生命と価値(平成17年度後期)


第1回(10月7日)
授業の主題と構成。
人間性と価値の起源という主題について。人間性とは何かという問題について。

第2回(10月14日)
象徴の爆発と人間性の起源。
人間に特有の高度な計画性・社会性と理性的推論能力の発達。
他方で、なぜ知性的能力は発達したか。
道具を作る能力と他人の心を読む能力。

第3回(10月21日)
言語の起源と言語習得の困難について。
なぜ記号学習は困難か。なぜ幼児期が重要か。
儀式の必要性と言語の発達について。
共通の認識を持つことと規則に従うことの重要性。

第4回(10月28日)
言語の歴史について。言語は偶然の産物。
象徴の爆発の時期について。洞窟の壁画の失われた意味。
集団間の交流と大集団化の時期。
理性的能力の必要性。感情と欲求のシステム全体の変容。

第5回(11月4日)
感情の起源と発達。なぜ脳は大きくなったか。
集団を作る能力。自然の戦略としての社会性について。
小集団社会の起源。認識能力の発達と技術的知識の獲得。
行為の原因としてのこころという仕組みについて。

第6回(11月11日)
こころの働きについて。行為の選択装置としてのこころ。
なぜ行為が問題か。再び、計画性と社会性について。
ウィリアムズ症候群と自閉症。
動物の行動と自然的制約について。自由な価値と目的の追求としての人間の行為。

第7回(11月18日)
動物の行動と人間の行為の連続と不連続。
ホモ・サピエンスという種の保存と継承、人間という種の保存と継承。
合理性の要求はどこから来るか。不合理性と愚かさの起源について。

第8回(11月25日)
進化の仕組みについて。進化は偶然の積み重ねとするDawkinsの考え方。
コウモリのSONARシステムについて。
科学と自然言語。行為の拡張としての言語という考え方について。

第9回(12月2日)
再び、動物と人間の違いについて。相対的価値と絶対的価値。
価値の起源と言語の構造という問題。
行為と出来事(の記述)に対する態度。行為の目的について。

第10回(12月9日)
価値の起源という問題。再び、行為の目的について。
「なぜ」「何のために」という問いと、科学と哲学と宗教。
考えることと合理性の要求について。

第11回(12月16日)
(幼児の成長の記録。)
行為の目的に関するプラトンの考え方。
合理性の能力の不変性と可変性。不合理性・愚かさ・弱さについて。

第12回(1月13日)
進化の考え方と理性的存在としての人間について。
再び、行為の拡張としての言語について。
そして、自発的能力としての合理性の能力について。

第13回(1月27日)
言語と合理性。言語の多様性と可変性・修正可能性。
最後に、合理性の能力の規範的性格について。
まとめと課題。