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第7回研究会「牧畜社会におけるエスニシティとエコロジーの相関」

第7回研究会「牧畜社会におけるエスニシティとエコロジーの相関」
―基盤研究B(海外)2019年度研究会―

 

【時間】5月11日(土)~12日(月)
【会場】東京外国語大学 本部管理棟 2階中会議室
 
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【プログラム】
◆5月11日(土)14:00~18:00
 (1)14:00~14:10 趣旨説明
  シンジルト
 
セッション1「生態」
(2) 15:00~16:50 基調報告
 松井健(東京大学名誉教授)「遊牧のエートス:生業の文化特性とその意味」
  牧畜、とくに西南アジアの牧畜について長年研究してきた氏は、大きな枠組みの中で遊牧をとらえることの重要性について述べた。
 まず、
  ①遊動性を流通の一環としてとらえること
  ②家畜とともに動くことがpageantになっていること
  ③牧畜のエートスが所有欲を抑えるなど社会のバランスを図る役割を果たしていること
  ④社会集団の可塑性
  ⑤家畜とともにあることと自由について述べるとともに、自然人類学を提唱する立場から、自然の根源的優位性を強調した。
 
(3) 14:50~17:00 研究発表
研究発表1
上村明(東京外国語大学)「ヤギの搾乳と子殺しの論理:功利主義と倫理の間」
 
研究発表2
井上岳彦(大阪教育大学)「農耕が先か、定住が先か:ロシア帝国支配下にあるカルムィク人の対応について」
 
研究発表3
宮本万里(慶応大学)「ブータン北部国境政策と高地民の生業:牧畜とキャラバンから採集まで」
 
研究発表4
シンジルト(熊本大学)「牧畜民が感知する世界:本質主義と構築主義の対立を乗り越えるために」
 
(4) 17:10~18:00 ディスカッション
 
 
◆5月12日(日)9:30~17:00
セッション2「集団」
(5) 9:30~10:10 基調報告
 坂井弘紀(和光大学)「遊牧民の精神性:口頭伝承からの視点」
 氏は、中央アジアの英雄叙事詩を研究してきた視点から、騎馬遊牧社会が地縁より血縁を重んずること、系譜から集団意識とアイデンティティのあり方が読み取れること、英雄叙事詩の英雄像とそこに見られる集団団結のテーマについて、中央アジアのシャマンと英雄叙事詩との関係など、実際の例をしめしながら述べた。
 
(6) 10:10~11:50 研究発表
研究発表1
田村うらら(金沢大学) 「生業から文化へ:トルコにおける移牧の衰退と遊牧民文化復興をめぐって」
 
研究発表2
地田徹朗(名古屋外国語大学) 「カザフスタン、集団化前夜、牧畜民への政策と社会の雰囲気(1927ー 1931)」
 
研究発表3
波佐間逸博(長崎大学)「集団観の可逆性:ナイル系牧畜民のレイディングと慈悲から」
 
(7)12:00~13:00 ディスカッション
 
(8)14:00~16:00 研究打合せ
学術雑誌に特集を発表するための工程、ホームページの開設、来年度以降の科研グループとしての活動などについて話し合われた。
 
 
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