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【文化人類学会】1月9日(土)在来知と近代科学(IKMS)第5回研究会

2015.12.24

文化人類学会経由でのお知らせです。


「在来知&近代科学」(IKMS)2015年度第5回研究会
特集:「翻訳:現実のもつれ合い」
(1)「自然の翻訳と日常の力学:関係性の人類学にむけて」佐塚志保(トロント大学)
(2)「先住民による有機農産物の生産と消費を取り巻く在来知と近代科学:米国アリゾナ州トオノ・オータムの事例」水谷裕佳(上智大学)

日時:1月9日(土)13:00pm~17:30pm(※研究会終了後に懇親会を行います。)
場所:大阪大学・豊中校舎・言語文化研究棟2F大会議室
http://www.lang.osaka-u.ac.jp/lc/about/access

<スケジュール>
(1)13:00pm~14:15pm 「 自然の翻訳と日常の力学:関係性の人類学にむけて」佐塚志保(トロント大学)
(2)14:30pm~15:45pm 「先住民による有機農産物の生産と消費を取り巻く在来知と近代科学:米国アリゾナ州トオノ・オータムの事 例」水谷裕佳(上智大学)
(3)16:00pm~16:40pm コメント:山崎吾郎(大阪大学)、大村敬一(大阪大学)
(3)討論:16:40pm~17:30pm
(4)懇親会(千里中央)
※当日、会場がわらない場合、以下のケイタイにご連絡ください。
080-9036ー0401

<要旨>
(1)佐塚志保(トロント大学)「自然の翻訳と日常の力学:関係性の人類学にむけて」
 在来知と近代科学の関係性を考えるための一つの試みとして「翻訳」もしくは「トランスレーション」という動作に焦点をあててみたい。
 一般に翻訳とはある言語で表現された概念や文章を違う言語で表すこととされる。だが、ある言語体系で表現された言葉や概念が他の言語体系の中に も存在しているとは限らない。翻訳を可能にするためには通約可能なものを探しだしたり作り出したり、通約不可能なものを保留にしたり切り捨てたり する必要がある。そこには何が通約可能とされ何が不可能とされるか取捨選択する力関係がはたらく。また、翻訳をある思考体系と別の思考体系のあい だのやり取りとすれば、翻訳は同じ言語を使う個人間でも行われるし、ある実践体系と別の実践体系のあいだのやり取りとすれば、実践動作を生み出す のに必要な人間以外のモノやコトとの間でも翻訳が行われている。私たちは日々つねに他者やモノやコトとのあいだで翻訳作業を行いながら力関係の網 の目が交差する中で生活していることになる。この日常の力学と政治性をどうとらえたらよいだろうか。
 文化人類学の「文化の翻訳」議論、アクターネットワーク理論の「トランスレーション」概念、脱植民地主義比較文学の翻訳の政治性議論などからヒ ントを得て、カナダの国立公園で働く日本人ガイドたちが国立公園が求める生態学的知識に基づいた「自然の通訳」 に格闘する事例をもとに、 「近代科学」とそれ以外とされる知(とその実践)の関係性を考えたい。
(2)水谷裕佳(上智大学)「先住民による有機農産物の生産と消費を取り巻く在来知と近代科学:米国アリゾナ州トオノ・オータムの事例」
 米国メキシコ国境地帯に広がるソノラ砂漠に居住する先住民トオノ・オータムのうち、米国アリゾナ州で生活する人々の間では、近年有機農産物の生 産と消費が盛んに行われている。本発表では、それが在来知と近代科学両方の要素によって構成され、かつ先住民と非先住民の両者が関与する活動で あって、トオノ・オータム古来の技術や習慣が単純に復興したものではないことを、具体的な例を挙げながら論じる。

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