さて、TTさん、もとい人間科学科のゆるキャラ「ハロハロ★たかっしー」にフリースタイルで学生生活を振り返ってほしいと言われたので、筆を取った次第であるが、いざそう言われると、書きたいことがありすぎて難しくなってしまった。とりあえず、ある程度の枠を作らないことには筆が進まないので、こういう時に私が多用している「喜怒哀楽」スタイルで書くことに決めた。4年間の思い出を振り返り、「ボート部」・「勉強」・「その他」の3部構成でそれぞれ喜怒哀楽な出来事を思い起こして書いていこうと思う。
ボート部編 僕の学生生活の8割は部活にあったといっても過言ではない。それこそ3年生の夏までは365日のうちの350日くらいは部活をしていた。僕の大学生生活の計画をぶち壊したと同時に、僕の学生生活を彩った存在である。
喜・・・これは単純に、タイムトライアルの結果が良かったことである。自分の努力が数値化されて見えるのは非常に面白く、かつ心地よいものであった。今までタイムを競うような陸上や水泳のスポーツの楽しさが分からなかったが、ようやく共感できた気がした。
怒・・・普段からあまり怒ることはないのだが、後輩がレースの後半に手を抜いた時はそれなりに怒った。今となっては笑い話だが。
哀・・・僕らの代は123代で、入部当初は10人の同期がいたのだが、季節を巡るたびに一人、また一人と辞めていくのがとても辛かった。最終的に同期は3人になってしまったが、いい後輩や、先輩に恵まれたことに感謝している。
楽・・・少々くさいセリフになるが、ボート部で過ごしたすべての時間が楽しかった。冬練やきつい練習メニュー、レギュラー争いなど、どうして部活をしてるのか悩む時期もあったが、ここまでやり通して本当に良かったと思う。根性論はあまり好きではないが、頑張ることややり遂げることに多少なりとも意味はあるのだと思った。
勉強編 勉強に関しては、可もなく、不可もなく、と言ったら誰かに怒られてしまいそうだが、大きい後悔もなければ、胸をはれるものも無いといった具合である。
喜・・・先述したように、部活に追われていた私は3年生の前期終了時点で80単位ほどしかなく、就活のことも考えるとなかなかに厳しい状況であったが、後期の頑張りでなんとか持ち直せたときは嬉しかった。いや、安心したという方がしっくりくるが。
怒・・・うーん。勉強で怒ることなどまずないので、逆に怒られたことを書こうと思ったが、このようなオープンな場所では関係者各位にご迷惑をかけかねないので、書きはしないが池田君や黒木君には思い当たる節があるかもしれない。
哀・・・忘れもしない1年生の前期にとっていた「哲学概論」である。哲学の「て」の字も分からないまま、授業が進んでいきあっという間に「不可」をくらった思い出がある。大学とは、かくもシビアな場所なのかと思ったが、のちに担当教官がシビアだったのだと分かり、少し安堵した。
楽・・・楽しかったと言えば、心理学コースでの飲み会である。コロナ以前は実験準備室で不定期開催されていたものだが、先生と生徒で同じ卓を囲み談笑する経験はとても新鮮でたのしかった。以前、飲み会の席で、チーズジャンキーY村先生に「先生ってどれくらいチーズ好きなんですか?」と尋ねたところ、5秒ほど考えて「果てしなく・・・ですね」とお答えいただいた時は腹がちぎれるかと思った。それからの黒木君と池田君は、暇さえあればY村先生のチーズ談義で盛り上がり、チーズが切れたら暴走するだの、液体状のチーズを静脈注射するだの、チーズを炙って鼻から吸引するだの、ありもしない作り話を喋っては楽しそうにしていた。僕には何が面白いのかさっぱりだった。本当に無礼な連中である。
その他 ここにはバイトや、普段の生活、など書いていこうと思う。
喜・・・1年生の夏から、小料理屋でバイトをしているのだが、そこの賄いで一度「のどぐろ」という高級魚を頂いたことがあったのだが、これが僕の初のどぐろであり、恐らく、しばらくは更新されない「人生で一番美味しかったもの」である。ほっぺが落ちるほどとはよく言うが、顎が外れるかというくらい旨かった。お金に余裕がある人は一度食べてみてほしい。生き物の油というものが、こんなに旨いのかと驚く。もっとお金に余裕がある人は、僕にのどぐろを食べさせてください。お願いします。
怒・・・本当に普段からあまり怒らないので、また怒られたことでも書こうと思う。怒られたというより、笑い話に近いが、先述したバイト先で、閉店の作業をしていた時の話である。その時僕は、ビールサーバーの掃除を行っていた。シンプルに述べると、圧力のスイッチを押し間違えて、隣にいた女将さんのこめかみ目掛けて高圧力のビールを発射したのだ。プロのボクサーや、一流の野球選手、剣道の達人などは極度の緊張と集中の中で、1秒を何十秒にも圧縮したような時間の流れを経験するという。さて、この不本意なるシャンパンファイトもといビールファイトにおいて私はその刹那の経験を得た。圧力から解放されるように放たれた黄金の液体は、まさしく女将さんのこめかみを狙っていた。私が声をあげるのと、女将さんが声をあげるのはほとんど一緒だった。気がつくとビールまみれになった女将さんが出来上がっていた。女将さんもマスターも怒るというより、その稀有な経験に豆鉄砲を喰らったような感じだった。まあ、喰らったのはビールなんですけどね?結局のところ、この事件は店での鉄板トークとなったので女将さんもビールも、そして何より私も報われる結果となった。めでたし。めでたし。
哀・・・悲しかったこと、というよりは悲しいことだが、この楽しかった大学生活も終わりかと思うと、とても悲しい。「若さ」と「時間」という、この先の人生において二度と両手に抱えることはできないものを今まさに手放そうとしている。後悔するようなことはないが、それでもこの生活に別れが来るのは名残惜しい。6畳の部屋に染み付いた青春の染みも引っ越しと同時に綺麗に無くなってしまうのかと思うと、明け渡したくすらない。だが、それほどに大学を謳歌できことも同じくらいに喜ばしいことだったのだ。
楽・・・先の哀で少し感傷的になってしまったので、最後は明るく締めたいと思う。楽しかったのは勿論大学生活全てであるが、大学生の間でしかできないような(基本的に馬鹿なこと)をできたのが楽しかった。自転車で長崎まで行ったり、徹夜で麻雀したり、部活に熱中したり、弾丸旅行したり、1日中ビリヤードしたり、市内の唐揚げ屋を巡ったり、朝日を見るために真冬に山に登ったり、星を見ながら車の上で寝たり、、、etc. 後先考えずに動くのが僕の悪い癖だが、こと大学生活においてはそのおかげでいろいろな経験ができた。社会人になったら、時間も無限ではないのだろうから、気を引き締めて考えて動けるようになりたい。
追伸
心理学コースの寺本先生・安村先生には勿論のこと、そのほか大勢の方のご尽力の下に大学を全うすることができました。
ありがとうございました。
ムカイナカノコウタ