総合人間学科

社会学

 人間は社会のなかで社会生活をしながら生きています。その社会や社会生活、それを営む人間を研究する学問が社会学です。当たり前と思って日々すごしている社会生活のなかには、例えば結婚退職するのが男性ではなくて、なぜ女性なのか、少子化が進むのはなぜなのか、などについてその理由を知らないことが案外多いものです。


 21世紀に更なる飛躍が期待されている社会学は、このよう疑問に対して、意外な答えを出していきます。一見つながりがなさそうに見える多くのことがらが、実は相互に密接につながりあっていることが多いものです。ミステリーの謎を解くような楽しみは、社会学を本気で学んだものにしか味わえない楽しみでしょう。

 社会学の楽しみは、無限ともいえる広がりをもっています。基礎的なところでは、人間とは何か、人間の心理と社会や文化とのつながりは何か、社会はどのようにして成り立つか、などの根本的ともいえる疑問に対して答えを見つけ出していく楽しみです。


 さらに次のような応用的な問題にも取り組みます。今日の家族・福祉・医療・教育・政治・宗教・民族(移民)問題。学歴社会・企業・職業と労働・余暇・マスコミとインターネット・現代映像文化・犯罪と非行・流行などなど。数え上げればきりがありません。


 社会学は書物から学ぶだけではありません。課題解決の方法や解決の技術や技法を、フィールドでの調査実習を通して生きた知識として学び、生きる力として身につけることができます。その経験が、社会学を学んだ人の将来の職業生活や家庭生活における「強み」にもなるのです。
 授業は受身で学習する形式よりも、学生による発表や報告、討論を多く取り入れ、能動的に参加するゼミ形式を重視しています。


 さらに社会調査の実習をカリキュラムのなかに用意しています。実習ではアンケート調査やインタビュー調査によってデータを収集する技術、パソコンでそれを分析する技術を磨きます。


 この実習を通して、企画立案・実施・役割調整とリーダーシップ・文書の作成・成果のプレゼンテーションなど、職業生活で求められる重要な基礎能力が身につきます。


 卒業後の進路は、このような教育の成果として身につけた広い視野と深い専門的知識、企画力と行動力を活かせる広汎な部門に及んでいます。

授業内容と授業科目例

学年 授業内容 授業科目例
1年次 さまざまな社会現象に対する社会学的な考え方を知り、初めて社会学の世界に触れます。 社会学概論Ⅰ
2年次 人間や社会、文化についての社会学の基礎を学びます。 社会人間学演習
社会調査法概説
社会学概論Ⅱ
社会人間学特殊講義
3年次 各自が関心をもつテーマに沿って、社会学の応用的知識と研究を深め、社会調査の技術を磨きます。 社会学演習
現代社会分析演習
社会調査実習Ⅰ・Ⅱ
課題研究Ⅰ・Ⅱ
4年次 教員の指導を受けながら、それまでの蓄積をもとに、卒業論文に取り組みます。 社会人間学応用演習
課題研究Ⅲ
卒業論文

卒業論文のテーマ例

現代における自治会の機能/現代日本における結婚観について/ボランティアの阻害要因に関する研究/日本の労働市場において外国人労働者が必要とされるとき/女子マネージャーの社会学的考察/恋愛におけるリスクとリスクヘッジ/日本の教育危機/児童虐待に関する社会学的考察

メッセージ

松浦 雄介先生(社会学)

 私たちは誰しも、社会という複雑に入り組んだ網の目のなかで生きています。しかしこの網の目は、直接目で見ることはできません。社会学は、目に見えないけれども、しかしたしかに自分を取り巻いている網の目が、いったいどのようなものであり、そしてどのようにして成り立ってい(たりいなかったりす)るのかを、理論的考察と実証的調査をつうじて明らかにする学問です。社会生活のなかで抱く謎や疑問から出発し、社会学のツールを用いて網の目を辿ってゆくと、意外なところに意外な答えが見つかるかもしれません。この迷路のような現代社会の知的探求こそが、社会学の最大の醍醐味です。

姫野 裕太(2014年3月卒)

 目に見えない「社会」を記述する社会学を学ぶ私たちは、それぞれの興味関心に基づき、社会を描こうとしています。その対象は貧困や郊外化などの社会問題や社会現象から、スポーツやSNS、さらには名付けや読書、ボランティア活動といった身近なことまで、非常に幅広いものです。

 どんなことでも社会学の対象となるので、研究室の中では一つとして同じテーマを研究する人はいません。一人で調査を進めるのは非常に難しいですが、それぞれの意見をゼミでぶつけあうことで、また違った視点を得ることができます。それは社会学という共通の土台の上、それぞれが自分の知りたいことを追求しているからこそ、できることだと思います。友人たちと共に、社会を考察し自分の言葉で表現できることが、ここで社会学を学ぶ醍醐味の一つだと私は思います。

 

  • 大学院社会文化科学研究科
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