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【社会連携/熊本ユニセフ】参加報告① イボンヌ・チャカチャカ氏講演会 ~故 マンデラ大統領の国葬で歌をささげ、アパルトヘイト時代を戦い抜いた女性~/参加報 告② 第5回実行委員会(明星大学・菊池滋夫先生 講演)/参加報告③ 分科会打ち合わせ

2014.07.14
ユニセフ開催イベントの参加報告3つです。
 
2014年度文化人類学研究室・慶田ゼミのメンバーは、第22回「アフリカの子どもの日」実行委員として事前準備(実行委員会)に参加してきました。ユニセフの皆さんや地元の高校生と連携し、イベント達成のノウハウや大変さを学びながら、「アフリカの子どもの日」を盛り上げるお手伝いができたのではないでしょうか。
来年もぜひ参加したいです!
 
当日の報告は近日中にアップします。
 
 
★熊本ユニセフ これからの予定:http://www1.odn.ne.jp/unicef-kumamoto/schedule.html
 

★参加報告①イボンヌ・チャカチャカ氏講演会
 ~故マンデラ大統領の国葬で歌をささげ、アパルトヘイト時代を戦い抜いた女性~
 
1)概要(熊本ユニセフ 2014年度活動報告:http://www1.odn.ne.jp/unicef-kumamoto/activity.html
日時:2014年6月18日(水)11:00~12:30
会場:熊本現代美術館アートロフト
参加費:無料
 
イボンヌ・チャカチャカ氏は、今回GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)親善大使として予防接種の重要性を訴えるため訪日し、熊本でも講演会を開催しました。
急に決定した講演会でしたが、新聞やラジオなど報道機関のお知らせもあり、当日は150人の参加者がありました。
 
イボンヌ氏は、南アフリカ共和国出身の歌手として、また、アフリカの保健推進や感染症予防を推進する活動家として世界的に知られている方です。故ネルソン・マンデラ南ア大統領が27年にわたる獄中生活を送っていたとき、ラジオから流れる彼女の歌に励まされたのがきっかけで同氏と親交を深め、同氏の国葬では歌を捧げました。アパルトヘイト時代を生き抜き、ルワンダの虐殺を扱った映画「ホテルルワンダ」でも挿入歌を歌っています。
 
東アフリカ地域ユニセフ親善大使、GAVI親善大使。
 
 
2)報告―声なき人々の声を世界へ
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(講演中のイボンヌさん)           (質疑応答中)
 
 本講演において、南アの旧黒人居住区であるソウェトで生まれたイボンヌさんの声は終始、「声なき人々(the voiceless people)」を代弁するために用いられていた。彼女の目的は、才能に恵まれた自分の声を用いて声なき人々の声を世界各地に届けること、南アのアパルトヘイトの状況を世界に伝えること、そして歌によって人々をひとつにすることだという。
 
 「死ぬときは何も持たずに死ぬ」という彼女の言葉に集約されているように、イボンヌさんは有名歌手となった今も、南アのタウンシップで生まれ育った貧しい黒人女性であるという困難を忘れてはいない。「自分がどう生まれるかを人は自分で決めることはできないが、誰かの助けがあればなりたいものになれる」。イボンヌさんがユニセフやGAVIの活動に参加する動機は、他人の助けによって今の自分があるという体験に基づいている。そして現在は、彼女自身が誰かに助けを与える存在になっているのである。
 
 イボンヌさんの話から想起されたのは、サバルタンは語ることができるのか、そして、サバルタンの声をどうすれば聞くことができるのかというスピヴァクの問いであった。最近出版されたスピヴァクの日本講演集( 『いくつもの声 ガヤトリ・C・スピヴァク日本講演集』 2014、人文書院、ガヤトリ・C・スピヴァク 著、星野 俊也 編、本橋 哲也・篠原 雅武 訳)では、自分や自分が属するグループ以外の他者について想像することの重要性が再確認されている(星野による序文、9頁)。イボンヌさんは南アの歴史や実態、草の根レベルの声を「歌手」として他者に伝え、他者に想像させる力を持っていると私は感じた。
 
 マンデラ氏の逸話も印象的だった。17年間の投獄から解放されたマンデラ氏に、彼女は「これから白人を殺すのか?」と尋ねたという。しかしマンデラ氏が述べたのは、全てを「赦す」ことの大切さであったと彼女は語る。そして人々を導く教師のように、助け合うこと、苦しくてもユーモアを忘れないことを伝えてくれたという。犬を放ち黒人を噛ませるという、信じられないような迫害を受けたこともあるという彼女だが、迫害の構図を反転させて黒人が白人を支配下に置くことを構想するのではなく、連帯と共存の道を探ることが大切だと私たちに教えてくれた。
 
 この日、彼女は私たちに歌を歌ってくれた。日本で毎日暮らしていると、アパルトヘイト時代の現地の人々の苦しみは、現実感がない過去の歴史的事象のように思われる。そのような苦しみがあることも知らず、想像すらしてみない人がほとんどだろう。しかし、現在を生きながら熊本まで来て歌ってくれたイボンヌさんをはじめ、今度「アフリカの子どもの日」で会う留学生や日本で働くアフリカ出身者、またはアフリカにルーツを持つ人々など、少し意識してみると、私たちの日常にもアフリカへの入口が開いていることに気づく。それは出会う人であったり、映画や音楽であるかもしれない。私はイボンヌさんの歌を聴くことで自分がアフリカやその歴史とつながっていることを再確認し、アフリカへの興味がさらに深まった。大変よい機会をありがとうございました。
(香室)

