心に決めた一瞬[とき]

1990/3/11)

詩・曲  大 野 龍 浩


  銀杏紅葉が散り始め 年の終わりの冬支度

  蜜柑畑の橙が色を増します

  やがてあれから一年が過ぎて行こうとしています

  小春日和の青空を思い出します

  本当の愛は海のように深く広く

  絶えず続くものと教えてくれた人があった

  だから静かに静かに互いの気持ちを

  見つめて過ごした透き通るような季節よ

  名残り惜しむ子供たちに囲まれた君が見えるようです

  きっと君の優しさと微笑のせいでしょう

 

  飾り気のない姿で子供たちと遊ぶ君を見た時

  マニキュアも付けない訳が分かった気がした

  走り寄る泥だらけの子供たちを抱き締めた君の胸に

  まるで天使に抱かれたような瞳が輝いた

  真実の愛は空のように清く高く

  地平線を越えて遥かに続くものだから

  待つ事は辛いけどきっと良い風が吹いて来る

  そんな思いを認[したた]めた粉雪舞う頃

  子供たちを連れて歩いた山裾の小川の水しぶき

  心に決めたのはそんなさりげない一瞬[とき]だった


「私が作った歌」

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