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工場見学(サントリー九州熊本工場)に行きました.

 研究室有志で,上益城郡嘉島町にあるサントリー九州熊本工場を見学しました.

 人文地理学Ⅰ(鹿嶋担当)の中で産業立地論を扱っていますが,その一例としてビール工場の立地を取り上げていますので,その一環として(?),工場見学に行くことになりました.

 工業立地論では,原料の輸送費と製品の輸送費を考慮して,総輸送費が最小になる地点に立地するという大原則があります.ビールの原料には麦芽,ホップ,水などですが,水が最も重く,多くの輸送費がかかります.しかし日本ではたいていの場所で水を入手可能で,よそから運搬する必要がありません.サントリー工場でも阿蘇外輪山で育まれた豊富で良質の地下水を利用しています.水以外の麦芽やホップは国内外から運んできますが,重量的には水に比べると圧倒的に少ないので,輸送費も少なくて済みます.

 一方,製品であるビールは非常に重く,輸送費が多くかかります.原料の輸送費に比べて製品の輸送費の方が非常に高くつくので,ビール工場は製品輸送費をなるべく安くする必要があります.そこで,ビールが大量に消費される(つまり人口の多い)大都市周辺にビール工場を立地するのが有利となります.実際,ビール大手4社の分布を見ると,東京,大阪,名古屋,福岡などの大都市の周辺に多く立地しています.

 最近では高速道路網の整備もあり,大都市からやや分散傾向にあります.九州ではキリン(福岡県朝倉市),サッポロ(大分県日田市),サントリー(熊本県嘉島町),アサヒ(福岡市博多区)の4工場がありますが,最初の3つは九州全域への輸送を考慮して,福岡市からやや南に立地したものと思われます.

 ともあれ,ビール工場の立地を五感で(とくに舌で)実感することができました.

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