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活動内容

【研究室】突撃・本日の慶田ゼミ

2013.07.08

 

慶田先生のゼミをのぞいてみました。
 
 
① 応用演習の中心は、3、4年生の卒論構想発表です。
加えて、各自の近況報告と「新聞記事から現代社会を読み解く」時間がとられています。時事キーワード(「TTP」「食」「インド」「教育」などなど)をそれぞれが選び、キーワードに関連する新聞記事の切り抜きを各自のやり方で整理・保管しています。
前期もだいぶ深まりましたが…自分のテーマについて詳しくなってきた人もいれば、放置中の人もいる様子。
 
この日は4年生の卒論発表でした。
今年度の卒論テーマは、「世界文化遺産と葛飾北斎の富士」「国際ボランティアとその商品化」「カップヌードルと表象」などになりそうです。スパートをかける時期にさしかかり、緊張感が出てきています。
なんとかがんばりましょう!
 
 
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②文化人類学演習では、モースの『贈与論』を中心に、複数のテキストを読みながら、「贈与」「交換」「貨幣」といったキーワードについての理解を深めているようです。各回のDLがレポートを提出、その後 2-3 回の推敲。しっかり勉強しています。
 
文化人類学演習/講義題目:贈与・交換・負債と価値論(1)
 
【テキスト】
マルセル・モース 2009『贈与論』吉田禎吾・江川純一(訳)、筑摩書房。
浜本満 1994 「交換」『人類学のコモンセンス』浜本満・浜本まり子編、pp.145-164、学術図書出版社。
ジョイ・ヘンドリー『社会人類学演習入門 異民族の世界』(2002、法政大学出版局)
中川 理 2008 「地域通貨―社会に埋め込まれた経済、再び?」『人類学で世界を見る 医療・生活・政治・経済』春日直樹編、pp.227-224 ミネルヴァ書房。
J.ビーティ 1968 「経済―財産制度」『社会人類学―異なる文化の論理』蒲生正男・村武精一 訳、pp.239-261、世界思想社。
 
など
 
 
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●ある日のDLレポートを一部紹介(I さん、「第三章 古代の法と経済におけるこうした原則の残存」pp.191-258)。
 
《演習での議論について》
・贈与によって生じる関係について
 贈与は意図的であるとしてもないとしても、二者間に関係性を生み出す。また、その関係性を維持するものでもある。そこで、関係性を完全に消去する贈与はあるのだろうかという疑問点が挙げられた。議論の結果、贈与による二者間の関係性を変容させることはでき、その関係を破壊的なものにすることはできるという意見が出た。
 
・貨幣について
物は人を結びつけたり、人と人との間に絆を作り出したりする力が宿っていると言われている。その中で、貨幣はすべての物と交換できるという特性を持っている。貨幣以外の物は他の物と交換できないか、特定の物としか交換できないため、貨幣の神秘性が浮き彫りになった。さらに、それに関連して労働についての言及もあった。労働はもともと、物を生産することに関わっている。しかし、現代社会における労働は、サービスなどのように、その物の生産や消費が目に見えにくい。
 
・贈与、交換、互酬性について
 今回の演習では贈与、交換、互酬性のキーワードを改めて考え直した。
 
贈与…本来はお返しのいらない、giveという「行為」。物の移動にすぎないが、贈る人/贈られる人が存在する。
交換…二者間で物と物、物と貨幣などを交わす「行為」。それは“贈り物”ではなく、契約に近い。
互酬性…贈る/贈られるという行為によって作られる人と人との「関係性」。その行為によって二者がなんらかの関係性に入る。そこで作られる関係性は常に良いものとは限らない(否定的互酬性)。
 
これらの具体例として、SNS上での誕生日のお祝いのメッセージや旅行のお土産などが挙がった。
 
 
 
《理解したこと・関心をもったこと》
・今回の演習では、モースが贈与と法との関係性に注目していた点、そしてこれまでの民族誌的な報告に基づく分析だけではなく、文明社会における贈与交換の重要性について示唆していた点をテクストから読み取ることができた。また、本演習におけるキーワードである贈与、交換、互酬性のそれぞれの特徴を整理することができた。今後はキーワードをもとに具体例を考え、自分で説明できる段階まで発展させていきたい。加えて、交換や贈与と労働の関係についても検討していきたい。またその際、労働とお金は切っても切り離せないものであるから、貨幣の特異性などにも注目したい。個人的には、貨幣は他の物とは違い、オールマイティーな物だとされているが、なぜどのようにそのような位置づけになっているのかに関心があるので、貨幣の神秘性についても引き続き考えていく。
 
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