熊本県上天草市
千崎(せんざき)古墳群発掘調査
(2007年度、第6次調査)

徒 然 な る ま ま に


2007年10月6日(土) 27日目 最終日

 千崎古墳群第6次調査、最終日・・・
 と同時に、私の大矢野での仕事の最終日・・・

 午後3時半頃に足場を返却し、そして渡辺建設の事務所にて、大矢野に関わり出して以来ずっと調査を陰で支え続けて下さった山崎勝安さんとお別れする段に及んで、とても別れがたく、とても寂しく、「これまでどうもありがとうございました」の感謝の言葉でいっぱいでした。

 5号墳の羨道から前庭部にかけての構造解明を残しており、それについては近い将来に調査を実施したいと思っていますが、しかしひとまず、今日で大矢野での調査に一区切りを付けた形になります。
 いつかまた来る日まで・・・(と言っていて、またすぐ来ていたりして・・・)


 さて、最終日ということもありますので、写真いっぱいで、この日誌を締めくくりたいと思います。

 まずは、晴天続きで写真が撮れないため、今日は朝5時45分に現場へ早出をしたのですが、そのときの出発風景。そして、早出にて撮影した写真の一枚。
 破損していた仕切り石の破片を見つけ出したので、それを元の位置に復元しての仕切り石写真。
 羨道側(写真右)の仕切り石は中央を浅いU字形に掘りくぼめているのに、奥壁側(写真左)の仕切り石は方形のままとなっています・・・


 次は、埋め戻し風景。
 リレー方式で土嚢を詰め込んでいったのですが、午後3時頃から4時頃までの約1時間で埋まってしまいました。
 掘るのには時間がかかるのに、埋め戻しのあっけないことといったら・・・


 そして、山崎勝安さん。
 本当にお世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします!
 山崎さんの優しい笑顔が、そして「すっごいな〜」という口癖が忘れられない・・・


 それから、今日の学生さん達の一こま。
 この現場に参加して、何を感じ、何をつかんでくれたのでしょうか。
 M1の2人にとっては、下準備と段取り、的確な指示の大切さを痛感する1ヶ月になったのではないかな? そこがなかなかうまくいかなかったよね?
 いずれにせよ、心の隅に、何か1つでも残っていてくれればうれしいです・・・


 最後に、集合写真(写真データを山野君と有馬さんに渡しておくので、欲しい人はもらってね!)。
 1枚は、埋め戻し前の5号墳石室を囲んで。もう1枚は13号墳付近から天門橋をバックに。
 SENZAKI−Tシャツがまぶしい・・・


 感想の最後は、もう1人のフィールドマスター、修士1年のY君です。万感の思いを胸に秘めて・・・


修士1年の山野です。
現場のフィールドマスターを担当させていただきました。

今年も発掘が無事終了しました。
大きな怪我もなく、みんな元気に終了を迎えることができ、なによりでした。
今年は雨がほとんど降らず、休日も少なく、疲れが溜まりやすい現場となりました。
にもかかわらず、現場最終日に朝早くから写真を撮りに行くというきつい作業に、自ら立候補してくれた人がたくさんいて、感動しました。

発掘が初めての2年生は現場で分からないことは聞き、自分で判断して動けるようになりました。
先輩になった3年生は自分の仕事をするだけでなく、まわりのフォローに気がつくようになりました。
上級生の4年生は全体のバランスを見て行動してくれて、非常に助かりました。
同じFMのAさんには現場生活の半分を請け負ってもらい、肩の荷がだいぶ軽くなりました。

発掘に参加していただいた先輩方、後輩方、ならびに遠方からお越しいただいた方々には叱咤激励のお言葉をいただき、本当にありがとうございました。

僕は、途中で携帯を洗濯機で洗うというミスをやらかし、いろんな方に迷惑をかけてしまい、また、初めてのフィールドマスターということで、なかなか要領をえず、研究室のみんなを混乱させてしまったことが多々あり、反省しきりの毎日でした。

杉井先生や現場に参加してくださった先輩方から頂いた厳しいお言葉をかみしめて、今後にいかせていければと思います。

これからは調査報告書をだすために、毎日、現場以上に厳しい日々が続くとおもいますが、たくさんの勉強・修練をさせてもらった維和島千崎古墳群への感謝の思いを胸に、整理作業を頑張りたいと思います。

ありがとう千崎!またいつか!


2007年10月5日(金) 26日目

 今日を入れてあと2日。

 10号墳箱式石棺では、南小口石上面に付着している赤色顔料?のサンプルを採取したのち、埋め戻して旧状に復しました。
 掘るときの時間に比べて、埋めるのはあっという間・・・
 1ヶ月、この石棺にかかわった有馬さんは、どんな気持ちだったのかな?

 5号墳では、石室内断ち割り部の土層断面図作成や写真撮影。
 下左の写真は、断ち割り部を南から見た様子。つまり、3.75mラインの断面写真です。
 右は、西側壁にある腰石。大半の部分が埋め殺されていることがよくわかると思います。

 5号墳で残す仕事は、石室壁体のメモ写真撮影と観察、記録。そして埋め戻し。
 明日、夕方、撤収できる見込みです。



 明日誕生日を迎えるまっつん。おめでとう! ということで、夕食後、ちょっとしたパーティー。
 下の写真は、そのときの様子です。


 さて、今日の感想は、フィールドマスターの1人、修士1年のAさん。お疲れ様!

いよいよ千崎古墳群の調査も残すところあと1日です。
今日の日記はM1有馬です。ラストはKYさんに飾っていただきましょう。

今日10号墳は埋め戻しました。
上段墓壙土の掘り下げを開始したのが9月の15日。そして完了したのが9月24日のことでした。
10日かけて掘った遺構ですが、埋まるのは2時間でしたね。
あっという間です。余韻に浸る暇もございません。誰も泣きません。
玉高の調査から50年以上経っての発掘調査でしたから、次にあの棺蓋が開かれるのはきっと50年後でしょう。
その頃、私たちが残した記録は、どのように評価されるのでしょうか。

・・・なんだかつい堅くて真面目な文章書いちゃいました。

あんなに剣が出るのを期待していたのに、何にも出すことができなくて、S先生ごめんなさい。

まっつん誕生日おめでとう。みんなで一日早いサプライズ☆を用意して、お祝いしました。
今0時を過ぎたので、もう21だね。本当に嬉しそうにしていたので、私も嬉しかったよ。

明日はみな家に帰ります。なんだか変な感じします。
1つの終わりは1つの始まりを意味するもので、この後いろんなものが待ち受けている感じがします。
かなり怖いです。
でもナンクルナイサーの精神でガンバリマス。

さよなら千崎!また会いに来るからね!!
チーム10号・S先生・そして遠い空の下からエールを下さった方、ありがとう!!!


2007年10月4日(木) 25日目

 本日、現地説明会・・・

 大矢野で調査を開始して以来お世話になりっぱなしの山崎勝安さんと話していて、今年で大矢野での現場も終わりなのか・・・と、ふと悲しく、ふと寂しく、心がかすかに震えるのを押さえることができませんでした。

 調査の終わりとは、得てしてそういった感情に襲われるものなのですが、千崎古墳群には何か格別なものがあります。

 今日、千崎古墳群発掘調査第1代のフィールドマスター森君も現場に駆けつけてくれたのですが、私と同じような思いがあるのではないのかなと勝手に想像しています。



 現地説明会には、地元の維和中学校1年生と先生、それから維和の住民の方々が来て下さいました。
 我々の予想より少なめの人数(計25名ほど?)でしたが、大変熱心に説明を聞いて下さる様子に、説明を担当した山野君(上右写真)、有馬さん(上左写真)を初め学生の皆も何かを感じていてくれるのではないでしょうか。
 そうあって欲しいと願っています。

 考古学調査における現地説明会の意義については、折を見て話しているつもりですが、やはり、みずから準備をし説明を行うことを経験することによって、そして説明を聞いて下さる方の目の輝きを見ることによって、その重要さを感じ取って欲しいと願っています。

 発掘調査をしたら必ず説明会を実施する・・・いいモノが出たから説明会を行うというのではありません。我々の仕事の内容や意義、文化財の大切さを知っていただくためにも、発掘調査を実施したら、面倒かもしれないけれど、どんな形でもいいので周囲の住民の方に対して説明会を行うべきです。
 私は、そう考えています。

 ところで、今年で千崎古墳群の調査に一区切りを付けるつもりなのですが、説明会の最後に「先生、これからも末永くよろしくお願いしますよ!」という言葉をかけていただいて、今後何ができるのか、真剣に考えないといけないという思いを強くしました。

 最低でも、千崎5号墳については、その羨道入口と前庭部の構造を明らかにするという課題を残しています。
 また、大矢野町域以外になるのですが、これまで行った分布調査で、熊本県の遺跡地図に落とされていない古墳の存在も確認していますので、そういったものの資料化の作業も必要でしょう。

 上天草市史にかかわる仕事では大変勉強させていただいた上、おそらく一生のフィールドの1つを与えていただいたと感じていますので、「私の方こそ、これからもよろしくお願いいたします」という思いでいっぱいでした。

 さて、今日は、阪大時代からの仲間、高知大学教授の清家章さんが現場見学に来て下さいました。そして、宿舎に泊まり熊大学生とお酒を酌み交わして下さいました。
 ありがとう!

 やっぱりいいものですね。昔同じ釜の飯を食った仲間って・・・千崎古墳群の調査に参加している学生さんも、将来そういった思いにとらわれることがあるのでしょうか?・・・そうであればうれしいですね!

 右は、清家さんをまじえての記念撮影写真(クリックすると大きくなります)。
 清家さんといえば、何といっても箱式石棺ですから、10号墳の前で写しました。
 でも石棺が隠れてしまったかな?

