文学科

比較文学

hikakubungaku_04.jpg日本の大学では、「比較文学」や「比較文化」の教育がかなり普及してきたけれども、比較研究を専門とする課程はまだ多くありません。1982年に創設された私たちの比較文学研究室では、国や言語を超え、広い視野で世界の文学や文化の研究と教育を行なっています。これまでの卒業生のなかには、古今集や夏目漱石、ヘミングウェイやジョイスなど、国文学・英文学の研究対象を「比較文学的」に論じた人もいれば、アンデルセン(デンマーク語作家)、ボルヘス(スペイン語作家)を原典から読んで論じた人、「ヒッピー文化」やマンガをテーマに選んだ人もいます。比較文学研究室の特徴は、バラエティーの豊かさにあります。

「比較」とは、開かれた視野のなかで、物事をできるだけ相対的に把握しようとする学問的な姿勢と方法をいいます。あえて地域や言語を限定せず、各自が多くの文化に接し、相互に知識や発想を交換しあうことは、まさにグローバル化した現代社会において求められる能力だといえるでしょう。専任教員は4名で、中国・韓国古典から日中ヨーロッパの近現代文学に至る広い研究領域をカバーしています。


授業内容と授業科目例

学年 授業内容 授業科目例
2年次 比較文学の一般的研究方法について学ぶ。日本語や外国語の文章を的確かつ問題意識をもって読む能力を養う。 比較文学概論Ⅰ・Ⅱ
比較文学基礎演習
比較文化Ⅰ
3年次 世界の多様な文学に触れることを通じて、文学的な視野を拡大する。自ら課題を発見し、調べ、発表する能力を養う。 比較文学特殊講義
比較文学演習
課題研究Ⅰ・Ⅱ
4年次 3年次までに培った能力をさらに伸ばし、卒業論文の執筆に取り組む。 比較文学特殊講義
比較文学演習
課題研究Ⅲ

卒業論文のテーマ例

村上春樹の翻訳姿勢―『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を例に/日本における『アリス』の受容と展開/アーサー・ウェイリー訳『源氏物語』研究/伝承と寓話の日英比較文化―超自然の観点から/日本文学における魔女の変遷/ラフカディオ・ハーンの再話文学―再話作品に見られるハーンの変化

メッセージ

朴 美子(韓中比較文学、日中韓比較文化)

比較文学研究室では、言語圏や国境を超えたグローバルな視点に立つことを基本姿勢とし、2カ国以上の文学間における影響関係の研究や、美術や音楽など他の芸術と文学とのクロスジャンル研究、他の学問領域の視点を導入した学際的な文学研究と教育を行っています。今の国際社会のグローバル化に対応するためには、異文化理解や多角的視野の育成がますます重要になっています。比較文学研究室では、比較文学・文化研究という入り口を通して視野を広げることによって国際社会に適応できる人材の育成に努めています。比較文学・文化研究に興味をもつ皆さんは、多種多様な芸術や学問に接するように心がけるとよいでしょう。

塚本 千晶(3年)

比較文学研究室では、自分の好きな分野を深く追究することができます。また、国や地域、様々な言語文化にまたがった比較を行うことで多角的な視点を身に付けることもできます。深く知ることで、わたしたちが今まで知らなかった、身近な物事の新たな側面を発見することができます。研究対象は決して文学作品に限りません。映像作品や美術など、自分が関心を持ったものについて着目し、知識を深めることも可能です。どんな研究テーマでも適切に指導できる先生方や、わたしたちとは異なる視点・習慣を持つ留学生との交流の中で得た学びは、他の研究室では得難い、かけがえのないものとなるだろうと感じます。

  • 大学院社会文化科学研究科
  • 熊本大学文学部附属永青文庫研究センター

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