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第6回研究会「牧畜社会におけるエスニシティとエコロジーの相関」

第6回研究会「牧畜社会におけるエスニシティとエコロジーの相関」
―基盤研究B(海外)2018年度研究会―

 

【時間】6月23日(土)~24日(日)
【会場】金沢大学角間キャンパス 国際文化資源学研究センター(初日)
            金沢大学サテライト・プラザ(二日目)
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【プログラム】
◆6月23日(土)14:00-18:00
(1) 14:00~14:50 趣旨説明
 シンジルト(熊本大学)
 
(2) 15:00~16:50 基調報告
 佐川徹(慶応義塾大学)「東アフリカ牧畜社会における移動性と境界意識
 
 東アフリカ牧畜民であるエチオピアのダサネッチとその周辺民族間関係の動態を研究してきた佐川氏による発表では、戦争と平和を通してみる牧畜民の共同意識、境界の動態性、集団と個の関係に焦点が当てられた。かれらは互いに敵対と家畜の収奪を集団間で繰り返しつつも、「家畜の人びと」としての共同意識をもっている。また、移動を繰り返すその生業形態にもとづく空間認識に固定的・面的な境界意識が薄いこと、さらに不確実性と常に隣り合わせの牧畜を生業としているからこそ、集団よりも個(個人・世帯レベル)の独立性を尊重していることが報告された。
 発表後半では、エチオピアの土地法を概観した上で、近年非常に盛んに行われている国家と資本による土地収奪に対して、ダサネッチら牧畜民の若者が、多くは収奪された土地からの退出という対応をとり、代わりにかつてはタブー視されていた漁労に参入するという戦略をとっていることが報告された。
 
(3) 17:00~18:00 ディスカッション
 
 
◆6月24日(日)9:00-17:00
(4) 09:00~13:00 研究発表
 研究発表1
  シンジルト (熊本大学)
  「チベット牧畜地域における部族間関係とニェンディ」
 
 研究発表2
  波佐間逸博(長崎大学)
  「北東ウガンダ牧畜民のエスニック・シティズンシップとシビック・シティズンシップの接合–−動物のレジスタンスに注目して」
 
 研究発表3
  田村うらら(金沢大学)
  「トルコ南部の定住ユルック:「ユルック性」の境界と広がり」
 
 研究発表4
  地田徹朗(名古屋外国語大学)
  「カザフスタンにおける農業集団化の歴史的意味について」
 
 研究発表5
  井上岳彦(日本学術振興会・東北大学)
  「カルムィク自治ソヴィエト社会主義共和国の牧畜・農業再生事業を研究するにあたって」
 
 研究発表6
  上村明(東京外国語大学)
  「牧地法(新土地法案)の問題点:モンゴルにおけるCBNRMプロジェクト」
 
 研究発表7
  宮本万里(慶應義塾大学)
  「ポブジカ谷の定住民と移動民: 生業のバラエティとエスニックな境界についての一考察」
 
 コメント
  佐川徹(慶応義塾大学)
 
(5) 14:00~17:00 研究打合わせ
3月の沖縄でのミーティング内容をふまえつつ、今年度の各自のフィールドワーク・研究目標の確認と、班員全員による特集論文投稿の進め方などについて話し合われた。
 
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