近世領国社会形成史論

この本に関わった教員

稲葉 継陽

Tsuguharu INABA

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近世領国社会形成史論

著者・編者
稲葉継陽(著)
出版社
吉川弘文館
発行年月
2024年3月
ISBN
978-4-642-04360-1
本学所蔵
あり
  • 歴史学
  • 日本史学

ひとこと紹介

 近世大名領国支配の体系=藩政が確立する過程(16-17世紀)を民衆支配・地域支配の観点から明確化するためにまとめた論文集です。2022年までに発表した論文12本をもって、第I部「領国社会の形成」、第II部「統治の展開」の2部に編集し、冒頭に「領国社会形成史序説」を書き下ろして、研究史上への本書の位置づけを示しました。

 戦国時代の自治的な住民コミュニティが大名領国の展開をどう決定づけたのか。主に熊本藩細川家を例に、百姓身分の特質、村請制、城割、中間行政機構、境目地域、郡奉行の行政権、諫言、「御国家」などを論点に追究しました。本書の内容は文学部での講義に反映していきます。

主要目次

  • 領国社会形成史序説
  • 第I部 領国社会の形成
    • 第一章 中世的計量から近世的計量へ
    • 補論一 戦国期の土地所有
    • 第二章 明智領国の形成と歴史的位置
    • 第三章 九州中部における村共同体の形成―百姓板碑をもとに
    • 第四章 慶長期諸国城割と地域社会
    • 補論二 戦国期地域社会から近世中間行政区へ
  • 第II部 統治の展開
    • 第一章 寛永期領国境目地域における庄屋と百姓鉄炮
    • 第二章 初期大名領国における知行制と村請制―寛永一三年熊本藩郡方改革をめぐって
    • 第三章 寛永期における給人地支配の危機と統制
    • 第四章 熊本藩「御国家」の形成―元和・寛永期の家臣団起請文から
    • 補論 松井興長の諫言―その論理と役割
  • 終章 近世初期における百姓の法的地位と村共同体―島原・天草一揆後の地域復興をめぐって

※ 詳細な目次は出版社のページでご確認ください。