研究紹介

細川家の歴史資料と書籍

細川家の歴史資料と書籍
森正人・稲葉継陽編(吉川弘文館、2013年3月)

(内容)
熊本大学に寄託されている、熊本藩細川家に伝来した四万三千点以上の永青文庫資料。特殊な「藩侯の史資料」と、膨大な「藩庁の史料」を、ともに伝存させたという特色を持つ史資料群を、細川家伝来の信長文書、和漢書の蔵書構成などのテーマを立てて、歴史学と文学の両分野から総合的に分析。近世の国制上の基本単位である、大名家の実像を探る。

(目次)
序説 熊本大学寄託永青文庫細川家史資料の構成と歴史的位置
    (稲葉継陽・熊本大学文学部附属永青文庫研究センター教授)
和泉上守護細川家ゆかりの文化財と肥後細川家の系譜認識
    (山田貴司・熊本県立美術館主任学芸員)
細川家伝来の織田信長発給文書―細川藤孝と明智光秀―
    (稲葉継陽・前掲)
十九世紀の宿場町を拠点とする地域運営システム
―熊本藩の藩庁文書、「覚帳」・「町在」をもとに―
    (松﨑範子・熊本大学文学部附属永青文庫研究センター技術支援者)
永青文庫蔵熊本大学寄託和漢書の蔵書構成
    (森正人・熊本大学大学院社会文化科学研究科教授)
細川幽斎の蔵書形成について
    (徳岡涼・熊本大学文学部附属永青文庫研究センター客員准教授)
細川重賢の蔵書と学問―漢文資料をめぐって―
    (山田尚子・熊本大学文学部附属永青文庫研究センター技術支援者)

(執筆者の肩書は本書刊行当時のもの)

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