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【イベント】参加報告:パブロ・ネルーダを思い出す (6/9 終了)

2013.06.12

 

パブロ・ネルーダを思い出す、盛況のうちに終了です。
東京、京都、福岡、長崎など各地からご来熊のみなさま、お話しできてとても楽しかったです。
またお会いできる日を心待ちにしています。以下、参加報告です。
 
【イベント】パブロ・ネルーダを思い出す 6/9 、熊本、ほたる家(チラシもこちらから):
 
日時:2013.6.9 (日) 14:00-17:00
場所:ほたる家
出演:河合拓始(ピアニスト、福岡県糸島在住)
   今福龍太(文化人類学者、奄美自由大学主宰)
   中山智香子(経済史家)
   庄司祐子(詩人)     
   ほか(慶田先生、吉田優子さんもご出演でした。)
 
(↓ ↓)
写真はほたる家にて詩朗読中の庄司さん。朗読は庄司さん発行 LARGO vol.17 より「キンと明るい月夜だった」、「路地にて」、ほか11:00にできた詩など。熊大人類学は祐子押し!
 
(熊大・社会連携講座、庄司さんの回はコチラ
 
(噂の詩集『和田浦の夏』はこちらから→ 
 
 

写真 2013-06-09 16 14 36.jpg  写真 2013-06-09 16 14 27.jpg


 
[本番 at ほたる家]
言葉と間、表情、手指の動き、それに応じる河合さんのピアノと鍵盤ハーモニカ、弦を弾いたり、グラスを叩いたり、壁をひっかいたり。言葉の表情が変わってゆく。
ネルーダの情景が梅雨の熊本に現れるとは・・・。
 
私にとってネルーダは映画「Il Postino」に出てくる詩人のおじさんだった。
亡命者だった。イタリアの風景の中にいた。もてていた。
 
チリ・クーデターの9.11、タワーが倒れた9.11、TVの前で一人呆然としていた3.11、そして「いま」。
このイベントは、それら瞬間瞬間、そして政治、経済、暴力や愛といったものを繋ぎ合わせる試みだった。目の前の悲劇は計り知れない暴力やトラウマと連関しているかもしれないけれど、美しいことやつい笑ってしまうようなこととも結びついているかもしれない。亡命し、女性を愛し、詩を詠んだネルーダの生き方や表現が今回、そんなことを考える起点となった。
 
私の時代、物心ついたときにはバブルは弾け、友達の両親は自殺、テロ、リーマンショック、地震とメルトダウン。わ、並べてみると現実感がない。本当にあったことなのでしょうか。いいことも起きてるのだろうけど、ひどいことのほうがよく覚えている。
「Seven」のサマセットが大げさではない日本、子どもを産みたいと素直に思える「いま」ではない。けれど、そういう中で産まれ、生きることもまたアリなのではないか。人間はきっとそんなに弱くない、再生できる、「Il Postino」の郵便配達員がそうであったように。とりあえず私はネルーダの詩を読むところから再び始めてみようと思った。
 
 
「いまネルーダを思い出すことは誌的砲撃が世界のあらゆるジェノサイド(皆殺し)を中止させられると信ずること」(イベント・チラシより)。
 
 
会場のほたる家は屋根裏部屋のようなノスタルジック空間です。壁にかかっている絵を眺めながら、ずっと遊んでいたい。会の雰囲気とすごくマッチしていて良かったです。
作家の吉田優子さんによるスペイン語での朗読、長崎県美術館で以前働いていらっしゃったというイトウさんのスピーチ、中山さんのリクエストとして今福さん作・映像上映もありました(Meredith Monk 聴き始めましたよ〜)。
 
慶田先生によるレスポンス・トークでは、ネルーダの女性に対する表現のこと、「もしルワンダのジェノサイド [1994] をネルーダがみていたら、何と言っただろう」というお話が記憶に残っています(正確な引用ではありません)。ナミビアのヘレロのジェノサイドも、そのあとの彼らの生活も、、、きっとこの日考えたことと結びつくはず。
 
慶田先生は以前、熊本の石牟礼道子さんに関する論集「和解と再生ー文化人類学から」の中で、ラテンアメリカやアフリカと水俣という場所の「結び目」を見ようとしていた石牟礼さん(『乳の潮』)に着目されていました。今回のイベントもまた、複数の歴史と場所、過去と未来、そして人との関わりとの「結び目」のひとつになったのではないでしょうか。…そろそろ戯れ歌が必要でしょうか。
 
 
 
[宴 at PAVAO]
みんなでたくさん飲み、喋りました。
 
舞踏家・新部健太郎さんによる即興の舞いも拝観でき(松井さんに問いつめられていた窮地への、救いの舞踏であったと確信しております)、芸にあふれた、贅沢でにぎやかな夜でした。優しいひとたちばかりでありがたかったです。今福さん、中山さん、お話していただきありがとうございました。
熊本在住の表現者たち(主として庄司さんのお友達)もご参加、画家の"オイラ"伊東さん、今度ぜひ色のきれいな絵を観てみたいです。
 
PAVAO のみなさん、素敵な空間とスパイシーで美味しいお料理、お世話になりました!
 
ちなみに「Il Postino」は社会連携の講座にて庄司さんに観せてもらいました。今後、熊本にとどまらず各地の芸達者な方々と社会連携講座を中心とした芸術の輪を構築していけたら、とても楽しいと思います。
 
その後も馬刺を求めて店を変え、宴は続いたのであった…。

 

(香室)

 

[文献]

 『ネルーダ詩集』 (海外詩文庫) パブロ ネルーダ  田村 さと子(訳)東京:思潮社 2004年

  [amazon] http://www.amazon.co.jp/ネルーダ詩集-海外詩文庫-パブロ-ネルーダ/dp/4783725136/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1371005295&sr=1-1

群島‐世界論』 今福龍太 東京:岩波書店 2008年

 

「和解と再生-文化人類学から」『石牟礼道子の世界』 慶田勝彦 岩岡中正編 201-223頁 福岡:弦書房 2006年

乳の潮』石牟礼道子 東京:筑摩書房 1988年

 

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