文学部通信13号
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Newsletter, Faculty of Letters, Kumamoto UniversityNewsletter, Faculty of Letters, Kumamoto University熊本大学文学部ニューズレター 第13号 2014年3月6日発行Newsletter, Faculty of Letters, Kumamoto University「満足度日本一の文学部」を目指して2013年度の教務委員会について文学部は就職に不利ではない平成25年度 新任教員の紹介文学部~この1年~ 総合人間学科/歴史学科 文学科/コミュニケーション情報学科留学体験記インターンシップに参加して第10回21世紀文学部フォーラムの報告平成25年度オープンキャンパス永青文庫研究センター活動報告平成25年度熊本大学文学会活動報告・・・1・・・・・2・・・・・・2・・・・・・2・・・・・・・・・3~6 ・・・・・・・・・・・・・・7・・・・・・・7・・8・・・・・8・・・・・8・・・8目 次熊本大学文学部ニューズレター 第13号 2014年3月6日発行 私は、熊本大学文学部を、「満足度日本一の文学部」にしたいと考えております。もちろん、「満足度」は主観的なもので、数値化して他と比較できるような性格のものではありませんが、趣旨は、卒業する時に「熊本大学の文学部にきて本当によかった」と心から思ってくれる学生を限りなく100%近くにしたい、ということです。 そのために、2012年度から実施したカリキュラム改革で、文学部がめざす「人づくり教育」のコアとなる科目として、「21世紀市民学入門」や「キャリア支援A」などを新設し、実施しています。 他大学で実施しているキャリア支援科目は、ほとんどが就職用の授業です。しかし、私たちが目指しているのは、21世紀の日本や世界を担う市民の育成です。1年次の後学期に配置した「21世紀市民学入門」は、「21世紀市民」としての自覚を持ってもらい、21世紀の世界が抱えている様々な問題についての認識を持ってもらうことを目的としています。 2年次の後学期に配置した「キャリア支援A」は、大学卒業後の長い人生のさまざまなステージで直面するだろう問題について考えてもらうことで、学生それぞれが自分のライフデザインを考えることを目指しています。この授業では、文学部の卒業生に全面的に協力してもらっています。まず、卒業後の進路も、単に企業に就職するだけではなく、たくさんの選択肢があることを知ってもらいます。そして、実際に仕事と育児を両立させている卒業生をお呼びして、そのノウハウをお聞きします。男性には、「専業主夫」的な生き方だってあることを学んでもらいます。また、現在問題になっている「ブラック企業」や派遣労働などについて学び、自分を守るための武器として労働法の知識を持っておくことの重要性を認識してもらいます。さらに、仕事と親の介護をどのように両立させるかなど、実際にそのような問題に直面して格闘している方を講師としてお呼びして、お話をしていただいています。 以上のように、まず「21世紀市民」としての意識を涵養し、次の段階で社会人・生活者としてのライフデザインを考えてもらってから、3年次で就職用の「キャリア支援B」の授業を受講するという、他の大学にはみられない特徴的なカリキュラムになっています。 もう一つのポイントは、来年度から新しく授業科目として設置する「地域インターンシップ」です。「地域インターンシップ」は、熊本県全体を大学のキャンパスに見立てて、大学から地域に出て行って、地域の課題を(に)学び、地域の人々と一緒にその解決法を考えるという、いわゆるアクティブ・ラーニングの一環として導入しました。文学部の学生は、ともすれば、教室で先生の話を聞くだけの「座学」中心で4年間を終えてしまうことが多いのですが、「座学」だけではもったいないです。さまざまな地域に自分から出かけて行って、たくさんの人との出会いから学ぶことが、学生にとって大変重要だと考えます。そのための授業が、「地域インターンシップ」です。 2013年度は、その施行として、3名の学生が、引率の大学院生とともに、1週間、水俣地域で学んできました。40年の歴史を持つ水俣病センター相思社で水俣病の歴史について学び、環境に配慮した様々な活動を学んだあとで、胎児性水俣病患者さんたちが集う「ほっとはうす」で、患者さんと対話をし、患者さんの家を訪ねて母親から話を聞くなどの研修を実施しました。 これらの授業に加えて、教養科目や、文学部の特色の一つである少人数教育による専門科目を総合的に学ぶことを通じて、論理的思考力や課題発見・解決能力など、さまざまな能力を身につけた、どこに出しても恥ずかしくない卒業生を社会に送り出したいと願っています。そのためにも、少人数教育の現状の点検とさらなる充実が必要だと考えています。 文学部の研究面では、附属の永青文庫研究センターの研究活動が非常に高く評価されています。地道な古文書の解読作業が実を結び、266通の細川家文書が重要文化財に指定されるとともに、日本テレビ開局60年特別番組として制作され本年中に放送予定です。たいへん喜ばしいことです。 「満足度日本一の文学部」を作るために、学生の皆さんのご協力を切にお願いします。「満足度日本一の文学部」を目指して文学部長 小松 裕文学部通信 第13号1

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