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【文化人類学会】京都人類学研究会7月季節例会(シンポジウム)のお知らせ

2014.07.03
文化人類学会よりお知らせです。
 

◇京都人類学研究会7月季節例会◇
 
シンポジウム「呪術的実践=知の現代的諸相: 科学/医療/宗教/その他の実践=知との並存状況から」
 
【日時】
2014年7月12日(土)13:30開演(13:00開場)
~17:30終了予定
【会場】
京都大学人文科学研究所 4階大会議室
 
 
【登壇者】
[司会/コーディネーター] 川田牧人(成城大学)
[発表者] 津村文彦(福井県立大学)
       飯田淳子(川崎医療福祉大学)
       黒川正剛(太成学院大学)、
[コメンテーター] 島薗洋介(大阪大学)
           内藤順子(早稲田大学)
 
【シンポジウム趣旨】
 現代世界において、呪術はいかなる位置をしめ、また現代の知識環境においていかなる有効性を発揮しうるのか。このシンポジウムでは「実践=知」という視角から現代世界における呪術をとらえ、それが科学や宗教、医療など〈近代〉によってもたらされたとされる実践=知といかにして並存状況を生成させ、現代世界を構成しているのかを考えたい。
 「実践=知」という語は、感覚を含む行為と知識・信念の双方にわたる概念として、便宜的に用いている。いわゆる実践派と知識派を架橋するような明確な意図はないが、呪術を「信じる・知る・行う・感じる」という知覚作用の統合されたものとして考える契機として、議論の出発点としたい。
 発表者はいずれも、『呪術の人類学』(2012年、白川・川田編、人文書院)の著者である。この著作(とそれに先立つ民博共同研究「知識と行為の相互関係からみる呪術的諸実践」)においては、「言葉/行為」を基本的枠組みとし、呪術を両者の相互作用として捉えることを追究してきた。今回はその後の展開として、「言葉/行為」をさらにひろげるものとして上記の四つの動詞を出発点とする議論を展開したい。
 
 
【当日タイムテーブル】
 
13:30-13:40 イントロダクション・趣旨説明(川田牧人)
 
13:40-14:25 第一発表(津村文彦
 
14:25-15:10 第二発表(飯田淳子
 
15:10-15:55 第三発表(黒川正剛
 
15:55-16:10 休憩
 
16:10-16:20 第一コメント(島薗洋介)
 
16:20-16:30 第二コメント(内藤順子)
 
16:30-16:50 コメント討論(発表者&コメンテーター)
 
16:50-17:30 フロア質疑応答、全体討論
 
 
【発表要旨】
第一発表: 津村文彦
「パオで治るということ: 東北タイの呪医の実践をとりまく力」
 本発表は、東北タイの呪医モーパオが現在も治療実践を継続していることに焦点を当てる。モーパオとその周辺にある他の知識=実践群との関係から、呪医による治療の現代的な布置を捉えるのが目的となる。
 モーパオは、パオ(呪文・聖水などを吹きかけること)によって毒蛇咬傷や骨折・捻挫、その他の外傷を治療するタイの呪医である。『呪術の人類学』(2012年、白川・川田編、人文書院)所収の論考「呪師の確信と疑心」では、モーパオを、自らの行為(パオ)と言葉(治ること)のあいだのズレを抱えたまま治療を行う呪師として描出した。本発表では、もう一歩踏み込んで、東北タイ農村のほかの医療施設(病院、保健センター)や伝統医療師(注射医モーチートヤー)との関係を背景にして、モーパオの治療実践を現在も支え続ける複数の知識の配置について考えたい。 
 
 
第二発表: 飯田淳子
「呪術と感覚的経験: 北タイの農村・病院・学校における語りと実践から」
 「不可視なものとの接触―北タイ農村における患いと治療」(白川・川田編『呪術の人類学』)では、感覚的経験、特に接触が呪術的治療のリアリティに及ぼす役割を考察した。それをふまえ、本発表では、北タイの多様な人々が科学や近代医療等との関係性の中で呪術をどうとらえ、実践し、その効力について語っているかを、やはり感覚的経験に焦点を当てて検討する。学校教育や病院医療が浸透する中、学校の教師や病院の医師を含む人々は呪術を科学によって否定したり、逆にそれによって説明したりする一方で、精霊や「毒」などの「科学では説明できない」ものの存在について語り、恐れている。その際、霊的なものの存在や呪術的治療の効果(らしきもの)等を何らかの形で感じたかどうかが、その語りや行為 に少なからず影響している。上掲論文では特に可視性や触知性に着目したが、本発表では五感以外のものを含め、その他の感覚も視野に入れて考えたい。
 
 
第三発表: 黒川正剛
「呪術的実践=知の歴史的諸相: 西欧近世における魔女信仰の視角から」
 呪術/魔術が西欧社会でクロース・アップされたのは魔女狩りが猖獗を極めた16・17世紀の近世のことである。本発表では、西欧近世社会において呪術/魔術が占めていた位置を魔女信仰の視角から探究することによって、呪術的実践=知の「歴史的諸相」と「現代的諸相」の連関性を考えてみたい。「呪術と現実・真実・想像―西欧近世の魔女言説から」(白川・川田編『呪術の人類学』人文書院、2012年所収)で考察した呪術のリアリティに関する問題、また『魔女狩り―西欧の三つの近代化』(講談社選書メチエ、2014年)でふれた「視覚」「自然認識」「他者排除」に関わる三つの近代化の問題を基盤にアプローチを試みる。また可能な限り、西欧近世の呪術/魔術、魔女信仰における4つの知覚作用「信じる・知る・行う・感じる」について考えてみたい。
 
 
【備考】
*京都人類学研究会は京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生が研究成果を報告する場です。
*事前の参加予約は必要ありません。どなたでも自由にご参加いただけます。
*当日は、資料代として200円いただきます。
 
【お問い合わせ先】
京都人類学研究会2014年度事務局:kyojinken2014[at]gmail.com
([at]を@に替えて送信して下さい。)
 
 
◇京都人類学研究会2014年度運営委員◇
代表: 風間計博
代表補佐: 田中雅一
協力: 深川宏樹
学生幹事:
安達千李、一戸恒人、川口博子、Caitlin Coker、合原織部、顧平原、佐野文哉、関口慶太郎、中村友香、彭宇潔、松隈俊佑、宮木 和、山田奈緒美、楊大為、吉田祐貴、吉村美和
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