文学部通信13号
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■コミュニケーション情報学科 鳥居 香さん(3年) 2012年9月から1年間、韓国の東亜大学校に交換留学しました。得たものは、語学力、つながり力、振り返り力。自分自身を、そして日本のことを見つめなおす機会であったと感じます。 留学中は学部授業と留学生向けの韓国語講座に参加。学部授業では大勢の韓国人の中に1人飛び込み、常に一番前の席をキープ。初めは全く聞き取れず焦りと不安で一杯でしたが、毎回欠かさず録音し何度も聞きなおす作業を繰り返した結果、すらすらと耳に入ってくるようになりました。時には日本人としての意見を求められることもあり、片言ながらも自分自身の意見を堂々と述べることを心がけました。上級者向けの授業では時事問題や新聞記事について意見交換や討論を行ないます。国も文化も違う友人たちとの討論は意見のぶつかり合いが多いため、意見を論理的に伝えることの大切さを学びました。 半年が経過した頃にはスピーチ大会に出場。苦戦したのが発音です。日本語にはない発音がたくさんあるため、担任の先生に録音してもらい1カ月の猛特訓。大会に出場したことによって発音はもちろん多くの表現や単語を学ぶことができ、それらを自分のボキャブラリーにできたことが大きな収穫です。演劇大会の司会を任された時には、私の韓国語が認められたのだと実感し、自信にも繋がりました。 ボランティアにも参加しました。2001年に東京・新大久保駅で線路から落ちた男性を助けようとして亡くなった韓国人・李秀賢さんの思いを引継ぎ、日韓の親睦活動を行っている、「アイモ」という団体です。両国の学生が協力しながら1つのことを成し遂げるということにワクワクしましたし、外国語を使って人と「つながり」、ものごとを形にしていく喜びを感じました。 留学で得たものは語学力だけではありません。日本人として自分自身を「振り返る」力も身についた気がします。日本人であることを大切にしたいと思う気持ちが生まれました。遠慮や建前がなく自分を主張する韓国人といると、自分を表現することの大切さを痛感する反面、日本人の誠実さや礼儀正しさを再認識します。 また、韓国人は政治や歴史に関心が高く、女子大生同士の日常会話のでさえそのような話題を耳にします。「日本という国は誰が作ったの?」「ひらがなやカタカナは誰が考えたの?」。予想もしなかった質問への戸惑いと同時に、自分の国について話せないことに恥ずかしさを覚えました。私たち日本人は、なぜ自分たちを言葉で説明できないのか。自分の国についてもっと理解を深めなければと考えるようになりました。 新しい発見や出会いがあり毎日が充実していた留学生活。そこで学んだことや出会った人すべてが私の財産です。■コミュニケーション情報学科 二殿 美音さん(3年) 多様な考えに揉まれながら新しい分野に挑戦してみたい、という「野望」を抱き、2013年の3月から12月までオーストラリアのニューカッスル大学で交換留学生として過ごしました。現地オセアニアに加え、欧米、アジアなどからの感覚・思考、習慣も異なる学生や教員との議論や交流では、「マイノリティ」である日本人としていかに主張を明確にするかが常に求められました。これまで体系的に学んだことのなかった経営やビジネス分野の知識は、これまでとは違った海外に対する新しい視点やモチベーションを与えてくれました。この10ヶ月間で得たのは、知識や語学力を超える「生きる力」だったと思います。 大学には日本人も少なく、クラスもほぼ現地の学生だったため必然的にマイノリティな環境に身を置くことに。言葉や文化の壁、人種差別を経験し、初めは私生活、授業で周囲の輪に入れずにいました。「正しい英語を話せるかどうかは大切ではない。ただし、自分から行動して輪に入っていかなければ、皆は君を無知なアジア人だと評価するよ」友人の言葉をきっかけに、自ら行動し、意思を明確にするよう心掛けました。議論できるよう、予習をした上で自分の意見をもって授業に臨む。また、アジア人あるいは日本人としての意見を求められることも多かったため、議題に関して自分なら、日本人、アジア人はどう捉えるか考えながら具体事例を調べ、論理的に主張できるようにしました。この経験を通し体感したのは言葉が多少間違っていても自分の意志表示をすること、主張は論理的に行うこと、自らの行動をもって周囲に働きかけることが大事だということです。 