ハーンと家族-弟ジェイムズ-

ダブリン書簡

平成30年に熊本大学附属図書館で開催された講演会「ハーンと家族」のポスター

母ローザは実家のあるギリシャに去り、父チャールズも別の女性と結婚し任地インドに赴き、ひとりダブリンで大叔母のもとに残されるなど、ハーンは家族の愛情に恵まれない幼少年時代を過ごしました。
ハーンには、4歳年下のジェイムズという弟がいました。ただダブリンで一度しか会ったことがなく、その時の記憶も、弟におもちゃを取られ、殴って取り返したら大人に怒られたというものだったようです。二人はその後、音信のないまま30年以上過ごしますが、アメリカに渡っていたジェイムズが、ハーンの文章を目にし、手紙を寄こします。作家の直筆欲しさの読者からかと疑っていたハーンも、ジェイムズが送ってきた父チャールズの写真などから、本人であることを認め、兄弟の文通がはじまります。
ハーンが日本に立つ半年の間に弟に送った5通の手紙は、1923年、弟へのインタビューと併せて雑誌に発表されます。母への溢れる想いを弟に向かって語る手紙はハーンの家族観を知る上で大変貴重です。翻訳もありますが、ジェイムズの子孫による以下のホームページで読むことができます。
http://www.lafcadiohearn.net/lafcadiosbrother/

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