哲学概論(平成17年度前期)
第1回(4月12日)
人間性の起源とアクラシア(意志の弱さ)という主題について。
理性的存在としての人間と、人間の不合理性及び弱さの源泉。
第2回(4月19日)
何のために、なぜ、哲学はあるのか、哲学とは何か。
なぜ、何のために、私たちは考えるのか。
よりよいということがなければ考える必要はないであろう。
哲学の中心問題は、なぜ、「言語」と「行為」なのか。
第3回(4月26日)
「はじめに行為があった」とするウィトゲンシュタインの考え方。
行為の延長としての言語という考え方について。
意図的に行為する能力とアクラシア。
アクラシア(意志の弱さあるいは無抑制)とはどのようなことか。
第4回(5月10日)
動物の行動と人間の行為の連続と不連続について。
自然的制約のもとにある動物の生命活動。
自然的制約の解消と、自由な価値の追求としての人間の行為。
相対的価値と絶対的価値について。
第5回(5月17日)
記号学習の困難(類人猿と幼児の言語習得の比較)。
複雑な社会を構成する能力と言語能力。
言語の発達は一世代で可能。
社会的圧力(あるいは社会的必要性)の存在が重要。
第6回(5月24日)
言語の発達(幼児の言語習得と社会性の獲得)。
学習しやすい言語が生き残る。
単純な規則から複雑な規則へ。
規則づくりを制約する正しさの源泉。
第7回(5月31日)
言語使用の起源、あるいは象徴の爆発と人間性の起源について。
ヒトから人間になった、そのなり方。
儀式、制度と言語を含む象徴的表現の発生。
人間性の萌芽と理性的能力の起源。
第8回(6月7日)
感情と理性という問題。
小集団社会における感情の役割について。
集団の生き残り戦略としての感情システムという考え方。
第9回(6月14日)
感情とは何か、感情の起源と役割について。
本能的行動から感情的行動へ、そして人間の行為へ。
不合理性と愚かさの源泉について。
第10回(6月21日)
アクラシアの定義、アクラシアの特徴について。
アクラシアを克服する条件。
人間の自然と、如何にしてアクラシアは起こるかという問題。
第11回(6月28日)
こころの働き・機能について。
行為の原因としてのこころの働き。
能力・可能性としての身体と生命活動の現実性そのものとしての行為。
第12回(7月5日)
行為の目的と合理性の要求。
合理性の要求はどこから来るのか。
人間は、どういう意味で、理性的存在であるのか。
第13回(7月12日)
人間の不合理性と愚かさ、弱さの源泉について。
合理性の能力の規範的性格について。
意図的に、目的の実現を目指して行為する能力として合理性の能力。