学習面では、興味のあった国際ビジネスにおけるマネジメントや交渉学、マーケティング理論、国際コミュニケーション論を履修。プレゼンテーションやディベートが授業毎にあり苦戦しましたが、同じ年代だけでなく勤務後に通う社会人や退職後学びなおす方々とも議論を交わすことで、ものごとを多角的に捉える力やプレゼン力を養いました。また、企業の成功事例を世界中の学生達と議論しながら分析することで、ビジネスやマーケティングにおける新たな視点や、今後社会人としてグローバルに働くことのモチベーションを築くことが出来ました。 英語を学ぶことだったら日本でもできたでしょう。ただ、世界中から集まった同年代の学生と学習や生活を共にし、日々の出来事や空気感を共有することは先にも後にもないだろうと思います。異文化の中でマイノリティとして過ごす中で得たのは、自分をどのようにコントロールし、環境に適応していくかということ。また、難しい局面でも自分なりに意思表示をし、周囲に働きかけていくということです。こういったことこそが、グローバルな時代における「生きる力」であり、その力を少し手に入れられたことを実感しています。■倫理学 田邉 史帆さん(3年) 就職活動を目前に控えた3年の夏休み、私はまだ「社会に出て働いている自分の姿」をイメージできずにいました。就職活動の進め方や自分のやりたいことさえもよくわからず、漠然とした不安ばかりが大きくなっていく中で出会ったのが、NTT西日本熊本事業部でのインターンシップでした。 4日間にわたる研修では、様々な充実したカリキュラムを実施していただきましたが、なかでも特に印象深いのが、営業部の方による「リスニングゲーム」です。これは学生が2人1組で話し手と聞き手に分かれ、講義で習ったアイスブレイキングを利用しつつ、相手の本音を聞き出すというゲームでしたが、やってみるとなかなか円滑な会話を続けることができず、非常にぎこちないものとなってしまいました。営業を行う上で、お客様の潜在化されたニーズをひき出すためにはこのアイスブレイキングは欠かせず、いかに相手が話しやすい雰囲気を作りだせるかが商談のキーとなるそうです。今回学んだコツを活かしながら、経験や練習を重ねていこうと思いました。 今回のインターンシップを通して、働く現場を自分の目で見て、感じられたことで「社会人としての私」をイメージする大きな手掛かりとなりました。また、この研修に参加しなければ得られなかった様々な知識や積極的に1歩踏み出す勇気は、必ず今後の就職活動に役立っていくことと思います。インターンシップに参加した私たち一人ひとりに丁寧な評価やアドバイスをくださったNTT西日本熊本事業部の方に感謝し、インターンシップ体験記とさせていただきます。■歴史学科 長島 修一さん(3年) 「市の職員は普段、どんなことをしているのだろう」私は公務員志望ということもあり、市役所の仕事を内側から知ることができる熊本市役所のインターンシップに参加させていただきました。今回の実習では、3日間、熊本市役所のシティプロモーション課にお世話になりました。 シティプロモーション課で私たち実習生は、熊本城をPRするチラシ作りに取り組みました。実際に熊本城に取材に行くなど頭だけでなく身体も使う実習内容であり、市の職員の方々が日々どれほど努力されているかを垣間見ることができました。PRツール作成においては、ある人の考えを他の人のアイディアで補うなど試行錯誤しながら、ハート形の床石に注目して新たな視点から熊本城をPRすることができたと思います。また、作業を役割分担することで効率化を図ったりするなど、仲間と協調することは極めて大切であると感じました。実際、シティプロモーション課の方たちは職員同士で互いに声を掛け合うなど職場の雰囲気は和やかなものでした。仲間との連携、職場の雰囲気、それらの根幹にあるのは協調性を大事にしようとする意識ではないのかと感じました。 今回の実習は、将来について真剣に考えるいい契機になりました。私はインターンシップに行くまでは漠然と公務員になりたいとしか考えていませんでしたが、実際に市の職員の方々と話をしながら業務の一部に携わることで、明確な目標を持つことができました。社会人の空気に触れることは公務員の勉強を含めて様々なことへの刺激となり、今後も積極的に今回のような機会を活用していきたいです。文学部通信 第13号7留学体験記インターンシップに参加にして留学体験記インターンシップに参加にして

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