
この本に関わった教員
伊藤 正彦
Masahiko ITOH
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中国江南郷村社会の原型
明代賦役黄冊・魚鱗図冊文書の研究
ひとこと紹介
110戸+α戸の戸数原則で組織された明朝国家の統一的人民編成=里甲制のもとで作製された賦役黄冊(戸籍兼租税・徭役台帳)と魚鱗図冊(土地台帳)。賦役黄冊・魚鱗図冊はすべての世界史の教科書に記述されていますが,一つの里(=図。図は里の別称)全体の賦役黄冊・魚鱗図冊の記載内容が残るのは,休寧県27都5図(現在の安徽省黄山市休寧県陳霞郷陳霞村)のみです。
賦役黄冊・魚鱗図冊の記載内容等を活用して,明末万暦年間の休寧県27都5図所属人戸の実態をかつてない実証水準で明らかにします。資料篇には,閲覧困難な安徽博物院蔵『万暦27都5図黄冊底籍』の記載データを収めています。資料篇だけでも手にとってみてください。明朝国家が詳細に人民と所有地を把握していたことにきっと驚かれるはずです。
主要目次
- 【研究篇】
- 緒論 明代鄕村社会史研究の課題
- 第1章 『黄册底籍』と『丈量保簿』
- 第2章 階層構成
- 第3章 有力氏族
- 第4章 租佃關係
- 第5章 事産賣買の頻度と所有事産の變動
- 第6章 所有事産の分布と娶妻の範圍―生活圏
- 終章 「伝統社会」形成論 「近世化」論と「唐宋変革」
- 【資料篇】
※ 詳細な目次は出版社のページでご確認ください。