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現地調査

青海省海北チベット族自治州チレン県、甘粛省粛南ヨゴル族自治県

チレン県

青海省北部位置する海北チベット族自治州チレン県は、内陸河川黒河の発祥の地である。同県には、チベット・モンゴル・回などの民族が暮らしている。今現地でチベット民族となるザン・アレゲ部族の一派は青海省南部の河南蒙旗ではモンゴル族になっている。また歴史的にモンゴルの一部であったトモと呼ばれるイスラム教を信仰する人たちは、今その信仰が故に回族に分類されている。いわゆるモンゴル系の人たちも、その服装そして言語等の面においてはチベットの影響を深く受けている。宗教や言語の相違を問わず、人々は間に大きなエスニック コンフリクトがなく共に暮らしている。

粛南県

黒河に沿って、青海省チレン県からチレン山脈を超えていくと甘粛省の粛南ヨゴル族自治県になる。ヨゴル族は、言語的に互いに意思疎通ができない東西の二つの部分によって構成されている。西部はテュルク語系に、東部はモンゴル語系に属している。東西を問わずチベット仏教を信仰している点でヨゴル人は共通している。ヨゴル族自治県とはいうものの、チベット族は自治県総人口の半分を占める。さらに、自治県には1940年代モンゴル国からきた移住してきたモンゴル系の末裔たちも暮らしている。