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【アフリカ学会】日本アフリカ学会関西支部企画研究会(11月28日・土)

2015.11.27

アフリカ学会経由でのお知らせです。


日付:2015年11月28日(土)
会場:龍谷大学ともいき荘 3階 第4研修室
https://www.ryukoku.ac.jp/tomoikiso/access.html
(アクセス:地下鉄「丸太町駅」2番出口から徒歩6分、市バス烏丸下長者町から徒歩3分)

第1部:若手研究会(日本アフリカ学会関西支部企画)13:30~15:00
発表者:小川さやか氏(立命館大学)
発表テーマ:「〈借り〉をまわすシステム―タンザニアにおける携帯を通じた送金システムを事例に」
発表要旨:
 フランスの哲学者ナタリー・サルトゥー=ラジュは『借りの哲学』(2014)において,自律的な主体観の成立とともに失われた〈借り〉の復権を唱えた。〈借り〉は一般的に否定的な意味でとらえられ,人間関係を縛るものだと考えられている。私たちは他者に借りをつくることを厭い,誰の世話にもならずに生きることを賛美する。だが,サルトゥー=ラジュは,このような考え方こそ,債務危機を迎えた現代の資本主義経済が抱える問題の根源であると指摘する。彼女の主張の骨子はつぎの通りである。
 貨幣経済が発展する前,モノや金を借りたり,恩を受けたコトを返せないことは,自由を差し出し,貸し手に文字通り隷属することを意味する恐ろしい事態だった。資本主義経済が発達し,あらゆるモノ,コトが貨幣により置換・交換可能になると,人は債務を負っても市場で労働を貨幣に換えて,〈借り〉のすべてを「負債」として支払うことができるようになった。資本主義経済は〈借り〉を基盤とした社会のしがらみから人々を解き放ち,あたかも人は自分ひとりで生きることができるような錯覚をもたらした。しかしそれは見せかけの自由,自律だった。人々は「クレジットローン」などの新たな負債を抱えることになった。金がない者は負債を払えず,かといって社会に〈借り〉をつくる形で頼ることもできず,より大きな苦しみを味わうようになった。いまこそ資本主義が排除しようとした〈借り〉の概念を復活させる必要がある。
 ここで彼女はまず,人間は生まれながらにしてそもそも〈借り〉を負っており,生きることは〈借り〉を作ることであり,人間はどうあがいても〈借り〉からは逃れられないことを認める必要があると論じる。そのうえで,「過度な負い目を与える」という〈借り〉の負の側面をコントロールすることが可能な「返さなくてもよい〈借り〉」を中心としたシステムを構築する必要があると主張する。
 本発表では、サルトゥー・ラジュの問題提起を出発点とし、タンザニアにおいて携帯電話の送金サービスを通じた金銭のやり取りが,それまでの人々の貸し借りをめぐる関係性をいかに変化,あるいは顕現させたのかを明らかにする。それを通じて,サルトゥー=ラジュが提案したものとは異なる「返さなくてもよい〈借り〉」を中心とした自生的・自律的なシステムの現代的可能性について論じる。


第2部:アフリカ研究セミナー(日本アフリカ学会関西支部・龍谷大学社会科学研究所共催)15:30~17:00
発表者:Dr Kim Kwang-su氏(韓国外国語大学校アフリカ研究所准教授)
発表テーマ:"The Contextualization of the DRC's History and Culture focusing
on the Afrocentrism: With Mobutu Sese Seko's Historical Consciousness
on Place Name Changes"
発表要旨:Place names show culture and strongly reflect identity. They also
reveal existing political order, and therefore its key values and
ideology. Mobutu’s work on place name changes should be understood as
a part of nation-building process. Such work is indispensable in
building a new identity and historical consciousness.
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
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