文学部通信11号
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文学部 ~この1年~文学部 ~この1年~2012年3月24日発行■アジア史学 新2年生5名と新大学院生1名(中国山西省出身の留学生)を迎え、教員2名を含めて総勢15名で研究室を運営しています。人数はこじんまりしていますが、元気一杯です。10月の歴史学科対抗ソフトボール大会では、全学年が結束して全勝優勝を果たしました。 研究の面でも元気旺盛です。9月には,伊藤正彦先生の科学研究費のプロジェクトで国際シンポジウム「安徽省博物館蔵『万暦27都5図黄冊底籍』の世界」を開催し、国内外の著名な中国経済史研究者が集いました(これは文学部附設永青文庫研究センターの国際シンポとして開催されました)。学生・院生・OBも参加し、大きな刺激を受けました。足立啓二先生は,長年の研究成果をまとめ、『明清中国の経済構造』(汲古書院)を出版されました。中国近世の社会経済史を学ぶ者には必携の書です。 9月には、佛教大学の宮澤知之先生の集中講義で中国古代・中世の貨幣史を体系的に学ぶとともに、天草の上津浦の民宿で研究室合宿を開き、学年を越えて懇親を深めました。■考古学 2011年4月、小畑弘己教授が考古学研究室の教育スタッフとして着任され、教員3名による研究室の体制が復活しました。小畑教授は、アジアの穀物栽培の起源について、先端技術をも駆使して学際的に研究している第一線の考古学者です。学生は、進級した2年生8名(中国人留学生1名)と入学した修士過程1年生2名(社会人1名)が加わり、3年生7名、4年生7名、修士課程2年生1名、博士課程3年生1名、これに研究生1名(社会人)が入って総勢30名の研究室となりました。男性15名・女性15名、留学生から社会人まで、にぎやかなメンバーです。昨年大移動した図書が文学部の図書室に納まり、その目録作成の作業が実質的な今年度の幕開けでした。九州各県・外国関係の報告書や図書は、考古学資料室にまとめたので、レポートや論文作成に、学生は資料室を使用することが多くなりました。9月日上旬、ナガラ原東貝塚の発掘調査を実施しました。天候に恵まれたお陰で8年にわたる調査はようやく終了しました。その実習の様子は大学の広報番組に収録され、大学のHPで公開されています。9月下旬、鹿児島大学の新田栄治教授による東南アジアの考古学の集中講義がありました。11月、杉井助教授による阿蘇の古墳測量調査が始まり、電子平板をつかった新たな試みがなされて、学生は地形測量の技術をみっちりたたき込まれました。今後も教員のチームプレーにより、考古学研究室の教育と学問のますますの充実をはかってゆきます。■西洋史 今年度は、8名の新2年生ならびに2名の新大学院生が加わり、西洋史研究室も、総勢30名の大所帯となりました。とくに2年生は、研究室の行事にフル出場で参加するほど元気いっぱいで、これからそのエネルギーがどんなふうに発揮されていくのか、とても楽しみです。恒例のソフトボール大会は、残念ながら3位に終わりましたが、福岡からOBが駆けつけてくれたり、2年生の女子もスタメンで奮闘するなど、西洋史のモットーである全員野球でがんばりました!菊池での夏合宿では、地元の若者と一緒につり橋からのジャンプ大会に燃えました。とくに、つり橋の高さに全く尻込みせず、西洋史の女性陣が次々と見事なダイブを展開すると、ギャラリーから大歓声が上がりました!夜は、遠くは大分からOBが大勢かけつけてくれて、温泉&バーベキューで盛り上がり、その盛り上がりは夜通し続いたようです。このように、2年生からOBまで縦のつながりができたことは、今年の西洋史研究室の良さであると思います。また、年明け3月には、こちらも恒例の西洋史研究室海外研修旅行が行われます。今回は、ベルギーを中心に、ヨーロッパ中世都市を堪能してきます!勉強の面でも、3年生は課題研究に、4年生は卒業論文に1年間取り組んできました。その成果は、『西洋史研究室年報 第13号』に綴られる予定です。また2月に、ミズーリ大学で約8ヶ月間の在外研究に従事するため、三瓶先生がアメリカに出発しました。■日本史学 本年度は学部2年生8名、同3年次編入生1名、そして大学院生2名を加え、3名の教員とともに総勢39名で研究室を運営しました。2010年11月に病気で休職に入った稲葉教員は、本年度当初には無事に復職し、2年生は4月から早速、稲葉教員の担当する中世史料演習で荘園や戦国大名の古文書を解読する手ほどきを受けました。さらに10月からは三澤教員の演習で、大久保利通日記と格闘しています。3年生は吉村教員の百姓一揆史料の演習と、熊本学園大学から出講されている小川教員の中世古文書学演習で鍛えられるとともに、卒業論文に向けての課題研究に取り組みました。また夏季集中の古文書実習では熊本県立玉名高校の所蔵文書等の目録と報告書を作成する作業を通じて、歴史資料群の調査・活用を実地に学びました。4年生は、これらすべての学びを基礎に、卒論の執筆に集中し、1月に13本の卒論が提出されました。 このように日本史学研究室の3年間は、学生が歴史の「書き手」となるために必要な史料解読及び史料群の解析技術を習得する課程となっているところに特色があります。 その他にも、春の2年生歓迎遠足、夏休みの自主合宿、自主研究会など、学生たちは正規のゼミや講義の他にも熱心な活動を展開しました。■文化史学 2011年度は、新たに2年生7人が研究室の仲間入りをしました。3年生が11人、4年生が6人、大学院生が4人と、全部で28人になりました。4月には恒例の新2年生歓迎コンパ。5月の研究室対抗ソフトボール大会では、連続優勝を狙いましたが、惜しくも3位に終わりました。9月には夏合宿の予定でしたが、場所が取れずに中止。大学の教室を使って2日間連続で集中課研を行いました。11月には山形の芋煮会、12月にはキリタンポ鍋と、研究室恒例の行事をみんなで楽しみました。学生が自主的に決定している課研のテーマは「権力」。ナチスドイツやファシズム期日本の映画統制など、様々な「権力」にそれぞれの視角からアプローチしてレポートをまとめました。演習では、小松先生の専門の田中正造をとりあげ、バトル形式で史料の読みの深さを競い合いました。小松先生は、9月に『真の文明は人を殺さず』を小学館から刊行。足尾銅山鉱毒事件と福島原発事故に共通した構図を明らかにしました。12月4日のTBS系の「サンデーモーニング」、1月22日のNHK・Eテレなど、マスメディアにも頻繁に登場しました。4月にはヨーロッパ近代思想史を担当する先生をお迎えしますので、約6年ものあいだ一人で指導していた小松先生もほっとしています。4▲ ナガラ原東貝塚の発掘調査実習(2011年9月6日)▲ 恒例のキリタンポ鍋▲ ソフトボール大会(2011年10月2日)▲ 夏合宿 in 菊地・水の駅▲ 遠足 阿蘇神社で集合写真歴史学科

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