川面に浮かぶ水鳥たち レンゲに遊ぶモンシロチョウ
河原を走る子供たちの 笑顔に偲ぶあなたの面影
前川正(1)のような生き方が好きだと言って
『道ありき』をくれたあなた あの笑顔に似てる
あの日もこんなうららかな空 春の予感にときめいた午後
別れもやはり菜の花畑 土手の桜木満開の春
いっそ死のうと思いつめた こともあった青春の日々
あなたの知らない人に 嫁いだ私の人生
せめて幸せになろうと 誓った異国の窓
きょうも変わらぬ河川敷は のどかな日射しと澄んだ青空
(1) 三浦綾子の自伝『道ありき』(新潮文庫)に登場する真面目で誠実な青年
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