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活動内容

【研究室】プレ卒論発表会 2/4

2013.02.06

2月4日の慶田ゼミでは、卒論発表会本番に向けたプレ卒論発表会@人類学研究室を行いました。発表者は大坪・才さん、参加者は3年生、院生です。

発表後の後期ゼミ打ち上げピザ・パーティも和やかに終了、後期おつかれさまでした。

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≪卒論題目≫

1. 大坪:再建されたトーテム・ポール―北西海岸におけるモノ、自然、社会―

2. 才:民族境界の越え方―中国の計画出産政策を利用する人たち― 

 

  ≪内容≫(発表10分、コメンテーター3分、フリー質疑応答6分)

1. 大坪:再建されたトーテム・ポール―北西海岸におけるモノ、自然、社会―

 概して、一度建立されたトーテム・ポールは朽ちるがままに放っておかれるという。そこには、モノが朽ちて自然に還ることをよしとする北米海岸の人々の思想が強く反映しているとされてきた。このような理解に対し、大坪は洪水によって倒れた後に再び建て直されたニシュガ族のトーテム・ポール「ラーイのワシ・オヒョウ」という例外的事例に焦点を当てながら、北西海岸先住民のモノに対する価値観が自然との連関に対する人々の考え方だけを反映しているのではなく、階級制度といった社会的規範とも強く結び付いていることを明らかにした。加えて大坪は、トーテム・ポールが時代の変遷と共に、リージョナル、ナショナル、そしてグローバルな次元で様々な役割や受容のされ方をしている点に言及し、先住民社会だけにとどまらない、トーテム・ポールを媒介としたより広い関係性が構築されていく可能性を示した。

 コメント:①自然と社会とを対立的に考えすぎているのではないか。北米海岸の人々自身の自然観や社会観、もしくはそれらが融合した世界観についてもっと分析できたらよかった。②ラーイのワシ・オヒョウは、洪水が自然環境における例外的事象であったために建て直されたのか、それとも階級制度に関わっていたから建て直されたのか(大坪発表では階級制度という社会的側面のみが強調されているが)。

 2. 才:民族境界の越え方―中国の計画出産政策を利用する人たち―

 1970年代、中国では、夫と妻双方が漢族である夫婦を主な対象とした計画出産政策が実施され始めた。しかし1980年代以降の諸少数民族の人口増加が示しているように、多くの子ども(特に男児)の出産を望む漢族の人々が出産政策の緩和措置がとられている少数民族に籍を変更するという現象が生じ始めた。さらに近年では、少数民族優遇政策による進学や出世等に関する利益を得ようと、族際婚や子どもを少数民族籍にする親が増えているという。才の発表では、政策によって生じた不都合を臨機応変なやり方で乗り越えていく人々の姿、そして計画出産政策を通して漢族と少数民族の境界が越えられていく現象が提示された。さらに、多民族国家・中国においては、どの民族籍かという政治的アイデンティティが、人々に利益をもたらす有益な資源になっていることが明らかにされた。

 コメント:①漢族は民族境界を超えたいと思っているのかがよくわからない。子どもを多く持ちたいがためにしょうがなく少数民族になるのか、それとも、計画出産政策という市民にとってはネガティヴな政策を契機として、積極的に漢族が少数民族になろうとしているのか。②女児より男児を持ちたいために、男児が産まれるまで出産を繰り返す必要がある⇒そのために少数民族になる、ということだったが、自身が少数民族になってしまっては漢族として男児を増やすことにはならないのではないか。むしろ漢族が減っていくのだが危機感はないのか。

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