ラフカディオ・ハーンとクレオール料理

クレオール料理

ギリシア⽣まれのラフカディオ・ハーンは、27歳から約10年間をアメリカ南部の港町ニューオーリンズで過ごしました。地元紙に勤務していた彼は、取材活動の中でこの街の豊かな⾷⽂化に興味を持ち、『クレオール料理本』というレシピ本を出版しています。クレオール料理とは、ルイジアナの地元⾷材を活かし、ヨーロッパ、アフリカ、中南⽶からの移⺠たちの調理法を融合させて生まれたものです。野菜や⿂介類を様々な⾹⾟料で味付けするのが特徴で、⼀般的にイメージされるアメリカ料理とは⼤きく異なります。
クレオール料理の代表といえば「ガンボ(gumbo)」です。⿂介類や⾁などをオクラと⼀緒に煮込んだとろみのあるスープで、画像の左側にあるようにご飯にかけて⾷べます。オクラ入りとは意外に思われるかもしれませんが、アフリカ原産のオクラは⿊⼈奴隷がアメリカに持ち込んだと⾔われ、特に南部ではピクルスやフライなど様々な調理法があります。⽇本では丸ごと天ぷらにして⾷べますが、アメリカでは1センチほどの⻑さにカットしてとうもろこしの粉で揚げます。アメリカでは揚げ物の⾐としてとうもろこしの粉が使われることが多く、アメリカンドッグも「コーンドッグ」と呼ばれています。

(左)ガンボ、(右)ポーボーイ(バゲットに牡蠣フライをはさんだもの)(執筆者撮影)
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