 今日の感想は、リレー形式です・・・いいねえ・・・

10月4日 リレー日記

お久し☆俺は弘中。今日は現地説明会だった、俺の身に起こったことを書いていくよ。
眉間を蚊に刺された。でもそんなの関係ねぇ!
地元の中学生や住民の方々に遺跡を理解してほしくて駐車場の整備を頑張った。

上り下りのときに、地元の方とたくさん話せて楽しかった。久しぶりにばりばりの熊本弁を聞いて懐かしかった。(K・T)

維和中の生徒がみんな歩いてではなく、チャリで来ていたので、道路にチャリが縦列駐車されていておもしろかった。さすが島の子!!
あと2年生の生徒たちが一時行方不明になったとき、神隠しかと思って焦った・・・見つかって良かった☆(Y・M)

現説にやって来られた地元の方は自分よりも勢い良く坂道を駆け上がっていかれました。私はまだ…10代です。数十年後、あんな風にパワフルになって千崎丘陵を再訪したいと思いました。(Y・T)

地元の方が話しかけて下さっているのに、方言が理解できず微笑むことしかできなかった自分・・・熊本弁マスターして出直してきます。(K・P)

現説が終わり明日からはもう埋め戻し。埋め戻してしまえば次に姿を現すのはいつだろう。もしかしたらもう2度とないかもしれない。そう考えると寂しい気がします。
いつの日か、自分は千崎を掘ったんだ!と言えるよう千崎古墳群が残っていくといいなあ(3年♂)

中学生が熱心に説明を聞いてくれて、嬉しかったです。こうやって地元の遺跡に興味を持ってくれることが、文化財保護の第一歩になるんですね。(F)

地元の方々や中学生が熱心に説明を聞き、質問をしてくれて中身の濃い説明会になったと思う、これからも地元の歴史について関心を持ち続けてほしい。(S・O)

今年の現場は現場しかいきませんでしたよね。山野さん。一蓮托生ですね。(223)

P.S 若さっていいのう。(FFMM)


2007年10月3日(水) 24日目

 5号墳で残すは、石室実測の一部と玄室内断ち割り。
 というわけで、下左の写真は、断ち割り作業に熱中する3年生2人。石室が狭いので、掘り下げるのにも一苦労です。

 この断ち割りの今日の成果・・・
  ・石室壁体最下の腰石状石材の大半が埋め殺されていること、
  ・腰石状石材が立てられる箇所の地山が石材面にピタリと合うように掘り込まれていること、
  ・屍床仕切り石も地山を掘り込んだ溝の中に立てられていること、
  ・したがって、仕切り石は当初から1枚の予定で造られていると推定されること、
 などでしょうか。

 今日は午後から、大戸鼻古墳群ツアーも敢行。千崎古墳群のみならず肥後型横穴式石室を考えるうえでも大変重要な古墳ですので、ぜひ皆に見て欲しかった装飾古墳です。
 大戸鼻北古墳と中古墳の石室形態の違い、南古墳の箱式石棺の異常な大きさ、などなど、何か1つでも頭のどこかに引っかかってくれていればいいのですが・・・

 下右の写真は、大戸鼻古墳群の見学後、その岬下の海岸で維和島を指さす10号墳班の面々・・・
 見よ、あれが維和島の千崎だ!



 さて、今日の感想は3年生Iさん。いつもながらの大作・・・10号墳班の一体感が伝わってきます。

こんばんは、千崎古墳群第6次調査隊・生活係に任命されました、岩田です。
先代の生活係T椋さんは今回全日参加してくださいました。そして時々一緒にシンクを磨いてくださいました。
今年同じ生活係になったMざきさんはとても気が利いていて、ぜんぜん手がかかりません。いい子です。

さて、今日の調査報告です。

今日のチーム10号はアクティブに行動しました。

午後イチで10号墳の南西からの写真を撮影。そのときみんなで木の影を消すために脚立に登り枝をつかみ、一人は脚立を支え、二人は枝にかけたロープをひっぱり、一所懸命撮りました。
みんなの心が一つになったところで大戸鼻古墳を見に出発。
モンゴル800の懐かしい唄を聴きながら海辺を軽快に走るA馬さんカー。
大戸鼻に着いたところで先生と合流。見学。

チーム10号はもう大興奮。 北は狭くて入るのが大変でした。でもすごくきれいで、A馬さんは「ここに一晩泊まりたい」なんて言ったとか言わないとか。
中はみんなで横になって写真を撮ってみました。T松さんは初めて屍床に寝たと感動したとかしないとか。
南は1号の巨大石棺と円紋に注目が集まりました。O田さんは考古学者の片鱗を見せ、石棺の大きさをmyコンベで計測したとかしないとか。
南2号ではチーム10号の本領発揮。棺蓋の内側が気になる木。みんな地面にはいつくばって加工があるか確かめる。
全体的にカマドウマを黒くして足を長くして多くしたような虫がいっぱいいました。おそってくるかどうかドキドキものでした。

そんなこんなで大戸鼻見学コースも終盤にさしかかり、近くにとても景色がいいところがあるということで、そこに行きました。
さすが天草。海が美しい。
大戸鼻で上がったテンションのまま海に臨んだチーム10号は、思わず海に飛び込みそうな勢い。
記念写真をたくさん撮って帰りました。

千崎古墳に舞い戻り、夕方再び写真撮影。
陽が傾いてから暗くなるまでの短い間がシャッターチャンス。
夕暮れ時の写真撮影ももはや恒例となりました。

そんなチーム10号の仕事もあとはメモ写真・現説・埋め戻しを残すのみとなりました。
仕事が終わってもチーム10号は解散しません。絶対しません。

MOTTAINAIがこの世から消えない限り、チーム10号は消えません。

現場も残り数日となりました。
明日は現説頑張りましょう!!!!!


2007年10月2日(火) 23日目

 キャリーオー、キャリーオー、キャリーオー、というのが今日のかけ声。

 昨日作った土嚢を、朝一で千崎丘陵に持ち上げました。
 隊長高椋君のもと、現場一の話題人物弘中君を小隊長としての作業。
 昨年もそうだったけれど、なかなか楽しいんですよね。土嚢運び・・・こうした単純作業の力仕事では、変にテンションが上がります。

 いよいよ現場も終了間近です。
 実測作業がたんたんと進むなか、人余り気味の現場では、現説に向けての登り口清掃や撤収に向けての器材整理、それから上天草市から借用しているもののうちテント1張り、発電機、ドラム、ブルーシート1枚の返却を行いました。
 5号墳玄室内では、床面の断ち割り作業を開始。
 すると、地山礫を細かく砕いた小礫混じりの玄室床面土が思いのほか薄いことが判明。そしてその直下には地山面が存在します。
 床面の判断が間違っていなかったことを示す事実なのですが、でも、こんなに浅いなんてちょっと予想外でした。
 でも、おもしろいことに、壁面最下にある腰石状石材の部分については、地山を深く掘り込んでいることがわかりました。つまり、最下の立てられた石材部分のみ深く溝状に掘り込まれ手いる可能性が高い・・・
 10号墳の箱式石棺側石の設置の仕方と、なんてよく似ているんだろう!

 明日、腰石状石材部分で地山がどこまで下がるのか、楽しみですね!

 さて、今日の感想は昨日話題の3年生H君。今度は本当のH君・・・

こんにちは。「俺は弘中」の弘中です。

突然ですが、自分には監督が居ます。
監督は時に厳しく、時に優しく見守ってくれているようです。
主に昼食の時に監督は現れます。自分は燃費が悪く、そこで監督は残っているおにぎりを勧めてくれます。今日はおにぎりに付けるおかずとして缶詰を渡してくれました。
缶詰の中に汁が残っていました。立派なおかずです。これがおにぎりに合うのです。

監督はそこまで考えて渡してくれたのだと、そう思います。

そうそう、今日は監督も一緒に土嚢運びをしました。千崎丘陵の下から上まで120個強の土嚢をわずか1時間で運び終えました。これも日頃からの監督による指導の賜ではないでしょうか。
そんな感じで監督の指導の元、残りの数日間も頑張ろうと思います。


ちなみに・・・
監督は同級生。あした、いや、明後日には対等の関係になりたい。僕は弘中です。


2007年10月1日(月) 22日目



 今日から10月。

 大学では新学期が始まっています。でも、学生さん達は、大学や授業を気にしながらも、現場作業に精を出してくれています。ありがとう・・・

 今日から、撤収に向けた作業も開始しました。現場器材を整理し、そして山砂を買って土嚢作り。
 今年はそんなに必要がないだろうと考えて0.5立米のみにしたのですが、建材屋さんがサービスしてくれたのか、思いのほか大量の山砂が届いたような?・・・
 で、121個の山砂土嚢ができました。

 上左の写真は、土嚢作り担当の3人。右の写真は、途中から加勢した1人を加えた4人が笑顔で121個を示しています。

 ・・・・・・

 現場では、遅々としながらも着実に実測作業が進行しています。

 今日ちょっと感じたこと・・・

 5号墳の墓壙北調査区で割り付け作業をしている3年生を見て、たくましくなったなあ・・・と、ふと・・・

 図面も遅いし、要領も悪いし、イライラすることも多々あるのですが、でも、自分たちだけでなんとか頑張っている姿を見ると、ちょっと・・・うれしくなります。

 頑張れ!

 さて、今日の感想はおふざけバージョン。3年生Tさんを中心とした女性陣の文学的作品です。
 どうぞ!

