文学部通信第15号
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Newsletter, Faculty of Letters, Kumamoto UniversityNewsletter, Faculty of Letters, Kumamoto University不易流行+2015年度の教務委員会について2015年度の学生支援委員会を振り返って平成27年度 新任教員の紹介文学部~この1年~ 総合人間学科/歴史学科 文学科/コミュニケーション情報学科留学体験記インターンシップに参加して第12回21世紀文学部フォーラムの報告平成27年度オープンキャンパス永青文庫研究センター活動報告平成27年度熊本大学文学会活動報告・・・・・・・・・・・・・・1・・・・・2・・2・・・・・・2・・・・・・・・・3~6 ・・・・・・・・・・・・・・7・・・・・・・7・・8・・・・・8・・・・・8・・・8目 次熊本大学文学部ニューズレター 第15号 2016年3月1日発行熊本大学文学部ニューズレター 第15号 2016年3月1日発行 大学は現在、転換期にあります。熊本大学も平成16年に法人化され、国立大学法人となって既に12年が過ぎました。6年を単位として立案する経営戦略・計画である「中期目標・中期計画」も、平成28年度から第3期(平成33年度まで)を迎えます。それまでの2期の成果及び「ミッション再定義」を踏まえ、それぞれの大学・学部が存在意義を再検討し、特色・特長を活かす形での組織改革を強力に進めることが期待されています。一方で、財政状況は厳しく、予算の削減が続いています。必然的に大学経営は非常に厳しく、「回すのがやっと」というのが実情です。教育研究費等の削減は既に限界に達し、人員削減も避けられないという状況にあります。厳しい経営環境の中、急速に進むグローバル化に向けて、特に人文系学部は「どう生き残るか」が問われています。 熊本大学文学部は「ミッション再定義」でもその取り組みと実績が文部科学省から評価されたこともあり、第3期中は「不易流行」を基本方針とし、進めてきた戦略的方向性の強化・拡張に取り組んでいくつもりです。グローバルを志向しつつ、地域のためになる大学として、変えるべきものは変えるが、五高以来の伝統に沿って「社会を支える有為な人材の育成」という根幹は押さえておく。そのためにも大事になるのは、組織(連携)力の強化と、「学生のためを第一に考えられる」組織貢献度の高い人材の確保です。 現在、研究組織力の確保と教育の自由度の向上を目的に、平成29年度を目途に人文系の4つの部局(文学部、法学部、大学院社会文化科学研究科、同法曹養成研究科)の統合・再編に取り組んでいます。 組織再編を進める一方で、教育と研究、社会貢献という大学の社会的使命の三本柱の一つである研究で重要になるのが、教員間連携の強化と組織化です。文学部には関連する全学センターとして既に五高記念館と埋蔵文化財調査センターがあるだけでなく、現在、熊本大学及び熊本関連の史資料等を体系的に集積・利活用できるようにするため「熊本大学文書館(仮称)」も設立準備中です。五高記念館には来熊120年及び生誕150年を迎える夏目漱石関連資料の体系的整理と研究が国内外から強く求められています。文書館についても資料の寄託・寄贈等の問い合わせが増えています。また、文学部附属永青文庫研究センターは長年の研究が稔り平成27年度に「総目録」の完成にこぎつけ、平成29年度からは更なる深化・発展のため全学センターに移行します。これら全国的にも知名度の高い学内センターと連携し、第3期中は「大学としてしかできない」史資料学研究の共通基盤としてのデータベース構築を推し進めていきます。 教育についても、幅広くかつしっかりとした教養と深い専門性に裏打ちされたグローバル人材の育成に向け、大学全体として進めている2つの共通基盤教育組織(「大学教育統括管理センター(仮称)」とグローバル教育カレッジ)と密接に連携し、教育体制の再編も念頭に分野の垣根を超えた連携を強化し、社会ニーズへの適応性を高めていきます。 加えて、同窓会や関連企業・団体等の連携は今後さらに重要になってきます。例えば、大学のブランド資産でもある五高記念館の耐震改修、「国宝級」史資料を保有する永青文庫研究センターの施設整備など、多額の資金を必要とする事業が数多くあるのですが、財政は逼迫しており、「寄付をお願いするしかない」というのが実状です。「サポーター」として同窓会や関連企業・団体等に協力・支援していただけるよう、これまで以上に連携を強めさせていただければと思っています。 最後になりますが、組織(連携)力を着実に強化する上で重要になるのが、人材の確保です。平成27年度も、総合人間学科に2名、歴史学科に2名、教育研究力だけでなく、組織貢献度の非常に高い教員を採用することができました。今後も、教育研究業績はもちろん、相談しやすく親身になってくれそうか、学生のためを第一に考えてくれそうか、今後の大学・学部経営を先導してくれそうかなども多面的に評価し、優秀な人材の確保に力を入れていきます。 今後とも学生や教員だけでなく、卒業生や保護者等のサポーターの方々と協力・連携し、熊本大学文学部を有為な人材の育成機関として共に創っていくつもりですので、協力と支援をお願いいたします。不易流行+文学部長 水元 豊文文学部通信 第15号1

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