文学部通信17号
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2018年3月1日発行研究推進・地域連携委員会 委員長 伊藤 正彦  2017年11月11日(土)13:30~16:30に文学部1階A-3教室で第14回21世紀文学部フォーラムを開催しました。今回は「言語・文化へのアクセスと心の現れを探る」をテーマに、文学科比較文学の松岡浩史准教授とコミュニケーション情報学科英語教育学の折田充教授が取り組んでいる研究の成果を報告しました。司会は、文学科の児玉望教授に務めていただきました。 松岡准教授は、「シェイクスピアにおける錬金術の表象研究」と題して報告し、弘前大学人文学部専任講師の土井雅之氏からコメントをいただきました。折田教授は、「頭の中の『英語辞書』の研究」と題して報告し、福岡教育大学教育学部教授の森千鶴氏にコメントをいただきました。 今回は50名を超える参加があり、近年で最も多い参加者数となりました。市民の方だけでなく、松岡准教授・折田教授の所属学科の教員・学生も多く参加しており、同僚の教員の研究内容を理解する非常に良い機会となりました。ピア・レビューとしても大きな成功を収めたといえます。 報告を担当してくださった松岡准教授・折田教授には、企画の構想段階からもご尽力いただきました。この場を借りてお二人に厚くお礼申し上げます。 広報・情報化推進委員会 委員長 児玉 望  今年度の熊本大学のオープンキャンパスは、8月5日土曜日に開催されました。地震で中止された昨年度を挟んで2年ぶりです。従来団体用のバス駐車場にしている黒髪南キャンパスで復旧工事が行われているため貸切バスでの参加をできるだけご遠慮いただく形での開催となりました。 研究室訪問と学科ごとの模擬授業をできるだけ同時進行で開催することとし、学科ごとの説明会に代わって、学部長挨拶と放送部の学生に協力していただいて学部紹介をあらかじめ収録し、模擬授業各教室で共通に映写する、という形にして参加者のスムーズな分散を図りました。2年前と同規模の参加者となりましたが、大きな混乱もなく会場を自由に動いてもらえたかと思います。ただし、土曜日ということもあり保護者のご参加が多く、保護者向けの説明会は予定した会場ではぎっしり立ち見という状態になりました。時間を延長して学部長以下で会場に残り保護者からの個別のご質問に対応しました。 保護者の皆様の熱意に圧倒されました。高校生向け会場では、文学部の新コース策定の参考にするために参加者へのアンケートを実施しましたが、回収率も高く有意義なものとなりました。オープンキャンパスは、社会に向けて文学部の活動を伝えるだけではなく、文学部に対する社会の期待を受け取る場ともなっています。永青文庫研究センター専任准教授 今村 直樹  2017年4月1日、永青文庫研究センターは学内共同教育研究施設となり、センター長1名、専任教員1名、兼務教員3名、特別研究員1名、事務補佐員1名という新たな体制で出発した。本年度の主な活動は以下の通りである。 まず、永青文庫資料の研究では、昨年度からの地震関係資料の調査を継続し、その成果は、後藤研究員による『熊本城の被災修復と細川忠利』(熊日新書、2017年)や、熊本県立美術館との共催展覧会「震災と復興のメモリー@熊本」展(2017年4月14日~5月21日)などに結実した。また、本年度末には、初の研究紀要である『永青文庫研究』創刊号が発刊予定である。 基礎研究では、永青文庫資料中の初期藩政史料の細目録作成作業、「永青文庫資料総目録」のWeb公開に向けた準備作業を着実に進展させた。総目録のWeb公開は、本年度中に実現される予定である。 研究成果の社会への発信のため、本年度も多くの講演会・展覧会を実施した。学内共同教育研究施設化を記念した講演会「永青文庫 歴史資料研究の現在」(2017年5月13日)、熊本大学附属図書館における第33回貴重資料展「近世熊本城の被災と修復」(2017年11月3日から3日間)、公益財団法人永青文庫における平成29年度冬季展「細川家と「天下泰平」―関ヶ原からの40年―」(2017年12月9日~2018年1月28日)などである。 さらに、モスクワで開催された国際歴史会議(2017年9月27日から4日間)には、稲葉センター長が報告者として招待され、‘Popular Revolts and Violence in 16th Century Japan’の演題で報告した。本報告は、シンポジウムの総括でも高い評価を得て、研究成果の国際化に向けた重要な足掛かりとなった。 「熊本大学文学会」は、文学部における教育の充実と学術研究の促進、および文学部で学ぶ学生会員の修学環境の向上を目的とした活動を行う、教員と学生による互助組織です。現在、文学部教授会所属教員のほぼ全員と約8割の学生が加入しています。本年度に行った事業は次のとおりです。1.文学部の事業への支援文学部での研究を一般の聴衆に分かりやすく公開して地域社会に還元する「21世紀文学部フォーラム」(左上参照)の経費として、50万円を寄付しまし た。2.講演会や学術交流への支援多感覚研究会、経済地理学会、日本比較文学会、熊本大学英文学会など学生の皆さんも参加できる8件の催しに計32万円を補助しました。また、学生の企画・運営による他大学の学生との学術交流活動を支援するため「学生学術交流活動補助」を実施しています。今年度は考古学研究室や西洋史学研究室などに計12万円を補助しました。学生を主体とする学術交流活動がこの事業で活発になるよう期待します。3.就職開拓への支援「公務員試験対策講座」および「教員採用試験対策講座」を受講する学生会員を対象に、1件の受講につきそれぞれ3,000円の現金を補助しまし た。4.研修旅行への補助研究室等が行う研修旅行に参加する学生会員には、1人につき2,000円を補助しました。5.進級記念品の贈呈学生会員の4年次進級にあたり、卒業論文執筆用の図書費補助を目的に4,000円分の図書カードを記念として贈呈しました。6.学生専用複写機の維持管理法文棟内での学生専用複写機の維持管理を行っています。カラーコピーは大学周辺のコンビニエンスストアのものより安価です。1階文学部図書室内の閲覧室に設置してありますので、どうぞご利用ください。7.『文学部通信』の発行ご覧になっている『文学部通信』の作成費用、および保護者の皆さまへの発送作業とその経費は文学会が負担しています。8.卒業関連行事への補助各研究室に計12万円の現金補助をしました。9.九州北部豪雨被災者への補助事業昨年度の熊本地震の場合と同じく、文学会では今年度、昨年7月の豪雨災害で被災された文学部学生・文学部教授会所属教員への支援として現金補助を行っています。 これらの事業は、教員と学生の会費から、本会員の皆さんに直接・間接に還元されているものです。文学会ではこれからも多彩な事業をつうじて会員を支援してゆく予定です。未加入者におかれましては、ぜひともご加入をお願いいたします。発 行:熊本大学文学部/熊本大学文学会編 集:熊本大学文学部 広報・情報化推進委員会 児玉 望、佐藤岳詩、中川順子、永尾 悟、江川良裕ウェブサイト www.let.kumamoto-u.ac.jp文学部通信 第17号2018年3月1日8第14回21世紀文学部フォーラムの報告第14回21世紀文学部フォーラムの報告永青文庫研究センター活動報告2017年度オープンキャンパス永青文庫研究センター活動報告2017年度オープンキャンパス2017年度 熊本大学文学会活動報告2017年度 熊本大学文学会活動報告2017年度文学会常任理事 大辻 正晴 ▲報告する稲葉センター長(国際歴史会議)▲オープンキャンパス研究室訪問▲フォーラム会場の様子▲報告される松岡准教授

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