最終更新:2016-07-19
平成28年(2016年)4月に発生した熊本地震では,日文研究室のメンバーも被災者となりました。3か月が経過した今では,おかげさまで,ある程度落ち着いた状態を取り戻すことができています。
あの日(以降)の記録を残しておくことにはさまざまな意義があると思われますので,地震以降の日文研究室の動きについて,主に学部生への対応を中心とした内容を公表します。(地震当時の日文研究室の所属学生は,学部生65名(うち3名休学中),大学院生12名です。)
なお,熊本地震による熊本大学全体の被害と対応については,6月16日の記者発表で使われた「熊本地震の被害状況と復旧に向けた対応状況について」という文書にまとめられています。
学生の安否確認
前震:
- 4/14(木): 21時26分,地震発生。
- 4/15(金): 全学休講に。朝から事務担当者および教員で学生の安否確認開始。同日中に終了。
本震:
- 4/16(土): 1時25分,地震発生。朝から学生の安否確認開始(~4/18)。
- 4/18(月): 5月6日(金)までの全学休講決定。
- 4/20(水): 学生の現在地確認調査を実施(~4/21)。
- 4/25(月): 「「被災状況並びに通学見込み」等に係る調査」(全学)を実施(~5/8)。
復旧状況:
- 5/9(月): 予定通り授業再開。「現住所の変更等調査」(文学部)を実施(~5/11)。
補足:
- 幸いなことに,大きな人的被害は発生しませんでした。
- 学部生は,確認できているだけで39名が県外の実家等に避難しました。これは県外出身者のほとんどにあたります。
- 前震時には,学内にまだ学生が残っており,武夫原(グラウンド)に避難しました。前年度に行った黒髪北キャンパス全体の防災・消防訓練の想定が現実になりました。
- 学生の安否確認や現在地確認では,SNS(LINEのグループやTwitter)が有益でした。教員はこれらのツールを使っていませんでしたが,有志から連絡が取れている学生をまとめて教えてもらえて,助かりました。平時から非常時の連絡体制を作っておくことの重要性を改めて感じました。
- 本震後,大学のメールサーバーの配送遅延が生じたため,安否確認に外部のサービス(Gmail)も並行利用しました。個人情報保護との兼ね合いはありますが,複数の連絡手段を確保することも必要だと感じられました。
- 以上のような事情もあり,教員が連絡用のTwitterアカウントを作成し,大学からの情報を随時伝えました。
- 徐々に「調査疲れ」が生じたためか,被災状況の調査は,後のものほど回答率が低くなりました。
日文学生研究室の被害
前震:
- 4/14(木): 21時26分,地震発生。
- 4/15(金): 被害状況確認。本棚から図書・雑誌が少数落下(左写真)。コップ・茶碗類が落下して破損(右写真)。
本震:
- 4/16(土): 1時25分,地震発生。
- 4/18(月): 被害状況確認。本棚から図書・雑誌の落下多数(左写真は前震の左写真と同じ通路)。学生研究室を使用禁止に。
復旧状況:
- 4/22(金): 教員2名,学生ボランティア2名で片付け実施。室外への避難経路を確保。以降,断続的に片付けを実施。
- 4/23(土): 学生研究室の限定利用を開始。
- 5/9(月): 授業再開に合わせて学生研究室の全面利用(学習スペースの利用等も含む)を再開。
補足:
- 学生研究室のある文学部・法学部棟は,平成20~21年度に耐震補強工事を行っていたため,構造的な被害は出ませんでした。また,ライフラインのうち水・電気は確保できていました。
- 研究室内の本棚は,床にボルト固定されており,天つなぎ(本棚上部の連結)等の措置も行われていたため,倒壊等の被害は出ませんでした。(ただし,棚板が図書の重みで破損しました。)
- 本震後,頭より上の位置にある図書・雑誌を取り出し,床にまとめて置きました。現在,ビニールヒモ等で落下防止の措置をとるなど,安全を考慮しながら,本棚に戻す作業を行っています。
- 落下による破損が大きい図書・雑誌は,今後,修繕を検討します。
- パソコン等の電化製品の落下もありませんでした。
- 授業再開当初は,学習や研究に必要な資料が集められず大変でしたが,附属図書館(中央館)は5月から,文学部図書室は7月から,利用が再開されました。