文学部通信12号
2/8

2013年3月22日発行 教務委員会は、正副委員長の他、各学科から選出された4名の委員が、3名の教務担当職員と連携して、教務全般について学生をサポートしています。 平成24年度の教務委員会では、通常の教務関係の仕事に加えて、二つの大きな課題がありました。一つは教職課程関係です。教務委員会が教職課程委員会と連携して、「教職履修カルテシステム」を稼働させ、さらに「教職実践演習」(H25年度4年生から実施)の実施準備を行いました。 もう一つは、H25年度から導入される「日本語教育課程」の 学生生活の支援全般に関わる学生委員会・進路支援委員の委員として二年目です。この仕事に就く前は、漠然と「文学部だと就職には不利かも」と感じていましたが、進路状況調査で学部全体の動向をみるようになって、今の時代、大手企業の総合職など学部不問・男女不問の就職活動でうまくいっている学生も多いことを知りました。大学全体としても学部としても、専門職の就職指導職員(非常勤を含む)が配置され、内定が取れていない学生を支援し、進路が決まらないまま卒業する学生を減らす体制を整えつつあります。 その中で我々教員の側で考えなければいけないのが、卒業後の進路決定に踏み出せない学生の背中をどうやって押してやるか、ということです。文学部の教員構成も変わってきたとはいえ、学部から就職活動を経験せずに研究一本でやってきた教員がまだ多カリキュラム策定です。これは、日本語教育及びその関連分野に関する基礎的な知識や技能を身に付けるための課程(副専攻レベル)です。 文学部では平成22年度に「幅広く豊かな教養と人文・社会科学に関する確かな専門的知識を有し、創造的知性を持って自らの課題を発見し解決する実践的な能力および21世紀を生きる人間に必要なグローバルな視野と市民的公共心を備え、社会に講演できる人材を育成します。」という新しい教育目標を定めました。こうした目標を達成できるように、教務委員会では、教員と職員が一丸となって様々な事柄に対応しています。教務に関して疑問や不安があれば、いつでもご相談ください。く、適切な助言ができない場合もままあります。進学志向の学生の多い研究室にいて、就職のために動き出すタイミングがつかめない学生もいます。そんなことが「就職に不利」という評価につながっているのかもしれません。 そういった反省から、新カリキュラムに2年生の段階でのキャリア支援科目を導入することになり、今年は旧カリキュラムの枠内で試行しています。教員の家庭に育ち、学校でも家庭でも教員ばかりを見て過ごし、それ以外の仕事の具体的なイメージがもてないまま自分も教員になってしまった私自身を反面教師として、実際に企業で働いている方をお招きして、時間いっぱい具体的な「仕事」の話をしていただこう、という授業です。卒業後3年目の方から上場企業のトップまで、さまざまなお立場のお話を、2年生に交じって拝聴しています。「いつも志をもって生きること」「変化に対応できる柔軟さをもつこと」といった第一線の方からの具体的な事例をまじえてのアドバイスが心に響いています。 来年度からは、企業就職以外の進路にも広げていく予定です。文学部教務委員会 委員長 田中 朋弘 文学部学生支援委員会 委員長 児玉 望 大阪・堺から10年半ぶりに戻ってきました。 ヨーロッパ近現代思想史、とりわけD. H. ロレンスを中心に20世紀前半のイギリス・モダニズム文化・思想を研究しています。ロレンスは性の問題を扱ったために物議をかもし一躍有名になりましたが、当時の様々な社会的言説に敏感に反応しつつグローバルな旅を展開した作家、という新たなロレンス像を打ち出そうと試みてきました。 モダニズム文化・思想に接していると、現代のポストモダニズムの特徴を無表情なパロディとしての「パスティシュ」とする議論が説得力を持つように思われてきます。二つの大戦を経験した文字通り激動の時代における過激かつ独創的な著作群から得られる刺激や教訓を学生の皆さんと共有していきたいと考えています。 2012年4月に着任しました多田です。社会学を専門に研究しています。とくに、格差やナショナリズムといった社会問題や社会現象を手がかりに、いまの社会がどのように成り立っていて、またどう変化しているのかを明らかにすることが課題です。私自身、東日本大震災を東京で体験しましたが、原発事故や大規模デモなどの関連するさまざまな出来事からも明らかなように、日本社会はいま激しく揺れ動いています。政治や経済はもちろん、家族、教育、労働など、個人の日常生活に密着した領域も例外ではありません。熊大生の皆さんが、いま自分たちがどんな時代に生きているのかについて理解を深め、たくましく生き抜いていくための知的体力を身につけられるような教育を心がけたいと思っています。 2012年後期に着任した平野順也です。それまで少しの間ですが石川県金沢市に住んでおりました。11月にもなると霰が毎日のようにふり、12月には町中が雪に覆われます。3月ぐらいまで長靴がないと外はあるけないような街から、火の国熊本へやってまいりました。高校の 時、夏目漱石を読み漁った思い出がありますが、キャンパスにある漱石像前を畏敬の念を抱かず通ることはできません。専門はコミュニケーション学で特に修辞学を研究しております。文学部ではコミュニケーション論そして実践英語を担当しています。夏目金之助のように 何を教えるにしても皆さんの心に響くような授業であるように努力したいと思います。■ 新井 英永 教授歴史学科■ 多田 光宏 准教授総合人間学科■ 平野 順也 准教授 コミュニケーション情報学科22012年度の教務委員会について2012年度の教務委員会について平成24年度 新任教員の紹介志がありますか志がありますか平成24年度 新任教員の紹介

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です