おまたせ。俺は3年の弘中だ。
最近自分が思うことを述べてみたいと思う。
俺は最近やっと同学年の女子とはなせるようになったんだ。
去年の俺からすると格段に進歩している。
去年までは女のなかに男が一人というプレッシャーに押しつぶされ、
孤独にさいなまれていた。
そんな俺とはもう永久におさらばだ。
明日からはもっと俺という存在を全面におしだしていく。
俺は弘中。弘中だよ俺は。HIRONAKAなんだYO☆
俺に指図するT(同級生)にもガツンといってやる。
「俺は弘中だ!」
だが俺には勇気がない。ガツンと言える勇気が・・・
だから今日も俺は微笑む。何を言われても俺は微笑む。
考古学研究室の微笑みの貴公子は俺さ。


僕の名前は綾小路ケン陽次郎。人は僕のことをKYと呼ぶ。
その呼び名は嫌いではない。いや、むしろ好きだ。
今日も僕は5号墳で実測をしていた。太陽が南の空にさしかかったころ、木々の間から差し込む日差しがまぶしくて・・・一瞬幻がみえた。それは会えるはずのないあの人の影。
「・・・君なのか。」
信じられない気持ちで僕は問うた。
声が震えているのが自分でもわかった。
「君なのだろ。」
何度聞いても返ってくるのはまぶしいばかりの微笑みだけ。
「答えてくれ・・・」
相手の唇がようやく言葉をきざんだ。
「俺は弘中だ!」

今日も彼は微笑む。微笑みの貴公子は・・・お前だ弘中。


2007年9月30日(日) 21日目

 今日は一日中、くもり。
 この現場始まって以来初めての絶好の写真日和。

 で、5号墳では、石室北側へ足場を2段組み、その上から右のような写真を撮影。

 明日もこのような天気であることを願っています。

 現場作業は、実測終了待ちの状態になっています。ですので、明日から撤収のための片付けも始めたいと思っています。

 さてさて、撤収日はいつになるか?

 予定より少し早く終わりたいのですが、でも、現場って何があるのかわからないので、明日以降も学生さんの様子をじっくり見ながら、終わりの段取りについて考えたいと思っています。

 しかし、疲れ気味なのか、夜のミーティング後、スッゴク眠くなってしまいます・・・

 感想も今日から2巡目。1年留学していたので、4回生ながら3年生のOさんです。

長田です、本日で2回目の日記です。

今日は石棺側面や上面の加工痕を拓本取りしました。
拓本とは魚拓のように墨で表面の凹凸や模様を浮かび上がらせるものです。
比較的地味な作業ですが、ポンポンと墨をのせるとなぜか楽しくなれるのです。

昼食では箸の数を数え間違え、一人お箸一本という荒業でおにぎりをたべました。
飴が入ったおにぎりもたまにあって、今日のラッキーボーイは現場責任者の山野さんでした。

そんなこんなで作業は終了し、夕食では佐賀牛のステーキを食べました。
豪華食材は現場に感動を呼び起こし、元気を与えてくれます。

発掘調査も残り後1週間ほどとなり、疲れのたまる頃ですが、体調に気をつけつつ作業をしていく所存です。


2007年9月29日(土) 20日目

 小梅風に・・・

   毎日毎日向き合っている。
   熱い視線を送ってみても、いつもつれない返事ばかり。
   私の心を知ってか知らずか。
   でも、ふとした表情に、その本質をのぞかせる。
   その瞬間の心のときめき・・・
   それが私を夢中にさせる。
   決して、すべてを手にすることはできないとわかっていても・・・

 今日は、千客万来!
 熊本古墳研究会の面々が15人ばかり。別の応対ですべての方をチェックすることができなかったのですが、古墳研でこんなに多くの人数が集まったのはひさしぶりなのではないでしょうか。
 右の写真がその風景。

 それから、甲元先生と山崎純男さん、熊本県の帆足さん。棚底城の委員会の帰りだとかで立ち寄って下さいました。

 そして、宮崎大学の柳沢一男さんと宮崎県の和田さん。
 柳沢さんが宮崎から泊まりがけで来て下さったことは、本当にうれしかったです。
 柳沢さんがどのように思っていて下さるのかはわからないのですが、まったく見知らぬ土地、九州に来た私が、九州内での人脈を作っていくことの手助けをしてくださった・・・私が大好きな考古学者の1人です。

 さて、現場では、掘り下げ作業はほぼ終了し、あとは記録作業のみとなっています。

 5号墳では、懸案であった石室北側の墓壙ラインに決着が付いたので、石室実測の終了を待つばかり・・・でないと、全景写真が撮れません。
 いつまでかかってるねん! はよ終わらんかい!

 10号墳では、下段墓壙ラインの実測作業に入っていますので、おそらく明日、終了を迎えるでしょう。天気が良すぎるため、全景写真を残してはいますが・・・

 現場も終盤。
 皆さんお疲れのご様子。
 右の写真は、昼休憩の様子です。

 皆、ブルーシートの上で眠っています。

 さて、今日の感想は4年生T君。4年生ながら全日参加で頑張ってくれています。頼りになるやつです。

千崎古墳群の調査に参加するようになって三年目。
二年生のときは、右も左も分からず先輩から言われた以上の作業内容を把握することができなかった。
三年生のときは、ある程度作業内容以外のことを把握することができるようになった。
そして、今年四年生になって調査に参加して、まだまだ勉強不足であることを痛感した。
ミスも決して少ないとは言えないし、後輩の子達に上手く指導しているとは思えない。今日も宿舎で図面の不備を指摘された。まだまだ精進が必要…。
〔愛し〕*

ところで、ここ数日間は卒論の方があまり進んでいない。調査に入ってから、ペースがガクンと落ちた。
自分で蒔いた種だけど…。熊本に戻ったらがんばろうと思う。
中間発表の日程が決まらないことが気になるけど。
〔いいんですか?〕*

でも、発掘調査はやはり楽しい。
これまで二年生と話す機会もほとんど無かったけど、合宿生活を通して、どういう性格なのかずいぶんわかった。おじさんキャラが定着しつつあるのが少し気になるけど…。
あと、去年作った千崎Tシャツ、気付けば一度も袖を通さず、研究室のロッカーに眠っている。
せっかく作ってくれたのにすいません! 今回の現場にも忘れてしまいました。
これからちゃんと着ます!
〔なんちって〕*

取り留めの無いことばかり書いたけど、眠くてこれ以上ネタが思いつきません。
明日は朝食当番なのでもう寝たい。卵四個と中途半端に残った野菜でどんな料理を作るのか思案中。
今日は見学者がかなり多くて、落ち着いて作業できなかったので、明日がんばろうと思う!
では、おやすみなさい…ZZZZz
〔オー、セプテンバー♪〕*

追伸:今年の掛け声、一度も先生がやっていないような気がする…。
〔ます。〕*

尚、*はこの日記作成中のバックミュージックであり、本文とは何ら関連がありません。
悪しからず!
〔ダンケシェーン〕*


2007年9月28日(金) 19日目



 いよいよ、現場も終盤。
 終わりを見据えた段取りがとくに重要な時期に来ているので、夜のミーティングでもフィールドマスターの大学院生、山野君と有馬さんに幾度目かの注意を促しました。
 できる仕事はできるときに済ませておく。2人には、そういった意識を強く持って欲しいと思っています。

 そして、みんなの心を1つにまとめること・・・それから、人をうまく使うこと・・・これらにも気を配って欲しいなあと思っています。

 今年は、もう一頑張りだね!

 さて、今日は甲元先生が現場に来られ、激励を受けました。
 嵐のように去って行かれましたが、やっぱり鋭い人ですね・・・ちょっとした一言にそれを感じた今日の一瞬でした。

 夕食は、そうした甲元先生からの差し入れのカニ!(上右の写真)
 大量にあって、すべて食べ切れていません・・・

 現場では、実測作業が難航を極めています。
 あまり、したくはないことなのですが、1つの図面にボツ!の烙印を押してしまいました。
 明日、書き直してもらいます。

 まあ、3年生で書き慣れていないというのもあるのでしょうが、今のうちに自分の図面の程度を知っておく方が、将来に有意義であると思うので、じっとボツに耐えてもらうことにしましょう!

 10号墳では、下段墓壙の範囲に限って断面アゼを外し、棺外副葬の有無の最終確認作業に入っています。
 そういった作業の最中、南小口石の棺外面に上左の写真のような、変な不整形の円文?の浮き彫り?
 何なんだ、これは?
 ここだけ削り残したの??
 明日、熊本古墳研究会の面々が来て下さるというので、意見を聞いてみたいと思っています。

 さて、今日の感想は2年生Kさん。やっぱり今日の話題はカニですね!

こんばんは。昨日のうりさんに続き、夏カゼから脱出したかじぱんであります!!

