研究紹介

永青文庫叢書 細川家文書(全5冊)

「永青文庫叢書 細川家文書 中世編」吉川弘文館、2010年
「永青文庫叢書 細川家文書 絵図・地図・指図編Ⅰ」吉川弘文館、2011年
「永青文庫叢書 細川家文書 近世初期編」吉川弘文館、2012年
「永青文庫叢書 細川家文書 絵図・地図・指図編Ⅱ」吉川弘文館、2013年
「永青文庫叢書 細川家文書 故実・武芸編」吉川弘文館、2014年
          ※すべて熊本大学文学部附属永青文庫研究センター編

<内容>
「永青文庫叢書 細川家文書 中世編」
足利将軍を支えた細川家一門の動向を伝える室町期文書を完全収録。自筆書状を含む織田信長文書59通や、本能寺の変をめぐる明智光秀・豊臣秀吉の文書、古今伝授や武家故実に関する史料など、戦国時代屈指の文化人=細川幽斎の関係文書をはじめ、貴重な260点を写真入りで一挙公開。室町・戦国期の政治動向や伝統文化を知るための待望の史料集。

「永青文庫叢書 細川家文書 絵図・地図・指図編Ⅰ」
細川家に伝わる1,000点余に及ぶ絵図類のうち、「景観と建築」に関わる重要資料168点を厳選し収録する。細川幽斎の田辺籠城図など貴重な戦国期資料をはじめ、江戸城や大名屋敷・町屋を描いた江戸関係の図、熊本城や国許屋敷、寺院・茶屋・民家など領国肥後における図をオールカラーで掲載。中・近世大名の統治活動と伝統文化を知る待望の史料集。

「永青文庫叢書 細川家文書 近世初期編」
三代目忠利が父忠興より家督を継承し、豊前小倉城に入った元和7年以降の文書261点を厳選し収録する。発給文書・裁可文書や家臣団起請文など、細川家の組織・行政システムが、肥後熊本への国替えや当主の代替わりを経ながら整序・確立する過程を示す。一代限りの中世的主従関係ではなく、「御家」の永続が重要視される時代への変化を読み取る。

「永青文庫叢書 細川家文書 絵図・地図・指図編Ⅱ」
「江戸幕府の成立と領国支配」をテーマに、細川家伝来の膨大な資料から203点を精選。幕府成立までの合戦を描いた絵図、武家大名による統治のための国絵図のほか、参勤交代や鎖国制度に関わる街道絵図・外国船来航図・世界地図などをオールカラーで掲載。近世の肥後からみた日本の様相が示される。既刊Ⅰと併せ、細川家への理解がいっそう深まる。

「永青文庫叢書 細川家文書 故実・武芸編」
弓馬の記、軍陣の作法、太刀・鎧・具足・装束の製法、出産・元服・婚礼の方式などは、大名家の体面や格式、儀式行事のために必須の知識として蓄積された。故実・武芸資料132点を厳選し、カラーで収載する。年代比定や筆者の特定を行うとともに、細川幽斎・忠利らの故実資料が誰から相伝され、誰に受け継がれていったか、その道筋を解き明かす。