文学部通信17号
2/8

2018年3月1日発行 文学部教務委員会は、正副委員長のほか各学科選出の4名の委員が教務担当職員と連携して、教務全般の運営を行っています。たとえば、学生は履修登録、コース選択、卒業論文提出、単位取得、身分異動など、様々な手続きを学務情報システムや教務担当事務を通して行いますが、本委員会ではこれらの手続きのために提出された各種書類について審議します。また、教員が行う授業開講の手続きや学生への教務指導などについても、本委員会は取りまとめ・連絡などを行っています。 留学や休学をはじめとして、学生の大学内外での生活状況は多様化しており、個別に検討を要する案件が生じる場合もあります。本委員会では、学生の個別状況への配慮と規則の遵守との適正な両立 文学部学生支援委員会は、学生生活全般の支援を目的とし、各学科から選出された委員4名と委員長により構成されています。委員長の私は、全学の「学生委員会」と「進路支援委員会」の委員でもあります。 学生委員会の今年度のトピックスは防犯でした。大学全体で防犯対策を強化しつつあります。また、九州北部豪雨により被災した学生に対して熊本大学独自の奨学金給付も募りました。進路支援委員会の役割は、学生の就職や進路の決定状況を早めに把握し、進路未定の学生に対して、大学のキャリア支援課とともに手を差し伸べることです。これらを文学部の学生支援委員会委員と協力して行いました。 文学部特有の取り組みとして、2年生後期の授業「キャリア支援A」(講義題目:「仕事」を通じてライフデザインを考えよう)や、3年生を実現するために、それらの案件について時間をかけて議論をしています。 学科選出委員が学科の学生・教員に対応する一方、正副委員長は全学の教務関係の会議に出席し、全学的な議論に参加します。今年度は、来年度以降の新たな教養教育体制の導入に伴う語学教育の再編やパッケージ制度の新設などの事項について、様々な角度からの議論が行われました。また、外国に留学する学生の増加に伴い必要となる教務上の措置や、留学生の受け入れに関する事項についても、制度の見直しも含めた検討を行いました。 このように、文学部教務員会では全学的な動きに対応しつつ、文学部の教育が円滑に実施されるよう、一年を通じて教務全般について担当しています。これからも、学生にとって大学生活が実り多い学びの期間となるよう務めていきたいと考えています。前期の授業「キャリア支援B」(講義題目:仕事と自分を結びつけ、キャリアプランを考える)の開講などがあります。学生が自分の進路を人生と言う長いスパンで考えるという機会と、実践的な就活対策を講じる機会の両方を提供しています。学生は、健康や気力の充実した現時点の感覚や、テレビコマーシャルを通じた企業に対する認識で進路を決めようとする傾向があります。「キャリア支援A」では、ライフスパンで就職を考えるための基礎知識を伝えるとともに、テレビコマーシャルにあまり出ない一般消費者相手ではない企業の仕事についても伝えています。 学生時代は、生活や学習の中でトライアンドエラーが行われていて、それを通じて様々な知恵を身につけてゆく時期です。後戻りできないような失敗をしないように見守るのが当委員会の役割だと考えています。文学部教務委員会 委員長 牧野 厚史 文学部学生支援委員会 委員長 渡部 雅男  はじめまして。2017年4月より永青文庫研究センターに着任しました今村直樹です。専門分野は日本近世史・近代史です。とくに、日本近世の領主制と地域社会の関係や、明治維新期の社会経済史について、熊本・静岡・愛知などをフィールドに研究しています。熊本大学が管理する、熊本藩主細川家や筆頭家老松井家などに伝来した膨大な近世の古文書群は、全国的にも世界的にも第一級の価値を有するものです。この貴重な歴史資料の存在を、今まで以上に教育研究や社会貢献に生かしていくために、これから微力を尽くしていきたいと思います。 私の前任校は静岡大学でしたが、出身地は熊本市で、しかも熊本大学は、学部と修士課程の6年間を過ごした母校になります。細川家の古文書などにも、学部時代から慣れ親しんできました。教員として母校の教壇に立つことができる幸運に深く感謝するとともに、この幸運を掴んで離さないように、研究者としても教育者としても精進していきたいと思います。未熟者ではありますが、よろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。 はじめまして。2017年4月に着任しました西川里織です。専門は発達心理学と社会心理学です。大学院では青年期の自己概念やメンタルヘルスの国際比較をしました。近年は、幼少期の養育体験や愛着形成が精神的健康にどのように影響しているかをテーマに研究をしています。また、認知課題や遺伝子といった生物学を取り入れて、人のパーソナリティや行動が遺伝子の型によって違うのかを調べています。最近は、動物と人の絆や愛着に興味を持っており、近いうちに取り組みたいと考えています。授業ではコミュニケーションの心理学や質的インタビュー調査について講義しています。質的研究は私の専門ではないので、私自身がスウェーデンの大学で学んだことを思い出しながら試行錯誤をしているところです。それもとても新鮮です。また教養科目での英語教育にも携わっております。心理学は私たち皆にとって身近なものです。毎日の生活の中で興味のあることが次々と出てくるので、私は心理学を生涯勉強するのだろうなと思っています。興味がある人は一緒に学んでみませんか。 はじめまして。2017年4月に歴史学科の文化史研究室に着任しました鈴木啓孝といいます。専門は日本思想史、特に明治時代の日本ナショナリズムを研究してきました。文化史や思想史に特化した研究室が他の歴史系研究室から独立して設置されている文学部というのは全国的にも大変珍しく、ある意味、熊本大学文学部の特色の1つだと思います。そういう希有な環境で研究と教育に従事し、今後、日本の文化史や思想史に強い関心を寄せるたくさんの学生たちと出会えるだろうことは、私にとって望外の喜びです。 これまでの活動のフィールドは東北地方でしたが、このたび反対側の九州にやってきました。出身は静岡県の掛川市という中部地方の片田舎ですので、関東・関西の京師周辺とは縁がありませんが、これもまた楽しからずや、です。その掛川と熊本の縁といえば、江戸時代後期、肥後国益城郡の出身で掛川藩(太田氏)の藩校教授になった松崎慊堂という人物がいます。彼のような気骨ある学者にあやかりつつ、熊本大学文学部文化史研究室の伝統をしっかり守っていこうと決意を固めているところです。■ 今村 直樹 准教授■ 西川 里織 准教授■ 鈴木 啓孝 准教授永青文庫研究センターコミュニケーション情報学科歴史学科22017年度の教務委員会について2017年度の教務委員会について2017年度 新任教員の紹介2017年度 新任教員の紹介2017年度の学生支援委員会を振り返って2017年度の学生支援委員会を振り返って

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る