今日は午前中、ヘイアニキ(塵取り)とともに5号墳墓壙北断割区の清掃をしました。
が、うりさんが先日かかった病院の先生のモノマネをしきりに要求するので、精神的に消耗しました。
「ごめ〜ん」

うりさんといえば、今日彼女は2年生で分け合ったチロルチョコをドロドロの状態で開封、そのまま食していました。
そんなところもかわいいよ☆

午後からは甲元先生がいらっしゃって、アイスにドリンク(山野さんのがうつりました)、そして蟹の差し入れを頂きました♪
ありがとうございます。

その後、夕食当番のため南さんと買い物へ・・・
スパサラ(スパゲティサラダ?)が何なのかよく分からないまま材料を買い込み、宿舎へ戻りました。

今日の夕飯のメニューは言うまでもなく蟹。そう、甲元先生の蟹です。
発泡スチロールの箱をあけて蟹の写真を撮る南さん、鍋にて入浴中の蟹の写真を撮る南さん・・・素晴らしい。

私はスープを作る命を受け、数少ないレパートリーの中の1つ、味噌スープを作りました。

さて問題のスパサラですが、野菜を敷き詰めた皿にゆでたスパを山盛りにしてドレッシングをかけるという代物が完成。
スパサラを心待ちにしていた高椋さんのために特別にマヨ和えバージョンも用意しました。

蟹もスパサラも好評でよかったですね、南さん。

今日はこんな一日でした。今から竜宮(温泉)に行ってきます。「ごめ〜ん」


2007年9月27日(木) 18日目

 今日は休養日。

 で、皆、思い思いの休日を過ごしました。

 とは言っても、遅れている5号墳石室実測班は現場へ出勤。休み返上で頑張ってくれましたが、進展はどうだったのかな・・・

 他は、
  1.本渡資料館と天草の教会巡り班
  2.大戸鼻古墳群と天草の海岸班
  3.宿舎でゆっくり、ケーキ作り班

 右はケーキを作る3年生達。
 こんな休日もあるんですね・・・

 私は、何度も行っているけれど、常に案内ばかりでゆっくり写真を撮ることができなかった大戸鼻古墳群へ。
 汗だくになりながらも、北古墳の石室、南古墳の石棺内で、アングルを考えながらじっくり写真を撮ることができました。
 ちょっと、うれしかった・・・

 下の写真のうち、左側は天草上島、大戸鼻古墳群の北側にある九電鉄塔。九州一、日本では第2位の高さらしいです。中央は大戸鼻北古墳の玄門部分。右側は北古墳の穹窿状天井を見上げた様子です。


 そして、次の左側は大戸鼻南古墳の保存施設扉からの写真。
 箱式石棺なのですが、小口石が取りはずされていて、その部分から石棺内へ入ることができるようになっています。
 右側は石棺側石内面に描かれた円文。円文縁の鋸歯文と、円文の上に伸びる直線がよくわかると思います。
 これまで、こういった写真をなかなか撮ることができなかったんですよねえ・・・


 さて、今日の感想は、今日の午後、私につきあってくれた2年生Mさんです。楽しんでくれたようですね。

一昨日から季節はずれの夏風邪をひいていたうりです。

今日は朝から回復していたので、かじぱんと一緒にブラブラ散歩しました♪
潮まねきのデコポンソフトは最高!暑さでドロドロに溶けてしまったけど、それにも負けない美味でした!
皆さんもぜひご賞味あれ♪

お昼から杉井先生と古墳ツアーデートに行きました♪
大戸鼻古墳の北・中・南の3つの古墳を見学しました。先生と古墳見学に行く特権は、普段は鍵がかかっていて見れない貴重な古墳たちを見れることです!大学の先生の力はすごい!

南2号の古墳にはとても綺麗な文様が残っていて感動しました♪♪

3つの古墳はすべてかたちの違うものでしたが、共通していたのは、その全てに蜘蛛とも言えない新種(?)の生物が住みついていたことです。気持ち悪かった・・・先生も微妙に怖がっていた気が・・・笑

古墳見学の後は展望台に行きました。天草諸島・長崎・八代を一望できる絶好のスポットで、綺麗でした♪

まだまだ時間があったので、海岸をみるべく、少し遠くまで行ってみました。
潮がひいていたのでたかもく島という不思議な形の島まで歩いて渡り、途中まで登ってみました。
神秘的で素敵な島でもののけ姫の世界みたいでした・・・

帰りに浅瀬で小えびとヤドカリを見つけ、遊びました♪
先生は小えびに夢中でした♪

そして、念願のスパ・タラソへ♪♪♪
夕日が綺麗に見える時間帯だったので、露天風呂を満喫しながら、ばっちり見ました!!
現場の帰りの温泉じゃ夕日は見れないので、今日楽しみました!

宿舎へむかう車の中から赤く大きな月も見ました!

夕日と月と両方楽しめた今日はいろいろと楽しかったです♪


2007年9月26日(水) 17日目

 5号墳の墓壙と土層の解釈が一段落したことで、今日から断割区は記録作業に移行しています。
 で、徹底的に掃除したあと、西断割区と東断割区の写真撮影。

 まずは西断割区の様子・・・
 左が、北西から墓壙と石室を見通したところ。右が、断割区の南壁土層断面。


 次に東断割区の様子・・・
 左が、断割区を東から見たところ。右が、断割区の南壁土層段面をやや北東から見たところ。


 こういった写真を、学生さんが要領よく撮ることができるようになればうれしいのですが、急いでいるときはなかなか任せることができないでいます。
 時間のあるときは、そばについて、アングルを決めるところからシャッターを切るところまでじっくりと教えることもできるのですが、なかなかそういった余裕がない点、難しところです。
 でも、自分のこれまでを考えても、見て覚えたことが多かったから、この現場に参加している学生さんも、私の動作を見て覚えて欲しいなあと強く思っています。

 さて、5号墳の石室の実測作業ですが、3年生がその一部を担当しています。
 なかなか苦労しているみたい・・・でも、もっと悩んで考えて、いい図を書いて下さい。

 一方、10号墳では、太陽が照りっぱなしで、全景写真の撮影に大変苦心している様子。
 夕方の短い時間をねらっての写真撮影・・・でも、今日で一段落したかな?

 明日は、泊まり現場始まって以来最初の完全休養日。
 ミーティング室にいる女性達の声が、心なし弾んでいるように聞こえるのは、気のせい?

 今日の感想は2年生Tさん。それに3年生Tさんが乱入して書いています・・・どうぞ・・・

つつとつつつ 二人は眉がない−

こんばんは。足のサイズが19センチと判明したY・Tです。
今日は昼食当番でした。洗濯干しのために1階から3階まで無駄に7往復くらいしました。
現場で'ふるい'をするよりも10倍の労力を使いました。2日後は筋肉痛です。

最近、建物の壁が土層断面に見えます。バルス!!目が〜目が〜〜〜!!!

明日はホリデーです。ベリーハッピーです。へへっ♪
15日に合宿が始まってからずっと休みがなかったので、休養日をエンジョイしたいと思います。

途中から代わりましたピンチヒッターのE・Tです。
Y・Tさんとは名字が似ていてあだ名がまるかぶりです。
最近Y・Tさんは米をネットでさらうのがとても上手になりました。
師匠の私も顔負けです。彼女には才能があるみたいです。

明日はホリデーです。が、私は現場です。へへっ♪


2007年9月25日(火) 16日目

 ひと山超えつつあります。

 5号墳では、矛盾のない地山の区別と墓壙ラインの確定、それから無理のない墓壙埋土の解釈ができつつあります。フィールドマスターの山野君の頭も、少しはスッキリしたかな?

 10号墳では、晴れ間の曇りをねらって下段墓壙ライン検出状況の全景写真撮影。
 でも、雲が少なく、予定しているすべてのカットは撮影できず・・・明日以降に持ち越しました。
 写真は、現場で妥協するとあとで必ず後悔するので、どれくらい我慢ができるのかの勝負です。頑張れ、有馬さん!

 さて、今日は写真いっぱいでいってみましょう!

 まずは、5号墳石室墓壙西断割区の土層の状況と、ミーティングにてその解釈を説明する4年生高椋君。
 写真では土層の様子は見にくいですが、地山岩盤を削った墓壙壁と墓壙埋土、石室控え積みの雰囲気はわかると思います。
070925senzaki5 nishitachiwari.jpg(135015 byte) 070925senzaki5 nishitachiwari meeting.jpg(143427 byte)

 次は、5号墳の調査風景。
 左は、地山と墓壙埋土の区別が非常に難しく、墓壙ラインの検出に苦労している北断割区の面々。
 右は、タオルを頭に巻いて石室実測に集中する3年生渕崎さん。とてもいい表情をしています。
070925senzaki5 kitatachiwari fukei.jpg(143328 byte) 070925senzaki5 fucchi jissoku.jpg(135718 byte)

 最後に、日々の生活の一部分。
 左は、朝、現場出発前のかけ声・・・最近は、ディッグ・オー、ディッグ・オー、ディッグ・オー!
 右は、今日の夕食。天ぷらと鳥天がメインです。
070925asa kakegoe.jpg(136045 byte) 070925yushoku.jpg(131258 byte)

 さて、今日の感想は2年生Tさん。泊まり現場での楽しみは、やはり食事ですよね?

かぼちゃが好きな2年のK・Tです。

今日は昼食当番だったので、午後からふるいでした。
ふるいをしながら、ツッツといろいろ計画をたてました。
 ・かぼちゃをたくさん食べる。
 ・ハロウィンパーティーをする。
 ・ハロウィンパーティーでパンプキンパイを食べる。
 ・かぼちゃのプリンを食べる。
 ・いきなりや『わたなべ屋』のいきなり団子を食べる。

今日は夕食のてんぷらにかぼちゃがあったので、ツッツと取り合いました。
でも、先輩からかぼちゃを分けてもらったので、平和に終わりました。
かぼちゃが食べれて幸せでした。


2007年9月24日(月) 15日目

 今日の夕食、鯛のあら炊き。ビールのつまみにぴったりで、食べ過ぎ、飲み過ぎで今とっても眠いです。

 現場ではバタバタしていて写真を撮ることができませんでした。で、今日は写真がないのですが、10号墳ではようやく全景写真撮影にこぎつけ、5号墳ではあと一歩で墓壙ラインが確定されそうです。
 それ以外に変わったところは特段ありません。

 今、と〜っても眠いので、今日はこれくらいに・・・

 今日の感想は3年生Mさん。5号墳石室の狭くて堅い墓壙の掘り下げについて、その苦労話です。

9月24日(月)天気:曇り

今日はここ数日とは打って変わって、終日曇りの天気。気温も少し下がり、作業もしやすくなりました。

今日の私の作業としては、5号墳・東断割区にて掘り下げを主におこないました。
(右の写真。撮影は9月25日・・・)

硬い斜面に土嚢を敷き、その上に寝そべって掘り進めたわけですが、深くなるにつれ、下に下にと手を伸ばすため、胸(肋骨)が圧迫され、なかなかにきつくなってしまいます。そして、斜面のため、徐々にずり下がってしまいます。また、下に敷いた柔らかいはずの土嚢も押し固められ、結構痛いのです。

