故郷[ふるさと]行き
(1986/4/24)

詩・曲  大 野 龍 浩


  永すぎた春にサヨナラを告げるから 君を連れて旅に出よう

  故郷に住む父母の元へ 遥かな夢乗せて

  手にさえ触れぬ清らかな恋だった 週に一度の手紙だけが

  二人に課した唯一の約束 喧嘩もしたけれど

  出逢いはいつも突然過ぎて 戸惑いの風残すけれど

  心に堅く永遠[とわ]への希望 見つめていた僕だった

  隣に座る君の横顔を伝う 白い涙が窓に光る

  「何でもないわ」振り向く君の目は 幸せ色してた

 

  離れ離れの暮らしに心 揺れることもあったけれど

  時の流れに途絶えぬ愛を 求めていた僕だった

  孤独に耐えていた頃の笑い話 君に話して聞かせれば

  微笑みながら頷く澄んだ瞳は 心を和ませる

 

  長い時間をかけて愛を 育んで来た二人だから

  きっとこれから上手く行くよ そんな思いが涌いて来る

  祈りに暮れた日々を思い出す度に この幸せが胸に滲みる

  求めた夢が叶えられた事に 静かに感謝しよう

 


「私が作った歌」

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