歴史学科

西洋史学

seiyoshi_03.jpg現代社会の問題を議論するときに、欧米社会の事柄がよく先進的な例として引き合いに出されます。アメリカではこうだ、イギリスではどうだといった調子です。「はいはい、イギリスやアメリカは偉い」と言いたくなるでしょうし、何だかもう欧米のことは判ったような気になるかもしれませんが、ちょっと待った。実際はどれだけ欧米社会の内実や歴史を理解した発言なのでしょう。また、どうして欧米ばかりを「基準」にする必要があるのでしょう。そもそも「先進」って何だろう。

seiyoshi_04.jpgここ熊本大学文学部の西洋史では、等身大のヨーロッパ・アメリカ像を描くようにいつも言ってます。また、西欧は絶対ではなくあくまで一つの地域だと考えています。すなわち、人権宣言や産業革命といった「美辞麗句」を越え、ヨーロッパ・アメリカ的世界の歴史をトータルに、つまり表も裏も、建前も本音もひっくるめて理解しようとしています。意味のある日欧比較の作業も、それではじめて可能になるのではないでしょうか。

本研究室はヨーロッパ史ならびにアメリカ史を研究教育の軸とし、学生はこれらを手掛かりにして卒業論文のテーマを自由に探すことになります。先生の仕事を横目で見つつ、ぜひ自分のエリアを開拓して下さい。

授業内容と授業科目例

学年 授業内容 授業科目例
特色:欧米の研究書講読に基礎を置く、積み上げ型の指導。
2年次 ヨーロッパ・アメリカ史学の基礎知識の修得。 世界システム史概説
世界システム史基礎演習
世界システム史購読
3年次 調べ、発表し、討論する力を養う。研究テーマをみつける。 世界システム史演習
世界システム史特殊講義
課題研究Ⅰ・Ⅱ
4年次 卒業論文を作成する。 課題研究Ⅲ

卒業論文のテーマ例

中世イタリア都市の商人/「死の舞踏」と中世後期ヨーロッパの民衆世界/中世後期スコットランドにおける死生観/近世イングランドの夫婦と離婚訴訟/宗教改革と女子修道院/近世ドイツにおける傭兵/近世ドイツにおける魔女裁判/海賊と船乗りの18世紀大西洋世界/インド更紗と18世紀ヨーロッパ社会/18世紀フランスにおける職人の労働と文化/20世紀ドイツ軍とメディア・男らしさ/20世紀アメリカのボクシング・ビジネスと人種問題/20世紀前半のニューヨークのイタリア系移民と食文化/カジュアル・ファッションの誕生/戦後イギリスの若者文化

メッセージ

三瓶 弘喜先生(アメリ力史)

西洋史のキーワードは「越境」です。出発点として、まず国境を越えてみましょう。西洋史研究室で行われる海外研修旅行がその第一歩となるはずです(これまでイタリア、スペイン、ベルギー、チェコ、フランス、アメリカなどを訪れました)。書物で読んだ世界を自分の肌で感じ、そして片言でも良いから、世界の人たちとコミュ二ケーションを楽しんでみましょう。 次に熊本大学の垣根を越えてみましょう。研究を通じて学んだことを、外に向かって情報発信していきましょう。たとえば、九州で西洋史を学ぶ学生が集う九州西洋史学会若手部会が、その有意義な場となるはずです。他大学の仲間たちを相手に、大いに議論をしてみましょう。もうそこには、一回りも二回りも大きくなった、自信に満ちた新しい自分がいるはずです。

中島 駿介(4年)

私は、中世シチリア王国におけるムスリムとキリスト教徒の共存について研究をしています。なぜ十字軍の時代に彼らは共存できたのか。不思議だと思いませんか?私は研究を通して、そんな「なぜ」「どうして」と向き合っています。
西洋史研究室は和気あいあいとした空間です。そして毎年、気心の知れた仲間たちとヨーロッパへの研修旅行を行っています。私は昨年の研修旅行の際、仲間たちとは別行動で、シチリアへと足を伸ばしました。言葉の壁や様々なトラブルにもぶつかりましたが、それを超えて見た憧れの地の景色は、他では味わうことのできないものでした。みなさんも、この研究室から旅へ出て、見たことのない世界を見てみませんか?

  • 大学院社会文化科学研究科
  • 熊本大学文学部附属永青文庫研究センター

国立大学法人熊本大学 文学部

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