こんな感じで作業していましたが、割と綺麗に掘り下げることができた(おそらく)と思うので、満足です。

さらに、今日はアイスなどの差し入れをたくさん頂いたので、非常に嬉しかったです。お菓子はこの感想を書き終わってからおいしく頂きたいと思います。
皆様いつもありがとうございます。

今日(現在時刻23:10)は、というよりこのところ毎日ですが、非常に眠いので、短いですが、このへんでおしまいにしたいと思います。
本日の担当は3年・松嶋でした。ありがとうございました。


2007年9月23日(日) 14日目

 3連休の中日。
 卒業生・修了生の来現場がピークを迎えています。
 千崎初代フィールドマスターの森君、その前年、高熊フィールドマスターの西嶋君、それから私が熊本へ来た前年度に修了した若杉さん、私が熊本へ来た年の1年生矢羽田君、そして明日は千崎2代目フィールドマスターの前田さん。

 先輩が現場に来て下さると、雰囲気がピーンと締まる気がします。
 現場で見られていること、そしてミーティングでの先輩からの一言・・・

 現場では、昨日と特段変化なし。
 でも、明日、1つのヤマかなあと思っています。5号墳では墓壙北側の確定、10号墳では下段墓壙ラインの検出状況写真撮影。これらについて決着付けるべく、明日、学生にハッパをかけたいと思っています。

 右の写真は、現場撤収前のテントと夕日です。

 さて、今日の感想は3年生Fさん。初めて石室実測をする3年生です。なかなかいい線を引きます。
 今日は、千崎丘陵の現状について報告してくれています。
OBのMさん(元・千崎FM)に連れられて、千崎丘陵の古墳めぐりをしました。
5・10号墳は毎日通っているのですが、その他の古墳はほぼ一年ぶりです。(中には今日はじめて見たものもありました)
しかし自然というものはとても逞しいもので、1年の間にかなり変貌していました。

なんていうか・・・ジャングル?みたいな感じでした。

去年実測した2・3号・23号は草が周囲の草が伸びすぎてその姿を確認することはかないませんでした。
去年までは私の腰辺りまでしかなかった木(ちょっと松っぽい)が、私の身長を越えていました。
伸びまくった蔦で何度も足を引っ掛けました。

Mさんを先頭に草木の中を分け入っていく姿は、まさに探検隊。
前日に伐採に次ぐ伐採で道を作っていただいたMさんには感謝してもしきれません。Mさんがいなければ、千崎を回る機会は二度となかったかもしれません。それほどすさまじい有様でした。
自然のすごさを改めて実感しました。

しかし、この調査が終わった後の千崎古墳群はどうなってしまうのでしょうか。たった1年であの有様とは、数年後には千崎丘陵は森林になってるのではないでしょうか…

遺跡の保存について考えさせられました。(真面目っぽく締める)


2007年9月22日(土) 13日目

 五橋祭の花火大会。
 私は、マロ塚仲間の西嶋君と、天草5号橋の上で見ていました。
 みんなは、宿舎の屋上で見ていたみたい・・・ミィーティングでの先輩Mさんの一言、そして私の一言が重くって、学生の皆は橋の上に来れなかったのかな?

 現場では大きな変化がなく、本当に淡々と作業を継続中。
 5号墳では石室実測作業と石室墓壙の断割作業、10号墳では上段墓壙埋土の掘り下げ作業です。

 今日から3連休。見学者が増えるかもしれません。
 下左の写真は、大矢野中学校の先生が見学に来られたので、調査状況を説明するフィールドマスター両名(左端と右端)です。
 見学者の方々に調査状況についてわかりやすく説明できることも考古学の重要な要素ですね。

 下右の写真は、5号墳墓壙西断割区で墓壙埋土を掘り下げている様子です。



 今日の感想は3年生H君。2・3年生の黒一点として、なかなか頑張ってくれています。

本日の感想文を担当することと相成りました。弘中です。

さて、今日で泊まりも8日目となり、現場にもなれたでしょうが同時に疲れも溜まってきている頃かもしれません。
かく言う僕も、昨日ダウンしてしまい、半日ほど休ませていただきました。
そのおかげで回復し、今日はもう元気に働くぞ!という気合充分でした。

が、今日は昼食当番だったので午前中は宿舎の掃除及び昼食作りでした。

さて、本日の昼食のメニューですが、なんとオム焼きそば! もう一人の昼食当番のTさんとの合作です。焼きそばは僕がつくり、オムの部分はTさん作。
といってもそばの味付けは麺に付属のソースをかけるだけ。お手軽においしいご飯にありつけますね^_^

話し変わって午後の作業。
今日は何と、実習で初の図面!5号墳墓壙東断ち割り区の平面図です。しかーし、今日は夜花火を見るため、終了の時間がいつもより1時間早かったので・・・。描きあがりませんでしたorz。
明日は仕上げるぞー、オーッ!!

そうそう、今日から朝の掛け声が変わりました。
熊大考古ー、ファイッ!! です。
皆さんもよろしければ是非ご一緒に。


2007年9月21日(金) 12日目

 作業は淡々と進んでいます。
 5号墳では、石室実測作業と墓壙断ち割り作業が並行して進行中。北断割区では拡張して落ち込みの範囲を確認中です。
 10号墳では、墓壙埋土掘り下げ作業が進行中。遅々とした進み・・・写真撮影の手順の問題でしょうか・・・実習発掘とはいえ、やはりちょっと対策が必要ですね・・・

 考古学協会熊本大会に関連して、歴博の杉山先生から急遽のお願いがあり、午後3時過ぎ現場を出て大学に戻りました。大学で2時間ほど仕事をして現場宿舎には午後10時半頃戻りました。
 ややお疲れ・・・

 さて、今日の感想は3年生Tさん。現場のムードメーカー的存在かな?

『私とトイレと弘中くん』

今年は現場の簡易トイレを使用することができるようになりました。
去年は一回しかトイレを使用しなかったので自分では結構成長したと思います。

最近私が興味を持っていることといえば弘中くんの食欲です。
弘中くんは朝、ごはんを3杯山盛り食べます。
昼はおにぎりを平均5個食べています。
夜も3杯食べるので合計1.5キロは白飯を食べています。
基本的に彼は3000キロカロリーを意識して摂っているらしいです。
彼にとってチャーハンはおかずだそうです。
チャーハンをおかずに白飯を食うそうです。

私には到底理解できないですが、三好さんもチャーハンはおかずと思っているそうです。
でも現場で食欲旺盛なのは健康な証拠ですから、今後も弘中の食欲に注目します。


2007年9月20日(木) 11日目

 晴れすぎ・・・現場に日が差さないのは日の出直後と夕方しかないので、現場段取りを考えると早出すべきだろうということで、朝5時半に出発。現場には6時に到着し、千崎5号墳の墓壙西断割区の写真を撮影しました。
 下の左が、その写真撮影の様子。右が朝日を背におどける早出の精鋭達です。

070920hayade no nakama.jpg(129715 byte)

 さて、本日の現場・・・
 5号墳の墓壙北断割区で、なぜか墓壙ラインが明確に入らない・・・
 なぜ?・・・ということで、調査区を拡張すると・・・ウン?・・・何?、掘り込みなの?・・・明日以降に、ちょっと確認したいと思います。

 下の写真は、それとは別の東断割区の様子です。
 墓壙内に砂岩の割石を詰め込んだ様子が観察されます。とてもていねいに裏込め作業を行っているようです。

 明日以降、図面を作成したあと、さらに墓壙内を掘り下げる予定です。

070920senzaki5 nishitachiwari rekimen1.jpg(128360 byte)

 今、千客万来。千崎古墳群に関係した3人のフィールドマスターが集合しています。
 そのなかの1人、M君が大いにはしゃいでいます・・・今日はそんな夜です・・・

 今日の感想は3年生Tさん。今年、10号墳唯一の遺物を出した?ことになる学生さんです。

初日の雨が嘘のように晴れわたっております今日頃ごろですが、本当に暑い。
今日は福田さんが見学、応援にいらっしゃったり、森さんが参加されたりとなにかと人の出入りがあり、なんだか現場がにぎやかになってきました。

私は現在千崎古墳群の10号墳でおもに調査をしています。
今日の午前中は図面作成のために光波を用いました。
残念ながら日陰はありません。
プリズムを持つ手がこんなに熱くなるものだとは考えてもみませんでした。
汗をだらだらと垂れ流し、釘をうち、光波をたて、指示をだす。
そして5号墳調査隊からの一台しかない光波の無心。
最後の2本目の釘からはもう自分でもわけがわからないぐらいテンションが上向きに。
差し入れてくださったポカリが美味でたまらなかった…!

午後はうってかわってテントでふるいがけをしました。
午前中とはうってかわって非常にめぐまれた環境です。
が、とにかく眠くなる。
目を酷使するうえに単調な作業そして、膨大な土嚢の数。
とにかく眠気をどうにかしなければと、臨時談笑クラブが発足。
とにかくゆずを歌う。
とにかく土をふるう(砕く)。

会話がきれると、隣のIさんは一回コックリいきました。

つい先日まで土器をだしたり、10号墳北西調査区の掘り下げを行っていたりといろいろあったのに、どうして今日が感想の日なのでしょう。ふるい作業の難点はほかの調査作業の動きがつかめないことですが、今日は5号墳で新たな発見がありました。
こういう日々の変化があるのは現場の面白いところだなあ、としみじみ感じています。

10号墳の棺蓋は拓本をとるらしいです。楽しみです!


