
この本に関わった教員
久保田 慎二
Shinji KUBOTA
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中国文明起源の考古学
ひとこと紹介
本書は、紀元前2000年紀前半に成立する中国文明が、いかなる過程を経て出現に至ったのかについて、最新の研究成果から明らかにするものである。
この問題を解く鍵となる新石器時代後期~末期の良渚文化や陶寺文化、石峁文化、さらに中国文明出現期の考古学文化である二里頭文化や殷文化に関する分析を中心に内容が構成される。計23名の第一線で活躍する日本と中国の専門家が寄稿した、これまでにない規模の中国文明起源解明に向けた総合的な研究書である。
主要目次
- 1 稲作と文明形成
- 環境変化・集落形態・生業方式・文明化過程―田螺山遺跡・井頭山遺跡と日本東名遺跡との比較と考察
- 湿地稲作農業社会の発生と文明の形成―1万年前の上山から5千年前の良渚を例に
- 浙江省嘉興地域における先史考古学の概要
- 良渚文化の生業モデルと稲作農業
- 「破土器」とは何か―畦切り鎌からのアプローチ
- 北タイ山地民のウルチ米蒸し調理における二度蒸し法と茹で蒸し法の選択
- 2 良渚文化とその周辺
- 良渚文化と良渚古城
- 良渚考古学における衛星リモートセンシングとGIS技術の応用過程および現状
- 琮を考える
- 東南中国貝塚社会と良渚文化
- 錯綜する文化―前3千年紀の東南中国
- 3 地方文明から中国文明へ
- 長江中流域の新石器時代晩期における玉器の生産と流通
- 陶寺遺跡M2172号墓の「東方文化要素」
- 土器からみた陶寺文化と石昭文化の関係
- 「簧」を説く―中国における初期口琴の発見と研究
- 蘆山昭遺跡出土瓦からみた新石器時代における瓦生産とその使用
- 徳字の遡源と堯舜文徳の含意に関する探索
- 「分」と「合」―三星堆文化命名に関する再考
- 殷墟大司空村遺跡303号墓の墓制についての一考察
- 4 歴史考古学の諸相
- 古代紹興周辺の水利施設と土地利用―歴史史料とGISの統合的活用―
- 北魏爾朱氏の発祥地及びその封地についての考察
- 遼墓の懸鏡葬俗に関する研究
- 衝突と共生―中国大遺跡保存における地域住民の研究
※ 詳細な目次は出版社のページでご確認ください。