文学部通信12号
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Newsletter, Faculty of Letters, Kumamoto UniversityNewsletter, Faculty of Letters, Kumamoto University熊本大学文学部ニューズレター 第12号 2013年3月22日発行Newsletter, Faculty of Letters, Kumamoto University文学部のミッション再定義とその将来2012年度の教務委員会について志がありますか平成24年度 新任教員の紹介文学部~この1年~ 総合人間学科/歴史学科 文学科/コミュニケーション情報学科留学体験記インターンシップに参加して第9回文学部フォーラムの報告平成24年度オープンキャンパス永青文庫研究センター活動報告平成24年度熊本大学文学会活動報告・・・1・・・・2・・・・・・・・・・・・2・・・・・・・2・・・・・・・・3~6 ・・・・・・・・・・・・・7・・・・・・・7・・・・・8・・・・・8・・・8・・・8目 次熊本大学文学部ニューズレター 第12号 2013年3月22日発行 平成24年度は特筆すべきこともなく、平穏無事に終わりそうだと思った矢先、文部科学省から「ミッションの再定義」を行うよう各大学に指示が出されました。我が文学部も学長の指示のもと、10月から教職員総がかりで、他大学の文学部と本学の文学部との相違点や特色を洗い出す作業に追われるようになりました。 文学部だけでは偏った資料しか集められません。そこで、他の学部も同様の作業を行っているため、理学部や法学部にも作業の進捗状況を聞いて回りました。また、東京、京都、愛媛の大学訪問、あるいは理学部と共同で、秋田や弘前の大学訪問を行い、文学部の将来を見据えた情報収集を行いました。 平成25年1月末には、文学部長、法学部長及び理学部長が3名そろって島根大学を訪問します。地方国立大学は旧帝国大学と異なり、予算面でも、人材面でも大苦戦を強いられています。そのため、地方の国立大学がこの「ミッションの再定義」にいかにして取り組んでいくか、情報交換が目的です。 さらに2月には文学部から若手教員2名をボルドー大学に派遣します。ボルドー大学はフランスでは極めて高い評価を受けています。そのような大学を実際に見学し、見習うべき点があれば、それを将来の本学部においてどのように取り入れていくことが可能かを探ることが今回の派遣目的です。文学部の将来は若手教員の肩にかかっています。そのためにも今回の2名の教員の派遣は必ずや有意義なものとなるでしょう。 しかしながら、我が文学部の根底に奥深く流れている教育理念は変わりません。いや、変えてはならないのです。それは人文及び社会科学の学問研究をとおして、実社会へ出ても恥ずかしくない教養と専門の基礎をきっちりと身につけさせ、人間としてやるべきこと、やってはならないことを判断できる能力を備えた人材を世に送り出すことです。これは時代がどのように変化しようとも、また教育体制がいかに変わろうとも、ぶれてはならない、文学部における教育理念だと思います。 ところが、文学部の教育研究の成果は他学部のそれとは異なり、早急に、簡単にしかも具体的に目に見える形で提示できるものではありません。他学部から見たら極めて地味な学部に映ることでしょう。しかしながら、私たちの教育研究の成果は遠い将来、素晴らしい果実となって世の人びとを喜ばすことができると信じております。 そのような訳で、文部科学省から指示された「ミッションの再定義」をここ1~2年という短い期間で行うなど、とんでもないことです。平成25年度は上に掲げた文学部の理念を具体的に実行できるようなカリキュラムの改善や進化について、検討することにとどめるのではないかと思います。 ところで、平成25年3月31日付けで、伊原信一教授、寺田光徳教授及び社会文化科学研究科所属ではありますが、文学部の教育研究に携われた千島英一教授がご定年を迎えられます。伊原教授は31年間日本語学を、寺田教授は弘前大学から移られて10年6カ月フランス語とフランス文学を、千島教授は麗澤大学から移られて5年間中国語と中国文学を学生に熱心に指導されました。3名の先生方にはこの場をお借りして御礼申し上げます。 さらに平成25年度6名、平成26年度には5名の教員が定年を迎える予定です。これほど多くのベテラン教授が我が文学部を去っていかれることは、文学部の将来にとって若干の不安材料ですが、これを逆手にとって、今以上の活気ある文学部を創造していく絶好の機会とも成り得ます。残された若手教育者に文学部の未来を託したいと思っております。 最後になりましたが、私は平成25年3月31日付けで文学部長の職から解放されます。3期6年にわたって、この頼りない学部長を支えてくださった教授会メンバー及び事務職員の方々に心の底から御礼申し上げます。長い間まことにありがとうございました。文学部のミッション再定義とその将来文学部長 大熊 薫文学部通信 第12号1

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