2007年9月19日(水) 10日目



 まったく快晴。晴れすぎ!
 上の写真のように、5号墳ではパラソル、10号墳では寒冷紗が大活躍です。

 今日、5号墳では石室実測作業と墓壙断割区掘削の継続。10号墳では墓壙埋土掘り下げ作業の継続。
 特段の変化はなく、淡々と作業が継続されました。

 しかし、晴れすぎです。
 5号墳では、墓壙西断割区と東断割区で石室墓壙ラインが検出されたので写真を撮ろうと構えていたのですが、いや〜なかなか・・・一時はあきらめかけたのですが、一瞬の曇り・・・素早く撮影を開始しました。
 でも、途中、カメラに慣れない学生を経由したこともあり、結局、一部のカットを撮り残してしまいました。

 明日も快晴のようなので、明日は、日の出後すぐの一瞬の陰間をねらって、朝5時半に出発する予定です。

 でも、石室内では実測作業を継続中なので、その割り付け線を避けるようにして写真を撮ったのですが、やはり石室全体と断割区全体が入った写真でないとパッとしません。
 ですから、今日の写真撮影後も、ヤッタ!という満足感がそれほどありませんでした。

 本番のいい写真は、墓壙断割作業を終了し、石室実測も終了し、玄室内断割作業も終了した段階で撮影するものになりそうです。

 その撮影のときは、気合いが入りそうです。

 さて、今日の感想は3年生Iさん。文章の展開はさすがです!
 でも、考古学者の卵だね・・・二層式って・・・

『千崎丘陵の墓の上で』

2007年9月19日。火曜日。泊まり現場も5日目です。

今日は昼食係だったので、朝は起き抜けに全自動洗濯機を回し−女子は去年2層式だったのがめでたく全自動に格上げされました−、現場に赴く皆さんを明るい笑顔で見送り、テキパキと掃除をして、全部終わったのがなんと9:30!!
私とTさんの有能さに全自動洗濯機のパワーも加わった結果であると言えましょう。

お昼ご飯の一品料理はYAKISOBA(焼きそば)。
おにぎり用のふりかけがなくなり塩&梅おむすびになってしまった失敗を挽回するため、大量生産して千崎に運搬しました。
今日のお昼ご飯はおにぎりタッパー5個分と焼きそばタッパー4個分ってことで、今までになく量が多かったので皆さん満足していただけたようで幸いです。そして苦肉の策・塩&梅おむすびが意外と好評だったので、また機会があれば作ってみたいと思います☆

さて、お昼からは千崎10号墳の作業に加わりました。今年の調査では初日から主に10号墳に携わっています。そして最近はもっぱら10号墳の北西調査区で掘っています。去年は実測しかしなかったので、発掘の「掘」というものを初めてリアルに体験したような気がしています。もちろん実測も測量も写真も大切な調査の一部ですけどね!!

最初はみんな緊張しながら掘っていた10号墳ですが、今日などはかなり和気あいあいあいとしながら調査を進めることができました。
休憩時間には今年加わった新星2年のTTさんと一緒に人文字をメイクする程の仲の良さになりました!
2人でメイクした文字は
「イワジマ」と

「こうこ」!

今年の調査にピッタリのフレーズですね♪
TTさんと私の絆は人文字です。
そんな仲良し10号墳の今日の流行キーワードは「MOTTAINAI」!某女性も言っていました。MOTTAINAIは素晴らしい言葉です。さぁ皆さんもご一緒に!

MOTTAINAI!!MOTTAINAI!!

ポイントは「MO」にアクセントを付けることです!さぁもう一度!

MOTTAINAI!!MOTTAINAI!!

こんな感じで明日からも10号墳マスター有馬さんを筆頭に10号墳は頑張って行きたいと思います☆

3年生にもなったし、今年はただ教えてもらうだけじゃなくて2年生に教えられる所は教えて、自分では調査に役立つ仕事をしたいです!視野は広く!


2007年9月18日(火) 9日目



 泊まり現場開始以来初めて、1日中晴れました。
 1日中、現場にいることができました。

 でも、泊まり4日目で疲れが出る頃なのか、あるいはあまりに暑い太陽にやられたのか、まだ10時半ですが、何と眠いこと・・・まぶたが落ちそうです。

 さて、そんな風に1日作業ができたおかげか、現場では新たな展開がありました。

 千崎5号墳−
 墓壙東断割区および墓壙西断割区で、石室墓壙ラインを検出。上左の写真が西断割区を南からみたところですが、岩盤を掘り込んで墓壙が構築されている様子がうかがえます。
 写真では真ん中より少し左側に墓壙ラインが見えています。
 上右の写真は、現場ミーティングでその墓壙ラインについて一生懸命説明するFさんです。

 今回わかったことですが、この西側の墓壙ライン。すでに、2005年度調査の西トレンチ東端で引っかけていました。
 あの時はそんな認識がなく、墳丘面であると認識しており・・・墓壙ラインはもっと石室側で出るもんだと考えており・・・

 一方、千崎10号墳−
 石棺墓壙埋土中から土器が検出されました!
 何という・・・

 ただ、土器の時期がわからないので、どういう性格のものなのか、今ひとつはっきりしません。後世に墓壙に攪乱が入っている様子はなかったのですが・・・
 下右の写真が、その土器が検出された面です。石棺石材に近いところから検出されています。

 今日の感想は、1年の中国留学から帰国したばかりの4年生Oさんです。さわやかな風が吹いてきそうな文章です。

 どうも、四年の長田です。

合宿生活の中で、私たちは毎食米の食事で、昼食はおにぎりという日本食ライフを送っています。
皆の食欲は凄まじく二日ほどで新しく米10キロを買うほどの速さで消費しています。元気でたくましい私たちは日々発掘作業に精を出しています。

本日私は10号墳で、午前はふるいを使って土のう袋に入れた墓壙(ぼこう)埋土のふるい作業をし、午後は掘りの作業をしました。

今日は晴れ一日作業ができ、発掘合宿らしくなってきました。
昼はだらだら汗を流しつつ作業をしますが、夕方には涼しい風に秋を感じる今日この頃です。


2007年9月17日(月) 8日目

 途中雨がちらつき、シートの上げ下げを幾度か行うも、何とか1日中、現場参加者全員が終わりまで現場にいることができました。
 天候不順な毎日も、今日までにして欲しいものです。

 さて、ようやく、現場開始1週間目にして、5号墳では石室実測作業を開始することができました。それから墓壙ライン検出のためのトレンチ掘り下げ作業も・・・
 ここまでが長かった・・・

 天気予報によると明日は1日中晴れということなので、明日の進行具合によって、終わりがいつになるのかおよそ見通しをつけることができると思います。

 今日の午前11時頃から、昨年度のフィールドマスター三好君が参加してくれました。今日から5日間の参加。
 あんな風に見えて、なかなか頼りになるやつ・・・だと思います。

 今日は、見学者の中尾さんを案内して広浦古墳と長砂連古墳に行きました。それらの古墳をみたことのない2年生ほかも一緒です。
 上左が2005年調査時点の広浦古墳。右が今日の広浦古墳・・・すっかりジャングルに戻っていました。
 もう、左のような雄姿を見ることはできないかもしれませんね・・・



 それから、下右の写真は長砂連古墳の直弧文。
 左石障左側に刻まれたものです。

 浮き彫りに表現されたとても精緻な直弧文で、やっぱりいいものですね。

 でも、直弧文の保存施設内は、昨日までの雨のせいかひどい湿気で、そういえばこんな湿気のなか、扇風機をかけながら実測作業をしてくれた2004年度を懐かしく思い出してしまいました。

 そういえば、あの時も大学院修士1年生と学部3年生のペアだったなあ・・・
 不安だったけれど、最後は何とかなった・・・
 ・・・そんなモンですよね。

 さて、今日の感想はM2のM君。昨年度の爆笑日誌の再来・・・とはいかないかな?

今日から現場に参加させてもらっているMです。
今回は本日の僕の一日を紹介したいと思います。

朝6時53分、突如FMのY野から集合コールがかりました。昼過ぎに来いということだったので、慌てて準備をして現場に向かいました。

現場では初めて調査に参加している2年生の顔つきが普段とやや微妙に違うかなっと思いました。
僕は5号墳石室の南側(羨道側)の見通し断面図作成を行いました。
ただでさえ狭い玄室で、一人でちぢこまって作業をするのさえ困難です。なのに玄室の中にはもう一人、北側の見通しをとっているY野がいました。狭いし暑いし臭かったです。

夜のミーティングでは図面係の3年生Tつみさんに線が汚いといって、ずっと怒られていました。その隣では同じく3年生のF崎さんがケラケラ笑っていました。

去年はあんなにかわいいかった後輩たちが嘘のようです。

でもみんな仕事に一生懸命なんだと思います。きっとそれはいいことです。
明日からも頑張っていきます。

でも最後に、突如現場に行くことになった僕を天草の千崎古墳群まで送ってくれたTさんダンケ!


2007年9月16日(日) 7日目



 また雨・・・

 昨日は午後3時頃からひどく降られたそうなのですが、今日は午後1時頃から土砂降り!
 だから、雨よけのない10号墳の担当学生は、現場でおにぎりと缶詰、野菜炒めの昼食をとったのち、撤収。
 ビニールハウス用シートで覆いをしている5号墳では、作業を続行しました。

 上左は、その5号墳での作業風景。水盛り用のチューブも見えます。
 でも、初めての石室実測で慣れないせいか、あるいはあまりに狭い石室であるためか、なかなか割り付け作業が終了せず、私はいらいらしていたのですが、何とか明日から実測作業に移行できそうです。どんな線をひいてくれるのか・・・楽しみであると同時に、大いに不安でもあります。
 しっかりチェックしないと!

