文学部通信11号
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2012年3月24日発行 教務委員会は,委員長の他,各学科から選出された4名の委員が,3名の教務担当職員と連携して,教務全般について学生をサポートしています。 文学部では,平成22年度に,「熊本大学学士課程教育に期待される学習成果」(「豊かな教養」「確かな専門性」「創造的な知性」「社会的な実践力」「グローバルな視野」「情報通信技術の活用」「汎用的な知識」の7項目)を踏まえて,次のような文学部の新しい教育目標を決定しま教育・研究に直接関係することを除く学生生活の支援全般に関わる全学の学生委員会に今年から1年生として参加するようになりました。「学生さんだから」という理由でいろいろなことを大目に見てもらえる雰囲気がまだ残っていた自分の学生時代と比べると、学生を取り巻く社会の目は厳しさを増していることを痛感します。ひとつには、情報通信手段の発達もあり、ルール違反を放置すると地域を越えて広まりやすいという事情もあるのでしょうが、ルールの厳格化を求める声は社会全体に広がっています。そうした中で、熊本大学でも、学生の不法行為や不正行為に対する懲戒の制度の見直しを進めていますが、単に厳罰化を進めてルールを守らせるというような機械的な対応ではなく、ルールを決める社会の一員として責任ある態度を身にした。 「幅広く豊かな教養と人文・社会科学に関する確かな専門的知識を有し,創造的知性を持って自らの課題を発見し解決する実践的な能力および21世紀を生きる人間に必要なグローバルな視野と市民的公共心を備え,社会に貢献できる人材を育成します。」 今回の「教育目標」では,「学士力」の中心に,専門的知識の修得のみならず,幅広い教養や課題探求・問題解決能力を身につけた,社会を支えあるいは改善していく人材の育成を掲げています。文学部では,今後の授業において,この「教育目標」に対応した「学士力」の育成になお一層努力していきます。つけさせる、という教育的な配慮を忘れないようにしたいと思います。 大学に入ると、社会から守られるべき存在としての「こども」から、社会の一員として主体的に行動できる存在への切り替えが求められます。ここで戸惑ってしまう学生も多いようです。厳しい経済状況の中、「企業就職に弱い文学部」という先入観を覆すような良好な進路状況の学科も一部にはありますが、10月を過ぎても就職活動を継続している学生がまだたくさんいます。就職実績のよい学科の先生方にお話をうかがうと、「働くということはアルバイトの延長でも受験の延長でもない」という点の指導を早いうちから重視しているそうです。学部全体としての進路支援教育についても、学生が卒業後に社会の中でどんな役割を果たすのかを具体的にイメージできるような内容の検討を進めています。文学部教務委員会 委員長 荻野 蔵平 文学部学生支援委員会 委員長 児玉 望 滋賀県からこの4月に着任した牧野厚史です。滋賀県といえば日本最大の湖、琵琶湖のあるところです。私は、その琵琶湖の畔にある琵琶湖博物館で学芸員をしていました。研究のテーマは、湖に流れ込む水を使いながら、人々がどのような暮らし方をしてきたのかを探ることです。私の専門である社会学では、湖や水などの環境と人間たちとの相互作用を研究する領域を環境社会学と呼んでいます。熊本県には大きな湖はありませんが、日本最大級の規模のカルデラを誇る阿蘇山があり、阿蘇を水源とする水を利用して生活を組み立ててきた人々の歴史があります。熊本大学では、ぜひ皆さんと一緒に熊本における水と人とのかかわりについて研究を深めたいと思っています。 2011年4月に熊本に越してきました、千田です。言語のことならなんでも大好きです。特にニューギニアのパプア諸語であるドム語を中心に研究してきました。 ドム語と近隣の諸言語との歴史的なつながりを明らかにすることが最近の課題です。また朝鮮語とも長く付き合つた間柄で、濟州島方言の調査・研究を始めました。教育面では、授業でドム語などの事例をもちだして言語研究のさまざまな方法を紹介するほか、コリア語教育の方も頑張ります。以後お見知りおきを。 民間企業から参りました。会社勤務の傍ら、都内の大学の人工知能を専攻する研究室で、コンピューターを使ったコミュニケーション効率の研究を続けてきました。また、会社勤務の間には海外駐在も複数経験しております。現在、熊大では情報処理とビジネスコミュニケーションを教えています。今の社会はIT化・グローバル化が進行しています。社会人として身に付けておかなければならない情報処理知識とビジネスコミュニケーション能力を、実務経験の裏づけの基に、分かりやすく学生の皆さんに伝えております。文学部の卒業生が、社会人としてリーダー的な役割を演じるための基本的な素養を身に付けて欲しいと思いながら授業を進めています。■ 牧野 厚史 教授総合人間学科■ 千田 俊太郎 准教授文学科■ 渡部 雅男 教授 コミュニケーション情報学科2さらなる「学士力」の向上を目指して平成23年度 新任教員の紹介「社会の風を感じるとき」さらなる「学士力」の向上を目指して平成23年度 新任教員の紹介「社会の風を感じるとき」

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