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シンジルト先生2冊目の単著!New!

牧畜社会において、人人関係(エスニシティ)と人獣関係(エコロジー)が、
いかにお互いに影響しあい、いかなる共生の論理を生み出しているのか。
内陸アジアに分布するオイラト系牧畜民の間で実施した
フィールドワークで得られた経験に基づいて考える。
 
前書き
 
本書の主役はオイラトの人びとである。
「オイラト」は日本の高等学校の世界史教科書においても登場するほど
読者にとって馴染みのある名前である。
 
当然ながら、歴史の教科書であるため、
そこに登場するオイラトは、定住民が樹立した国家を襲撃した遊牧民、
つまり過去の存在だった。
 
実は、オイラトの人びとは今もユーラシア各地で暮らしている。
今を生きるオイラトの人びとの経験を介して、
牧畜民にとっての他者はどのような存在であり、
他者との共生はいかなる事態なのかを考えていくのが、本書の目標である。
オイラトの民族誌.jpg
目次
 
第1章 めぐりあい:オイラトから人類学へ
第2章 命をいただく:三つの屠畜方法
第3章 命をはなつ:セテルという実践
第4章 幸運を求める:セテル実践の拡がり
第5章 万物を横断するヤン:牧畜民の自然観の現在
第6章 不幸を語る:土地と物を超えた存在であるオボー
第7章 喧嘩をする:牧畜民集団の生成史
第8章 不和を避ける:もうひとつの共生
第9章 民族を横断する親族:牧畜民の集団観の現在
 
 
シンジルト_2021.03
明石書店