 10号墳では、たんたんと墓壙埋土掘り下げ作業を継続中・・・でも、雨のせいで進行は芳しくありません。

 なお、上右の写真は夕食風景。今日のおかずはショウガ炒めと肉じゃがでした。

 今日の感想は4年生K君。朝昼晩完全自炊の熊大発掘調査の一端が垣間見える文章です。
 どうぞ・・・

私は四年の倉元と申します。
現在まで雨続きで調査もあまり進んでいないので今回は、めったに人が書かない発掘調査における熊本大学考古学研究室の昼ご飯について紹介したいと思います。

熊本大学の昼ご飯は、おにぎりとカンヅメがメインです。
おにぎりの具は、わかめ・しそ・おかかなどのふりかけで、朝ごはんが終わるとみんなで一斉に作り始めます。ふりかけを買い忘れた時は、シンプルに塩だけになりますが、いつもと違う味が新鮮なのか、みんなの間でけっこう人気があります。

カンヅメのバリエーションは、さばみそ・さばしょうが・さんまの蒲焼・焼き鳥(塩)・焼き鳥(たれ)とかなり多彩です。
具がなくなってもタレをおにぎりにかけて食べるのが通な人の食べ方です。昔は貝のカンズメもあったそうですが、おにぎりと合わないせいか、廃止になりました。

このように質実剛健な熊大スタイルの昼食でありますが、去年からは洗濯当番が、宿舎でおかずを一品作るのが慣習となり、おかげでおにぎりの消費量も前年に比べぐっとアップしました。やはり、温かいご飯が食べたいということだったのでしょうか。
かなり好評だったので今年の調査でもこの制度は健在です。

このように一見すると、ものすごく質素な昼食ですが、みんなでビニールシートに座って食べると、現場の雰囲気とあいまってとても美味しくなります。
弁当もいいのですが、私は自分が卒業してもこの伝統を守り続けて欲しいと願っています。

以上四年の倉元がお送りしました。


2007年9月15日(土) 6日目

 泊まり現場初日!

 朝7時、大学研究室に集合し、そのあと工学部3号館考古学実習室で器材積み込み。
 昨年度の調査で持ち帰った5号墳の転落石も積み込み・・・これは、屍床仕切り石の破片を探すために持ち帰った石材で、おかげで破壊された仕切り石片が見つかったのですが、残りの石材は現場へ戻すことにして、トラックに積み込んだという次第。
 これら石材を、調査地の千崎丘陵に持ち上げる作業に、皆、顔を真っ赤にして頑張ってくれました・・・

 台風11号が接近して熱気が流れ込んでいるせいか、えらく蒸し暑い1日でした。

 私はトラックを返却するために、午後、大学へ戻ったのですが、現場では3時過ぎ、バケツをひっくり返したような雨が降ったそうで、這々の体で撤収したみたいです。

 台風は逸れたのですが、明日の天気は不安定そう・・・

 右の写真は、午後5頃前、大学から宿舎へ引き返す車中からみた雲仙普賢岳。
 雲仙でもすごい雨が降っているような、そんな景色です。

 さあ、いよいよ千崎古墳群最後の夏の序章がスタート。
 うまく運ぶよう、頑張りたいと思います。

 ところで、今、宿舎食堂にいますが、無線ランつながりません。ネットワークも検出されません。
 ネットワークの電源入っていないのか?

 今日の感想は現場学生長老のD1、Kさん。姉御・・・

現場5日目。宿泊初日です。
今日の日記当番は博士課程1年の神川です。本日から3日間だけ参加しております。
本日は宿舎設営班に配属されたので、生活面からの日記でお送りします。現場班の様子は誰か書いてくれてるかな?

本日より宿泊開始ということで、大学から全ての器材の搬入を行いました。午前7時に大学に集合して器材の積み込み終了後、各自出発。

途中、宇土半島に入ったくらいのところで激しい渋滞に遭遇。

天草は観光地。世間は3連休。天候は秋の行楽日和。発掘以外では天草にほとんど行ったことのない私たちは、「世間は楽しそうだねぇ・・・」と多少やさぐれながら渋滞に巻き込まれておりました。
しかし行楽の渋滞にしては朝から激しすぎる!
そういえばさっきパトカーが何台か通って行ったような・・・。

そうです。事故が起こってました。

片側1車線道路でワゴン車が前後からトラックに衝突された模様(玉突き?)。片側通行になっていたので激しい渋滞が起こっていたのです。
無関係の車とはいえ、初日から事故に遭遇するとは幸先悪い・・・。
しかも上陸はしないものの、台風11号も接近している・・・。一抹の不安を覚えながら宿舎へ。そう、これはこの日起こる悲劇のほんの幕開けでしかなかったのです!!・・・嘘です。
けど、あながち嘘でもないかも。

渋滞に遭いながらも意外と早く宿舎に到着したので、私を含む宿舎設営班5人を残し、他の人々は現場へ。
宿舎設営は台所、食堂、トイレ、買い出し・・・と順調に進みました。が、午後3時半頃、それまでの快晴と猛暑(たぶん35℃は軽くあった・・・)が嘘のようになんと暴風雨!
「こりゃ台風が来たばい!」と宿舎班は大慌て!
現場班も大慌て! 急いで宿舎に帰ってくるとのこと。

でも帰って来たときには快晴+蒸し暑さピークへ逆戻り・・・。

なんて天気だ・・・。
天気予報によると明日から私が帰るくらいまで雨が続くようで・・・雨女の本領を発揮してしまっているようです・・・。
みんなごめんよ。私が帰ったらきっと晴れるよ。

結局現場自体はほとんど進まなかったようです。明日以降に期待。雨だけど・・・。

晩ご飯は初日恒例のカレー。とろみがあっておいしかったです。


2007年9月14日(金) 5日目:現場休み

070914torakku.jpg(142731 byte)  本日は、泊まり現場の準備日としているため、現場作業はお休みです。
 ですから、特別書くことはないのですが、台風11号が接近中・・・
 逸れて欲しいと、心の底から願っています!
 でも、明日は、搬入早々、台風対策をしなければならないかもしれません・・・

 ちょっと心配なのは、風が強くなって、天草五橋が通行止めとなること。
 私は、トラックの返却のため、明日昼頃、いったん大学へ戻りふたたび天草へ向かうのですが、そのときに橋が通行止めになっていないことを祈るばかりです。

 右は、明日の出番を車庫の中でじっと待つ教育学部の1.5トントラックです。
 雨に濡らさないよう、今晩は車庫に入れたままにしておくつもりです。


2007年9月13日(木) 4日目

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 天草の天気は変わりやすい?

 午前中はなかなかいい天気だったのですが、4時過ぎから雨が本格的に降り出しました。
 でも、10号墳ではそれまでに写真撮影を終えていたし、5号墳では昨年度と同様、ビニールハウス用シートを石室上にかけていたので、割り付け作業を中断することはありませんでした。

 今日の10号墳では、昨年度の掘り下げ面まですべて出して、全体の写真撮影を行いました。
 同様の写真は昨年度も撮影しているので、撮る必要がない写真であるといえばその通りなのですが、現場の手順を知ってもらうこと、それからカメラに慣れてもらうことを最大の目的として、写真撮影をしてもらいました。

 写真撮影なんて場数がモノを言うし、もっとも上達するのは自分の1眼レフカメラで条件を考えながらいろいろ写すことだと思います。
 ですから、本来ならそういった心構えと下準備をもって発掘調査に望んで欲しいと思っています。

 まあ、調査序盤ということもあり、フィールドマスターの1人に、遺構を相手にした写真を実際に撮ってもらいましたが、どうだったかな?
 カメラの操作に少し手間取っていたみたいだけれど・・・身をもって感じてくれることが一番・・・

 上左の写真は、写真撮影前の清掃を行っている様子。上右の写真は、2段の足場の上からみた10号墳の状態です。
 今回は、この上段墓壙埋土を掘り下げ、昨年度、北小口棺外で検出したミニチュア鉄器以外の棺外副葬が存在するのかしないのかを確認する予定です。

070913senzaki5 waritsuke.jpg(137800 byte)  一方、5号墳では、割り付け作業を継続中。
 右がその様子です。

 とても狭い石室で、屍床仕切り石が邪魔をして体を置く場所があまりないのですが、寝そべるように割り付け作業を行ってくれています。
 でも、予定よりも進行が遅いので、頑張れ!

 ところで、通い現場も今日で終わり。
 明日は、現場作業は休み。泊まり現場の準備日に当てています。
 そこで、今日の帰り、大空食堂で名物のチャンポンを食べてきました。

 ・・・
 さあ、あさってから、本格的に泊まり現場の開始です!


2007年9月12日(水) 3日目

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 通い3日目。
 往復3時間程度のドライブにも慣れてきたところです。でも、通いは明日まで。事故のないように!!

 今日は昨日の続き。
 10号墳では、昨年度の掘り下げ面までの埋土を除去し、清掃・・・明日写真が撮れればなあ・・・
 5号墳では、割付作業。石室実測用に設定し直した主軸に沿っての割付。
 割付線をどのようにしようかなあ・・・と大変悩みましたが、今回は、壁体にチョークで割付線を直接書くことにしました。

 ところで、今日強く感じたこと。
 やっぱり、測量機械などの操作は、現場でのプレッシャーのなか経験しないと上手にならないのだなあ・・・というごく当たり前のこと。でも、そのことを学生さんが強く感じてくれているようで、少しうれしかったです。
 そうだよね?・・・

 上左の写真は10号墳。とても日差しが強いので、寒冷紗のもと、写真のような状態で掘り下げを進めています。
 上右の写真は5号墳。割り付けに精を出す山野君と女性3人です。

 さて、今日の感想は4年生I君。卒論に忙しい中、通い現場の運転手を黙々とこなしてくれています。

通い現場3日目が終了しました。日頃、運動など全くと言っていいほどしていなかったものだから既にぐったりしてます。

個人的なことはさておいて、現場の進行具合の報告いってみたいと思いまっす。
僕の担当している10号墳は前年度の最後の状態まで掘り下げて明日、写真撮影を行うというところまで来ています。明日以降は写真撮影、上段墓壙の掘り下げに入っていきます。
5号墳は中軸を再設定したところです。明日からは更に割り付けが続きます。

現場の環境について!!

