しゃべり場
出会いが広げてくれる世界―異文化の中に生きる日常
皆さん、Merhaba(こんにちは)!
現在、トルコのエーゲ大学に留学中の犬童陽奈子です。
トルコに到着して約2か月が経ちました。慣れない環境に戸惑うことも多いですが、その一方でさまざまな人との出会いや文化の違いに触れながら、少しずつですが、こちらでの生活を楽しんでいます!ここでは、これまでの留学生活の中で感じたことや経験したことについて共有したいと思います。
体調不良との戦い
最初から少し暗い話になってしまいますが、私のトルコでの留学生活は体調不良との戦いから始まりました。トルコ到着後、原因不明の頭痛や腹痛、めまいなどに悩まされました。そのときは「環境の変化のせいだろう」と思い、日本から持参した薬でごまかしていましたが、限界はある日突然やってきました。滞在許可の申請について質問するためインターナショナルオフィスを訪れた際、説明を聞いている最中に体調が急激に悪化し、突然涙が止まらなくなったのです。そのまま病院へ連れていってもらい、検査を受けましたが異常はありませんでした。そして医師からは、おそらく精神的なものだろうと告げられました。
また、日本食レストランは高価で、アジア系のスーパーもありません。現地のスーパーにも日本食はほとんどなく、さらに周囲には日本人どころか東アジア人ですら見つけることができませんでした(私が所属する文学部では、はじめての日本人留学生でした)。そんな「完全な異邦人」としての孤独感が、知らず知らずのうちに私の心を削っていたのだと思います。さらに、追い打ちをかけるように、さまざまな申請手続きのトラブルなども相次ぎました。言葉の壁もあり、簡単な手続きひとつにも想像以上の時間と労力がかかりました。
過去の海外経験から「自分は適応力がある」と過信していたのかもしれません。今回の不調は、強がっていた自分を認め、本当の意味でこの地と向き合うための、避けては通れない洗礼だったのだと思います。とはいえ、エーゲ大学の先生やインターナショナルオフィスの方々が手続きの相談に乗ってくれたり、体調を気遣ってくれたりと、周囲の支えに何度も助けられました。そうしたサポートのおかげで、少しずつではありますが、この環境にも慣れていくことができました。
友人との出会いと異文化交流
このような苦しい時期ではありましたが、少しずつ周囲とのつながりが生まれていきました。
同じ授業を受けているトルコ人の学生と仲良くなり、授業の内容について助けてくれたり、一緒にカフェに行ったりしています。トルコでは、友人同士でチャイ(紅茶)やコーヒーを飲みながらおしゃべりをする文化があり、私もその時間を楽しんでいます。ここで驚いたことの一つは、トルコの学生が大学やカフェでよく煙草を吸っていることです。休み時間になると、学生たちが外に集まり、チャイやコーヒーを片手に煙草を吸いながら談笑している姿をよく見かけます。日本ではあまり見ない光景なので、最初はとても驚きました。
また、日本語を勉強している学生もいて、日本語とトルコ語をお互いに教え合うこともあります。話は少し変わりますが、ちょうどこの時期、私の住むイズミルで日本文化に関するイベントがあり、そこで在イスタンブール日本総領事ご夫妻をはじめとする方々と交流する機会もありました。
さらに、Erasmusというヨーロッパ各国からの留学生グループのイベントにも参加させてもらっています。イベントに参加したり、そこで仲良くなった人たちと休日に出かけたりすることもあります。私が特に仲良くしている友人の中には、ムスリムやクリスチャンがいます。2月中旬から3月中旬にかけてラマダン(断食)の期間だったため、ムスリムの友人と食事をする際は、食事の開始時間を考慮する必要がありました。また、クリスチャンの友人は、イースター前の約40日間の断食期間(ファスティング)の間、ヴィーガンの食事を取っています。そのため、一緒に食事に行く際にはヴィーガン対応のお店を探していました。こうした経験を通して、宗教や文化によって食事の習慣が大きく異なることを実感しました。さまざまな国から来た学生たちと交流することで、異なる文化や価値観に触れ、自分の視野が少しずつ広がっているように感じています。
また、同じ学生寮に住んでいる人たちとも仲良くなり、部屋に招待されてトルコ料理を振る舞ってもらいました。手作りの家庭料理を囲みながら会話を楽しむその時間は、トルコの人々の温かさを感じるひとときでもありました。
トルコに来た当初は体調不良や孤独感に悩まされ、不安な日々を過ごすこともありました。しかし、さまざまな人との出会いを通して少しずつこの土地での生活に慣れ、今では日々新しい発見を楽しめるようになってきました。異なる文化や宗教、価値観を持つ人々と交流する中で、自分にとって当たり前だった考え方を見つめ直す機会にもなっています。これからの留学生活でも、多くの人との出会いや経験を大切にしながら、さらに学びを深めていきたいと思います。
写真1 改札のICカードタッチスペースに座る猫
トルコにはたくさんの猫がいて、お店の中にも勝手に入ってきてくつろいでいる。
写真2 Izmir Saat Kulesi(イズミル時計塔)
イズミルの街のシンボルである八角形の時計塔。
