歴史学科

文化史学

bunkasigaku_03.jpg歴史学科の中でも、文化史は、とてもユニークな分野です。

第一に、文化史では、高校までに習ったことがない「もう一つの歴史」を学びます。それは思想史です。歴史、とりわけ「近代」を生きた歴史的個性としての人物の思想を研究対象にします。彼ら/彼女ら(もしくはそうしたくくり方になじまない人々)が、社会の中で何を考えどう行動したのかを考察します。

bunkasigaku_04.jpg第二に、文化史は、日本とヨーロッパを中心として、「文明」「進歩」「自由」「ナショナリズム」など、「近代」を支えてきた思想を手がかりに、「近代」という時代の意味を考え、「近代」を相対化することを目ざしています。

第三に、マイノリティ問題やジェンダー、デモクラシー論など、現代的課題も積極的に取り上げ、現代を生きる上で必要不可欠な社会的関心と現実的感覚を磨き上げます。

思想史を中心に幅広い学習ができる分野は、他の国立大学の中にはほとんどありません。さあ、文化史の扉をノックしてみませんか。

授業内容と授業科目例

学年 授業内容 授業科目例
特色:卒業論文の作成に向けた2年次からの一貫指導。
2年次 調べ、読み、話し、書くための基本的力量を養う。 世界システム史購読
世界システム史基礎演習
文化史概説
3年次 基本的力量の更なる充実をめざす。研究テーマをみつける。 課題研究Ⅰ・Ⅱ
世界システム史演習
世界システム史特殊講義
4年次 卒業論文を作成する。 課題研究Ⅲ
世界システム史演習

卒業論文のテーマ例

「国技・相撲」の誕生/手塚治虫論/平塚らいてう研究/石川啄木の社会思想/ナチズムと自由/ナショナリズムの現在/二本木遊郭研究/ハンセン病と宗教/戦争と音楽-山田耕筰を中心に-/「オリエンタリズム」 考/原爆認識の歴史/長谷川町子研究/日本の近代化とクリスマス/日本ファシズムと会津精神

メッセージ

鈴木 啓孝先生(近代日本思想史)

天平文化、国風文化、北山文化、元禄文化…試験勉強で、絵画や建築、文芸や宗教などのジャンルごと作者と作品名を丸暗記してきた…「文化史」と聞けばそういう苦い記憶がよみがえるかもしれません。しかし、そんなイヤなことは忘れてしまいましょう。文化とは、ある時代のある地域で「われわれ」意識(「あいつら」と「われわれ」は違う)が芽生えた時に必要とされ、思想的根拠をもって人為的に形成されるものです。そしてその歴史的経緯を、資料と理論を基に捉え返そうというのが文化史研究なのです。近代以後、そうした「われわれ」意識の最強は国家であるため、たとえば日本なら日本文化、アメリカならアメリカ文化という枠組みで形成される文化がメインストリームとなっています。他方、沖縄文化、黒人文化、若者文化、ネット文化などなど、「われわれ」の必要に応じてさまざまな枠組みでサブカルチャーが形成され、変容し、時に消失していきます。対象は何でも構いません。ここ文化史研究室では、文学、思想、哲学、宗教などお堅いものから、映画、アニメ、音楽、スポーツなど身近なものまで、各自好きな素材とテーマを選択し、その成り立ちについて自由に探求できるのです。

深堀 純(3年)

「文化」という言葉の意味が多様であるのと同様に、「文化史」の研究は広範かつ深いものです。当研究室では、特に近現代の思想を研究対象としています。思想と言えば、難解な哲学や倫理学などを思い浮かべるかもしれませんが、研究対象はこうしたものに限定されません。その時代に生きた人間の考え、例えば小説や絵画、漫画でさえも、立派な思想の研究対象となります。過去の人間の考えを多角的に分析し、時には共感して喜び、時には意見が食い違って喧嘩しながら、その人物の思想、そしてその人物の生きた歴史を理解しようと試みる。そして、その考え (思想)を、我々現代人の人生、ひいては社会の手がかりとして活かしてゆく。これが、当研究室で楽しむことのできる歴史学の方法です。

  • 大学院社会文化科学研究科
  • 熊本大学文学部附属永青文庫研究センター

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