慶田研究室ニュース

【KAFS】報告・熊本人類学映画会 第4回 10/1(Sat)「風の波紋」上映会&小林茂監督トーク in 水俣

10/1(土)にKAFSの第4回 水俣実行委員会主催の「風の波紋」上映会&小林茂監督トークin水俣に参加しました。
 
 小林茂監督「風の波紋」は越後妻有(えちごつまり)の里山を舞台に、雪深い村に都会から移り住んだ木暮さん夫婦を中心とした村の人びとの交流を描いた作品です。村の生活は決して楽ではないですが、村人と互いに協力し合っている様子が映し出されていました。2011年3月に起きた新潟大地震で木暮さんの家も全壊してしまいますが、再建を決意していきます。修復作業では村人との関係がコミカルに描かれていました。ついつい笑ってしまいましたが、厳しい環境で生きる人びとの姿が力強く、最後は心温まる作品でした。ドキュメンタリー映画で登場する人々は実際に住んでいる村人でしたが、みなさんフィルムの前でも自然体でいる姿が大変印象的でした。撮影スタッフが足繁く村に通い村人と関係性を育み生まれた結果だと思いました。
 上映後には「風の波紋」の主題歌を歌う天野季子さんの生演奏を聞き、小林監督のトークショーが行われました。撮影の裏話や上映会参加者からの質問に答え大盛り上がりでした!
 
 10/2(日)には、水俣実行委員会主催の佐藤真監督「阿賀に生きる」を観て語る~水俣病公式確認60年、新潟水俣病から51年のいま考える、『豊かさとは何か』~が行われました。会場には撮影監督を務めた小林氏と作中に登場する旗野氏がいらっしゃいました。
 「阿賀に生きる」は新潟水俣病を患う人たちの日常生活を描いた映画です。上映は、一般財団法人水俣病センター 相思社で行われました。広い畳部屋で足を伸ばしながらラフな形で行われました。今回は上映中でも映像を一旦止めて、その当時の裏話やスタッフの思いなどを解説してくれました。映画に対する熱意や考え方、本音、映画に登場する村人たちへの深い愛情が伝わる話を聞くことができました。画中に出てくる村人は未認定水俣患者であったり、水俣患者として原告として戦っている人びとでした。水銀を垂れ流した工場の一つとなる昭和工場が建ち、村自体活性化されたのも事実で会社に感謝する村人もいます。一方で、水俣病が発症し会社を訴える村人もおり、恩を仇で返すのか、と言われることも多くあったそうです。村自体も分裂する中、「虫さされ地蔵」を祀るお祭りでは、そういった分裂など関係なく祈りを捧げるシーンも描かれていました。「私は水俣病ではない。」この言葉は旗野氏が教えてくれた、ある村人の言葉です。これは水俣病というくくりで、その人の全てをきめつけることに対する否定の言葉です。この映画は、水俣病も抱えていますが、何よりも日々、人びとが生きて生活しているという点に焦点を当てています。水俣病はほんの一部であり、それが全てその人を表すことではないのだと改めて感じることができました。抱える問題はたしかに大きいですが、生きている空間や関係性など多くのものを感じとらなければ、人の豊かさに触れることはできないのではないかと感じました。(松永)
 

minamatawan.JPG kazenohamon.JPG

1日目、美しい不知火海と「風の波紋」会場

eigajouei.JPG 

2日目、「阿賀に生きる」会場

 
次回は11/17(木)第5回KAFSスペシャルを熊本市現代美術館(CAMK)アートロフト(5階)で開催予定です。
国立民族学博物館より映像人類学者の川瀬慈さん、ノルウェー北極大学より映像人類学者のラガッツィ・ロゼッラさんをお招きしたスペシャルKAFSです!是非ご参加ください。
 
 
これまでのKAFSの活動
★セッション第5回 お知らせ
★セッション第4回 お知らせ・報告
★セッション第3回 お知らせ報告
★セッション第2回 お知らせ報告
★セッション第1回 お知らせ報告
 

 

ニュース一覧に戻る