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【九人研】参加報告:11月28日 沖縄民俗学会・九州・沖縄地区研究懇談会 合同主催研究会/慶田先生 発表「死者のブーツ」とルーツ・オキナワ

2015.12.26
2015年11月28日、沖縄県立芸術大学にて沖縄民俗学会・九州・沖縄地区研究懇談会 合同主催研究会が行われました。慶田先生の発表を聞きに、ゼミ生(+@)4名、2泊3日で沖縄へ飛び立ちました。
 
 慶田先生の発表には、参加者(ほとんどが沖縄出身者・在住者)から反響とコメントが寄せられました。発表では慶田先生が抱いてきたというルーツ・オキナワへの両義的感覚が語られました。沖縄出身だった慶田先生のお父様は福岡に移住されたのち、子どもに苦労をかけたくないという想いで「内地」風の名「勝彦」を慶田先生に授けました。「勝彦」はお父様が受け継いできた「喜」という一字が入っていない名前でした。すなわち、慶田先生のお父様は自分や自分の父たちが履いてきた「死者のブーツ」(Dead Man's Boots, Sting, 2013 より   ※父から子へと継承されてきた、土地に根づいた仕事や誇り)を慶田先生に履かせたくなかったのではないか。しかし時代は移り、慶田先生はいま「喜」という字を2人の息子の名前に授けています。
 
 参加者からは「自分は「死者のブーツ」を磨き続けている」「親は「死者のブーツ」を隠していたが勝手に見つけて履いている」「「死者のブーツ」は捨てた」といったさまざまな経験談や、オキナワと「本土」で揺れる慶田先生の移住者としての自己に対するコメントが出され、自己のルーツと移動の経験に関する様々な意見交換をすることができました。いくつもの物語を聞くことができたように思います。またゼミ生一同、九大の太田先生のUFOのお話を詳しく聞きたがっておりました。またの機会にぜひ伺えればと思います。(香室)
 
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発表者とタイトル:
1 山里純一(琉球大学法文学部教授)「八重山における星の民俗」
2 慶田勝彦(熊本大学文学部教授)「「死者のブーツ」とルーツ・オキナワ:人類学的自己形成における<影>あるいは<生きた魂>の役割 」
 
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(写真左から:山里先生、慶田先生、太田先生)          
 
 
[コメント:4年 片岡]
  部活の遠征も含め、沖縄は4回目でした。学会に参加すること自体が初めてだったことに加え、慶田先生のルーツ沖縄に関する発表も聞くことができ、とても勉強になりました。慶田先生の発表を聞いて、イギリス出身ミュージシャン スティングと、キヴリ(kivuri, ミジケンダにおける生者と死者の間にあるもの)=<生きた魂><影>の関係を考えました。スティングが歌を書くことができなくなったのは、自ら故郷を捨てたことによって影をなくしたからではないでしょうか。その後、かつて造船所として栄えた自分の故郷に立ち戻ったことで、その影を見つけることができ、影が彼にまた新たな視点を与えてくれたのではないかと思います。つまりそれは造船所で働いていた人々へのまなざしや故郷への誇りです。
 さらに慶田先生が沖縄を研究することへの違和感をお話しされていたことが印象に残りました。先生の名前には先祖代々受け継がれてきた「喜」という字がなく、そこには「ナイチで生きていけ」という思いがこめられています。しかしそこで先生にとっての沖縄は他者になったのではなく、むしろ影としての「喜」がルーツ沖縄とのつながりを想起させるものとしての役割を果たしているのではないかと感じました。そして、ルーツへの意識を起点として、また新たな対象への関心が呼び起こされるのかもしれません。思わず自分のルーツを考えさせられた沖縄の3日間でした。
 
[コメント:研究員 香室]
 「九州に住んでるのに」と本州のひとに驚かれますが、実は初沖縄でした。この九州と沖縄の微妙な距離感が今回ひとつのテーマだったのかもしれません。研究会のタイトルも、「九州・沖縄地区研究懇談会」と九州と沖縄が分けられていますね。近いようで遠い九州と沖縄、さらに沖縄と離島との関係(八重山など)、「本土」と「島」、支配と被支配の関係が複雑に交錯していることが感じられた旅でした。
 慶田先生がとりあげられた那覇出身の詩人・山之口貘の詩「会話」がとても印象に残っています。公に名乗れない、語れない、封印された自分のルーツであった<影>を先生が取り戻されたようでよかったです(こう書くと『世界の終りとハードボイルド・アンダーグラウンド』村上春樹  にもなってしまいそうです)。私自身は最近、「二度生まれ」(by ジェイムズ、世俗というより宗教よりの)的経験を通して、自分の実家が仏教寺院であり、自分も仏教徒として育てられたというルーツを以前より積極的に受け入れることができるようになってきました。人類学のサイドエフェクトでしょうか。先生のお話は個人的にもよく理解できるものでした。ありがとうございました。
 那覇市内(国際通り、商店街、空港周辺)を歩き、眺め、居酒屋で隣の人や店の人とお話ししたりしながら、沖縄の食文化(ソーキそば、ブタ、ヤギ、島豆腐 etc.)、民謡、王朝と貿易の歴史、「本土」(内地)との関係などなどを学ぶことができました。沖縄の人々の生活背景について多少学んでいたおかげで、山里先生の「星の民俗」にでてきた伝承のモチーフについてもいくつか理解できました。実際にその土地に赴き、人と話し、風景を五感で知覚することで、その地への愛着と理解が深まったり、メディアを通して見聞きしてきたことが相互に関連づけられることはやはりあるのではないかと考えさせられました。多少のフィールドワーク感はあったのではと思います。短いながら充実した旅でした。
 
[散策の参考にした地図]
 
[旅の仲間たち]
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≪写真≫
①片岡
   a)「南国の冬」
   DSC_33333.JPG DSC_44444.JPG DSC_22222.JPG
   b) 「散策中」
   DSC_あ.JPG DSC_ああ.JPG DSC_い.JPG
  c) 「夕べ」
   DSC_1ばん.JPG DSC_4ばん.JPG DSC_5ばん.JPG
 
②田口
   a)「沖縄」
   DSC_0322.JPG DSC_0527.JPG DSC_0731.JPG  
 
   b) 「路地」
   DSC_0186.JPG DSC_0216.JPG DSC_0377.JPG
 
③香室
a) 「異国情緒」
 a.JPG ab.JPG b.JPG
 
b) 「諸問題」
   DSC_2665.JPG DSC_2698.JPG DSC_2699.JPG
 
c) 「那覇の日常」
   123.JPG 456.JPG DSC_2407.JPG
 
d) 「nontitle」
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