道後温泉で考えたこと

先日、久しぶりに松山市道後温泉に行ってきました。皆さんもご存知のように『坊ちゃん』の舞台です。観光を楽しみながら、あることが気になりました。いったいどれほどの人々が『坊ちゃん』を読んだことがあるのか。調べてみると、2017年に(公財)えひめ地域政策研究センター研究員 河田晋作先生が発表した「地域資源としての『坊ちゃん』」という調査報告がありました。これによると、H29に愛媛県の高校生(計1003名)にアンケート調査を行った結果、全文を読んだことがあると答えた生徒は193名(19.6%)だったとのこと。S31に東京の高校生(401名)を対象に行ったアンケートの結果は91.6%だったようです。もちろん、これらの調査結果を単純に比較すべきではありませんが、しかし愛媛で19.6%だったという結果は驚きでした。日本のあちこちで漱石や彼の作品が地域の資源として利用されていますが、今後どうなるかちょっと心配になりました。いったい、何人の熊大生が『草枕』を読んだことがあるのか。今度調べてみようかと思います。

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