でほとんど手一杯だとは思いますが、可能であれば補助となる測量基準杭をもう少し増やしておきたいと思っています。

 ところで、2・3号墳と6号墳の間の数字が飛んでいることを不思議に思われるかもしれません。
 詳細は『考古学研究室報告』第48集(2012年発行)での考察を参照していただきたいのですが、遺跡地図に記載されている4・5号墳は、実際には存在しないことを確認しています。
 そのため、6号墳の号数を4号と変更すべきなのかもしれないのですが、定着している6号墳という名称ですので、今はそのままにしています。
 つまり、現状では4・5号という号数は欠番扱いなのです。

 どのように古墳の号数を整理するのかは、今後に残された大きな課題です。

 なお、1号墳は、県道の拡幅工事の際に破壊され、消失してしまっています。


 さて、平原古墳群の調査は2011年度に開始しています。
 6・7号墳の測量調査です。

 その時、2・3号墳も踏査しているのですが、3号墳の墳丘斜面上で須恵器を表採しています。
 下左の写真が、その時の3号墳墳丘。樹木が生い茂っていることがよくわかります。
 下右の写真が、地面に顔をのぞかせている須恵器。甕の破片です。内面の当具痕がよく消されているので、それほど新しいものとは思えません。
 3号墳は6号墳に続く時期の古墳なのでしょうか。
 今年の調査でも遺物が拾えることを期待しています。

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