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現代社会の問題を議論するときに、欧米社会の事柄がよく先進的な例として引き合いに出されます。アメリカではこうだ、イギリスではどうだといった調子です。「はいはい、イギリスやアメリカは偉い」と言いたくなるでしょうし、何だかもう欧米のことは判ったような気になるかもしれませんが、ちょっと待った。実際はどれだけ欧米社会の内実や歴史を理解した発言なのでしょう。また、どうして欧米ばかりを「基準」にする必要があるのでしょう。そもそも「先進」って何だろう。

ここ熊本大学文学部の西洋史では、等身大のヨーロッパ・アメリカ像を描くようにいつも言ってます。また、西欧は絶対ではなくあくまで一つの地域だと考えています。つまり、人権宣言や産業革命といった「美辞麗句」を越え、ヨーロッパ・アメリカ的世界の歴史をトータルに、つまり表も裏も、建前も本音もひっくるめて理解しようとしています。意味のある日欧比較の作業も、それではじめて可能になるのではないでしょうか。本研究室は3つの領域を研究教育の軸にしています。ヨーロッパ中世史、イギリス近世・近代史、そしてアメリカ近・現代史です。学生諸君はこの3つの軸を手掛かりにして卒業論文のテーマを自由に探すことになります。先生の仕事を横目で見つつ自分のエリアを開拓して下さい。

学年
授業内容
授業科目例
特色:欧米の研究書講読に基礎を置く、積み上げ型の指導。
2年次
ヨーロッパ・アメリカ史学の基礎知識の修得。 西洋史概説
世界システム史基礎演習
3年次
調べ、発表し、討論する力を養う。研究テーマをみつける。 世界システム史演習
課題研究
4年次
卒業論文を作成する。 課題研究
卒業論文のテーマ例
中世の聖人崇敬/魔女狩り/近世イングランドにおける民衆娯楽/近代スペインにおける地域ナショナリズム/植民地映画にみるフランス帝国主義の文化/ニューオーリンズ・リンチ事件とアメリカ社会

三瓶 弘喜先生(アメリカ社会経済史)
西洋史の最大の魅力は、時間と空間を超えて、私たちの生きている社会とは全く異なる世界へ、足を踏み入れることができることです。見たこともないような自然や風景、そしてそこで展開されるたくさんの文化や人間の営み。こうした多様な世界に接することで、これまで日本にいて当たり前だと思っていたことが実は当たり前ではなく、いろんなものの見方や考え方、価値観があることを発見するでしょう。このような出会いを通じて、逆に日本社会の特徴が見えてくるはずです。世界の広さを感じながら、たくさんの異文化社会の人間と対話してみること、これは本当にエキサイティングですよ。
有川 晃輔(4年)
みなさんは、西洋史を学ぶことにどんなイメージを持っているでしょうか?高校の歴史のように「暗記する」というものではないでしょうか。大学でのゼミや課題研究では、自分が興味を持ったテーマについて、自分で文献や史料を調べながら、疑問を徹底的に追究していきます。これだけ聞くと、難しそうに思えるかもしれません。しかし先生方が的確な助言をして導いてくれますし、先輩方も積極的に相談に乗ってくれます。そして何よりも、同じ学年の仲間との議論は大きな刺激になります。このように多くを学んだ上で、毎年行なわれる研究室旅行では、実際に現地へ足を踏み入れます。私の場合は、一年間みっちり19世紀フランスの研究をしてからパリを訪れたので、感動もひとしおでした。文章の上でしか見たり聞いたりしたことの無い世界が眼前に広がっている、そんな経験を西洋史研究室で一緒にしてみませんか?

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