はい、どうも。今回は現場で作業するに当たっての現場環境について語らせていただきたいと思います。
まずは、初日に注意されたことなのですが、千崎6号墳付近にある樹液が出ている木には蜂が寄ってくるので気を付けましょう。じゃなくて、気をつけてます。実際にスズメバチを既に何度か見かけています。

次。5号墳は南北が林で東西は緩傾斜と急傾斜の坂があるので日陰になることが多いのですが、10号墳は晴れの日なら間違いなく直で日光が燦々と降り注ぐことになります。
前年度は雨が降ると現場テントが小さかったので10号墳の上に移動させていたのですが、今回はむしろ日光対策として寒冷紗を導入しました!!拍手!!(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ
僕自身は寒冷紗がどういうものか知らなかったのですが、現場にいた皆さんは買ってきた寒冷紗がしょぼかったと言ってました。まあ、僕はあれで十分ですが。帽子かぶらずに作業していても、頭が暑いと感じることは無いので。

年々と言うか現場は回数をおうごとに作業環境が段々と良くなっているようです。

明日から16日まで僕は諸事情で参加できませんが、その間みんな頑張って下さいね。
17日以降はアッパーなテンションで参加しますので!!


2007年9月11日(火) 2日目

 今日の午後は、雨が降ったりやんだり・・・
 そのため、4時に撤収しました。
 現場2日目にして雨なんて・・・

 大学による調査なのに通いで開始なんて、やはり何か変な感じです。
 現場作業終了後、宿舎に帰って、学生さんと一緒に夕食を取りつつビールを飲む。こういった展開がないと、なんだかパッとしません。
 こう思っているのは私だけかな?

 今日は5号墳では石室の割り付け作業開始。
 石室上面しかみえていなかった2004年段階で設定した中軸は、床面まで掘り下げた今、若干ゆがんでいることがわかっています。したがって、石室実測のための新たな主軸を設定し直し、それに沿って石室壁体実測用の割付作業を行っています。

 10号墳では、昨年度終了時点の状態を復元すべく、埋土の除去作業を開始しました。
 遅々とした進みでありますが、何とか軌道に乗りつつあるようです。頑張れ!

 何かとバタバタしていて、今日は写真を撮る余裕がなかったので、以上、文章のみで失礼します。

 さて、今日の学生さんはM1のAさん。現場の主体を構成する女性陣のトップです。

2007年度千崎古墳群の発掘調査の二日目です。今日の日記担当はM1の有馬です。

みなさんこんにちは。
私は10号墳を担当しています。

10号墳は、去年の調査で鉄製のミニチュア農工具が出土し、また50年以上前の玉高の調査で人骨が4体も見つかったといういろんな意味で興味深い箱式石棺です。
箱式石棺埋め土の上に横になってみましたが、横幅は狭くかなりギリギリでした。こんな石棺の中に4人もの人が埋葬されていたなんて本当に驚きです。

今年は、去年見つかったミニチュア農工具以外に、副葬品がないかを確認するのが一番の目的です。

今日は、掘り下げていくための準備として、調査区の設定を行いました。
そして、去年埋め戻した土の取り除きを始めていましたが、お昼休みも終わり、「さあやるぞ!」と気を引き締めた13時すぎ、突如としてシトシトとした雨が降り出しました。「これは大変!」と早速ブルーシートをかぶせたのですが、しばらくしたら止んできました。なので、再開したところ、30分もしないうちにまた雨が降り出しました。そしてまた待機。同じ様なことをしばらく繰り返し、ついに現場は中止となりました。

なんともはっきりしない天気でした。
私は自称晴女ですが、もう一人のM1の○の君は雨男です。晴女vs雨男の凌ぎ合いの結果、軍配は雨男のようだったようです。

こんな感じでこれからも頑張って行きます。


2007年9月10日(月) 1日目

 2007年度、夏の実習調査、初日。

 例年と異なり、調査序盤は通いで行います。で、今日は、以下のような日程・・・
  7:00 大学工学部3号館の考古学実習室に集合、器材積み込み
  8:30 上天草市大矢野町のヒライに到着、昼食の買い出し
  9:00 千崎古墳群到着、現場開始
    すでにトイレの設置がなされていた
    上天草市大矢野公民館からの借用物品を搬入
    上天草市から借用するテントの搬入
    沼田造園さんからの借用物品を搬入
    5号墳:石室内土嚢上げ、清掃
    10号墳:昨年度と同じ調査区の設定、石棺蓋石の取り上げ
  17:00 現場作業終了
  17:30 スパ・タラソ!
  18:30 上天草市大矢野町を出発
  20:00 大学文学部考古学研究室に帰着

070910senzaki5 dono-age.jpg(144605 byte) 070910senzaki5 shito.jpg(147818 byte) 070910senzaki10 futahazushi.jpg(141227 byte)

 まあ、昨年度調査の最後の方と同じような日程です。それに、スパ・タラソでの温泉タイムが加わったという次第・・・
 現場からの帰りに温泉入るぞ〜と私が言っていたそうなのですが、すっかり忘れていて、で、私は温泉後、再び現場着を着て帰ってきました。

 現場作業の方は、まあ、初日はあんなものでしょう。
 フィールドマスターの修士1年生の緊張感が、ひしひしと伝わってくる初日でした。

 指示と行動の的確さがもっと備わってくると、現場もうまくまわるというもの。頑張れ!

 さて、上左の写真は、千崎5号墳。
 昨年度石室内にビッシリ詰め込んだ土嚢を取り出している様子です。
 土嚢のあいだに入り込んでいたたくさんの木の根を切って、まったく昨年終了時と同じ状態に復活しました。

 上右の写真は、5号墳にシートをかけている様子。

 下右の写真は、10号墳の蓋石を外して、浮いた土を取り除いたところです。

 さて、今年も学生さんの日誌の登場です。
 最初はフィールドマスターM1のY君。ではでは・・・

メルハバ!!
念願のFMを担当しています。帰ってきたエセ南島人YKY(やや空気よめない)です。
今年は通い現場からのスタートです。
メリハリのある行動で、お互いの力量を高め合い、最高の発掘にしていきたいです!
そして、通い現場に始まり、通い現場に終わることのないよう頑張りたいです!

ちなみに、僕の顔はみんなに「濃い」とか「ソース顔」とか「タルタルソース顔」とか好き放題言われますが、自分の中では「醤油顔」といわないまでも、せいぜい「さしみ醤油顔」だと感じています。
みんなおおげさです。原因は肌の黒さにあります。

でも現場で一番濃いです。トップです。トップで黒いです。でも地肌は白いです。貝も白いです。

今年は「焼かない、焦げない、ホクロつくらない」の美白三原則のもと頑張ります!
めざせオバQ!


2007年9月8日(土) 調査開始2日前

070908junbi.jpg(111018 byte)  いよいよ、今年の夏の実習調査開始まで2日となりました。

 で、午前中は、今年調査予定の千崎5号墳・10号墳について、フィールドマスターの山野君、有馬さんよりレクチャーがあり、そして午後、持って行く器材の梱包作業が行われました。

 左がその作業風景。

 午前中には、私の方から、最終的にどのような図面の完成を目指しているのか、簡単に説明しました。

 石室の実測、それからその墓壙の断ち割り作業なんて、初めて経験する学生ばかりなので、少々心配な点がないことはないのですが、でも、どんな作業でも、初めてを経験して成長していくというもの。
 初めの方は、皆の作業の様子をじっと見守るつもりでいます。でも、折りに付け、口出しするとは思いますが・・・。

 自分で掘った方が、そして自分で図面を書いた方が、早くてうまいとよく思うのですが、そこはそれ、大学の調査、将来の考古学界を担う学生の成長を待つというのも重要な役割であると思っています。
 今になって思うことですが、私も、都出先生や福永さんのそういった配慮を多分に受けてきているんですよね・・・

 でも、古墳がかわいそうになることだけは絶対に避けるよう、十二分に注意を払いたいと思っています。


2007年8月27日(月) 調査開始2週間前

 今年の発掘調査開始まで、あと2週間となりました。

 宿舎の関係で今年の調査開始が9月に入ってからになってしまい、学生さんや考古学研究室の先生方にはいささか迷惑をかけているようで、恐縮しています。でも、博物館学実習の期間が8月末から9月初めに設定されたので、結果的にはそれを避けることができて、この辺は今年の調査日程が幸いしたのかなあ・・・と感じています。

070827kamiamakusa-shishi.jpg(91928 byte)  さて、今年の発掘調査は、千崎古墳群に専念します。5号墳と10号墳。

 とくに5号墳では、石室構築過程を探るべく、墓壙を検出したあと断ち割りを行う予定にしています。
 発掘調査が初めての2年生ほか、主体部調査に慣れない面々ばかりなので、大変心配なのですが、調査の進め方などは現場ミーティングなどでしっかり伝えるつもりです。

 このページを、調査前に目にした学生さんは、最終的にどのような図面が出来上がれば断ち割り作業が終わるのか、ちょっと考えてみて下さい。杉井の頭の中には、どのような完成図が思い描かれているんだろうって・・・
 また、昨年の10号墳調査を思い出して下さい。ここでも断ち割り調査を行いましたね。
 そして、右の写真『上天草いにしえの暮らしと古墳』の千崎古墳群のところをもう一度じっくりと読んで下さい。そこに載せた図125の意味をよく考えてみて下さい。
 それから、『井ノ内稲荷塚古墳の研究』の私の論文もコピーして現場へ持って行くことをすすめます。

 そうした前もっての心構えが、発掘調査を行ううえでは、そして調査を成功に導くためには、とってもとっても大切です!


 ところで、昨年度の調査終盤、宿舎食堂で無線ランに接続できることがわかったのですが、今年も接続可能なら、この調査日誌をしばしばアップすることができると思います。
 はてさて・・・?