哀しみのプリズム

(1982)

詩・曲  大 野 龍 浩


  あなたと出逢うまでの僕は 愛の意味さえ知らずにいた

  だから突然訪れた破局は 僕の人生を変えた

  一人泣き濡れて泣き濡れて 信じられなくて

  「逢いみての」の歌(1)を駅のベンチで

  教えてあげたこともあったのに

  「ふられた人は幸せだわ だって立ち直れるのだから」

  そんなあなたの言葉に僕はただ 自分を責めるばかりだった

 

  四年たったある日あなたに 婚約者がいると聞いた

  やはり若過ぎる恋の結末は 所詮こうしたものなのでしょう

  一人泣き濡れて泣き濡れて 酒を呷るだけ

  ※ 僕が一人で暮らす間に

    あなたにはそんな人がいたなんて

    こんな話ありきたり過ぎて 悲しむほどのことはない

    今更涙を流すこともない  そんなものさと思うしかない

 

  ※ 繰り返し

 

(1)「逢いみての後の心に比ぶれば 昔はものを思はざりけり」(権中納言敦忠『百人一首』)


「私が作った歌」

「大野龍浩」のホームページ