 
★参加報告② 第5回実行委員会(明星大学・菊池滋夫先生 講演)
 
1)概要
[日時]
2014年6月21日 14:00-
熊本市現代美術館アートロフト
 
[プログラム]
 1.挨拶
 2.DVD視聴「子どもと武力紛争」
 3.スケジュールと役割確認、分科会打ち合わせ
 4.さくら音頭の練習
 5.慶田先生・菊池先生のお話(分科会⑧Africafe<バラザ>でアフリカと出会おう!)
 
 
2)報告―バラザから学ぶ"Africa for Japan"
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(左:慶田先生   右:菊池先生)           (分科会打ち合わせ中の人類学学生)
 
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(バラザについて教える菊池先生 × 2)
 
 
 熊大人類学の学生は今回、「バラザ」を開くことでアフリカのコミュニケーション方法を学ぶという分科会の開催を手伝っている。この日は分科会講師であり、日本でバラザを通した教育方法を推進してきた人類学者・菊池先生のお話を聞くことができた。
 
 「バラザ」はザンジバル(タンザニア)など東アフリカで流通しているスワヒリ語であり、公衆の集会場所や話し合いの場、会議や裁判を意味する、知り合いを増やすための日常的コミュニケーションの役割をはたすお喋りの場である。バラザは公民館のような建物ではなく、街角のベンチや路地、広場といった、仕切りのないオープンスペースであり、人々が自由にいつでも立ち寄り、話し、そして立ち去る場所のようである。そこでは、家族や恋人に関するプライベートな話から政治の話まで、さまざまなおしゃべりが毎日繰り広げられているという。
 
 重要なのは、バラザは話す以外にも、ボードゲームをしたり、勉強をしたり、ただそこに居ればいい空間だということだった。気が向いたら喋ればよいし、面白い話が始まったらそばによって聞けばよい。バラザのコミュニケーション形態は「ゆるい」のであり、メッセージを受け取ったらすぐに返さねばならない「LINE」のようなコミュニケーション・ツールの対極にあるのかもしれない。
 
 菊池先生が示してくれたのは、「他者」との出会いが反省的思考を促すということである。明星大学菊池ゼミでは、学生をザンジバルに連れて行き、現地のバラザに参与するというフィールドワークが行われてきた。学生たちはザラザに集う人々と触れ合うことで、自分の大学生活や勉強への姿勢を見つめ直したり、時間の過ごし方や多様な言語について学んでいるという。
 
 日本人は「自分たちがアフリカに教えてあげねば、アフリカを発展させねば」ということを言いがちである。しかし、菊池先生が試みるのは、日本人がアフリカから学ぶこと、"Africa for Japan"であった。日本人が身につけていないようなコミュニケーション方法や多様性を受け入れる知恵を、いまアフリカから学ぶ意義は高い。当日の分科会でアフリカの留学生や参加者たちと色々な話しをするのが非常に楽しみになってきた。
(香室)
 
 
(参照)
明星大学HP「a2006 ザンジバル・フィールドワークに参加した学生からの報告」http://www.meisei-u.ac.jp/academics/humanities/international/addition/activity/a2006.html
「アフリカの素晴らしさを伝える授業、それが“アフリカフェ”(2010.12)」
 

★参加報告③ 分科会打ち合わせ
 7月1日(火)に熊大人類学研究室にて、分科会の打ち合わせをしました。参加者はユニセフ熊本の伊原さん、我らがリーダー真和高校の嶋崎さん、熊大法学部の佐藤くん、熊大人類学研究室のメンバーです。
 
 打ち合わせでは、バラザでのトークテーマの設定(日本の通学路と自転車利用、携帯電話、サッカー、ポコ・ハラム)と、トークテーマをイメージするための写真準備の確認をおこないました。イスをどう配置するかやグループの人数・構成など、バラザを過ごしやすい空間にするためのアイディアをみんなで出し合いました。当日がんばりましょう!
 
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●第22回 「アフリカの子どもの日」in Kumamoto
      ~もっと知ろうアフリカ・・・そして日本を~
 
今年も、アフリカ諸国から日本に留学している若者を招き、熊本の中、高、大学生たちと、お互いの国の文化や様々な問題について、ともに話し合い交流を深めようと思います。
小学生や一般の方のご参加も歓迎します。
 
期日:2014年7月11日(金)?13日(日)
会場:熊本県立劇場地下大会議室、くまもと県民交流館パレア ほか
 
  11日(金) 水俣訪問 (水俣市立水俣病資料館、国立水俣病情報センター ほか)
 
  12日(土) 11:15 熊本大学訪問 谷口功学長講話
 
         14:00 オープニング (熊本県立劇場地下大会議室)
 
               基調講演  フランソワ・ウビダ駐日ブルキナファソ大使
 
         17:45~交流会 (県立劇場地下会議室)
 
  13日(日) 9:00 分科会 (県民交流館パレア)
 
         12:30 昼食
 
         13:30 全体会
 
         16:00 終了
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