文学科は、東アジア言語文学コース(日本語日本文学、中国語中国文学)、欧米言語文学コース(英語英米文学、独語独文学、仏語仏文学)、超域言語文学コース(比較文学、言語学)の3コース・7研究領域から成っていますが、全体的に見れば、「人間」というものを、言語を通して研究する学科といえましょう。
中でも、詩や小説や戯曲などのいわゆる「文学」は、言語を表現の手段とする芸術作品です。日本人は日本語で書き、中国人は中国語で、西洋の国々では、それぞれの国民が各々の国語で作品を書いています。文学はまた、文字の発明されない古い時代の口承文学から、今日の印刷による文学、さらにはインターネットによる文学に至るまで続々と作り続けられているのです。 |
 |
一方、見方を変えれば、私たちの言語は、数十の基本的な音を様々に組み合わせて意味を伝えるために工夫された、複雑な構造物でもあります。それは長い年月にわたる諸国民・諸民族の共同作業の産物なのです。このすばらしい構造物である「言語」の諸法則や、それを構成するさまざまな要素を科学的に分析するのも、文学科の重要な一領域です。
ですから、文学科には世界の主要な国々の文学を芸術作品として研究する「文学研究」と、言語としての面から探る「語学研究」とがあります。文学作品を研究すれば、それを書いた作家の個人的特色を知ることができますが、それ以外に、その作家が生まれ育った国の国民性や時代を知ることもできます。また、国の境界を超えて、二つあるいはそれ以上の国の文学を比較研究することもできます。それを専門とする「比較文学」や、言語そのものを研究する「言語学」は、日本の大学では、数少ない教育研究分野です。ちなみに、「独語独文学」および「仏語仏文学」を持つ大学は、九州の国立大学では二大学のみで、その一つがわが熊本大学文学部なのです。
文学の表現は、私たちにさまざまな言葉の発見と読み方を投げかけます。言葉によって、無限に未知の世界に挑み、知的な楽しみをぜひ味わってもらいたいと思います。
卒業後の進路は、中学・高校教員やマスコミ関係をはじめとして、公務員、民間企業などさまざまな分野に及んでいますが、大学院に進み、研究者やその道の専門家として活躍している人も多く、この傾向はこれからも続いていくものと思われます。 |
|
 |
コース |
履修モデル |
担当教員(専任) |
研究領域 |
東アジア
言語文学 |
日本語日本文学 |
伊原信一 |
中古・中世の日本語(語彙・文体) |
| 坂口 至 |
中世・近世の日本語(音韻・文法) |
| 坂元昌樹 |
日本近現代文学(小説・批評) |
| 森 正人 |
日本古代文学(物語・説話) |
| 中国語中国文学 |
屋敷 信晴 |
中国古典文学 |
| 吉川榮一 |
中国近現代文学、中国近現代思想史 |
| 劉 静華 |
日中比較文学、中国語学 |
| 千島 英一 |
中国語学(方言、音韻)、日中対照言語学 |
欧米
言語文学 |
英語英米文学 |
大野龍浩 |
英国小説、英文学、文学批評 |
| 隈元貞広 |
英語史、中世英詩 |
| 永尾 悟 |
20世紀アメリカ小説 |
| リチャード・ギルバート |
現代米詩、日米俳句比較研究 |
| 独語独文学 |
荻野蔵平 |
ドイツ言語学、ドイツ語史、 中世ドイツ語 |
| 坂田正治 |
近・現代抒情詩 |
| 中島 隆 |
19、20世紀ドイツ小説 |
| 深堀建二郎 |
ドイツ小説理論、 テキスト言語学 |
| トビアス・ バウアー |
比較思想史、 ドイツ語教授法 |
| 仏語仏文学 |
市川雅己 |
フランス語学 |
| 大熊 薫 |
19世紀フランス詩 |
| 寺田光徳 |
19世紀フランス文学(散文) |
| 濱田 明 |
16世紀フランス文学 |
| ガニエ・ グェナエル |
フランス語教授法 |
超域
言語文学 |
比較文学 |
岩松久雄 |
中国近現代文学、大衆文化論、 大学教育論 |
| 杉谷恭一 |
ドイツ語圏文学・思想・芸術 |
| 竹内 裕 |
旧約聖書学、ヘブライ思想 |
| 朴 美子 |
韓中比較文学、日中韓比較文化 |
| 西槇 偉 |
日中比較文学、美術史 |
| 言語学 |
児玉 望 |
インドの諸言語 |
| 福澤 清 |
対照言語学、社会言語学 |
|
|